2021年10月30日、イギリスに本拠を置くクライトン・モーターサイクルが、ロータリーエンジンを搭載したスペシャルマシン「CR700W」を発表した。

クライトン・モーターサイクル「CR700W」の特徴

画像: Crighton Motorcycles CR700W 総排気量:690cc エンジン形式:水冷4スト並列2ローター シート高:810mm 車両重量:129.5kg(乾燥)

Crighton Motorcycles CR700W

総排気量:690cc
エンジン形式:水冷4スト並列2ローター
シート高:810mm
車両重量:129.5kg(乾燥)

ハンドメイド生産の限定25台、価格は約1300万円!

クライトン・モーターサイクルを率いるのはブライアン・クライトン氏。かつてはライダーとしてレースを戦っていたクライトン氏は、1980年代にはイギリスのオートバイメーカー、ノートン・モーターサイクルの研究開発部門に所属。ロータリーエンジンを搭載したレーシングマシン開発を主導。1988年〜1994年にかけて、英国国内のF1クラス、スーパーバイククラスのレースで数々のタイトルを獲得する大活躍をした、ノートン製のロータリーレーサー「RCW588」などを手がけていた。

クライトン氏はロータリーエンジンの可能性を強く感じ、ノートンを離れた後も2009年から、航空機向けにロータリーエンジンを開発している企業・ロトロンパワーと協力。次世代の2輪用ロータリーエンジン開発に集中した。そしてついに、自らの名を冠した究極のロータリースポーツ「CR700W」としてそれは完成した。

画像1: クライトン・モーターサイクル「CR700W」の特徴

「CR700W」のために開発された排気量690cc、水冷並列2ローターのロータリーエンジンは、その最高出力220HP。1リッターあたりの出力に換算するとおよそ319HPとなり、これは最新のMotoGPマシンに匹敵する数値だ。最大トルクも14.5kgf・mと非常に力強く、しかも振動も極めて小さく抑えられているという。

画像2: クライトン・モーターサイクル「CR700W」の特徴

そしてこのエンジンは、ロータリーならではのシンプルな構造を生かし、極めてコンパクトなサイズで部品点数も少なく、エンジン自体の重量は24kg、6速ミッションとクラッチまで含めても46kgあまりという軽量な仕上がり。

画像3: クライトン・モーターサイクル「CR700W」の特徴

これを搭載するアルミ製のフレームはシンプルな構造だが高強度で、ピポット位置やステアリングヘッド角の調整機構まで備えながら極めて軽く作られている。完成車の車重は乾燥重量ながら129.5kgと、市販の250ccロードスポーツよりも20〜30kgは軽く、パワフルなロータリーエンジンとの組み合わせでパワーウェイトレシオは1.68HP/kgという驚異的なスペックを実現。

画像4: クライトン・モーターサイクル「CR700W」の特徴

この高性能ぶりに合わせて、足回りも充実。サスペンションはオーリンズもしくはビチューボを選択可能。ホイールはダイマグのカーボン製、ブレーキはブレンボで、いずれのパーツもスーパーバイクレーサーに準ずるスペックのハイグレードなものがチョイスされている。スタイリングは、保安部品を備えないカーボン製のフルカウルにアルミタンクなど、レーシングマシンそのままというべきスパルタンな姿だ。

画像5: クライトン・モーターサイクル「CR700W」の特徴

その強烈なパフォーマンスは、サーキットで「CR700W」のテスト走行を担当した、2020年のブリティッシュ・スーパースポーツGP2カップでチャンピオンとなったレーシングライダー、メイソン・ローをして「F-35戦闘機で空母から飛び出すような気分」とコメントさせるほどだ。

画像6: クライトン・モーターサイクル「CR700W」の特徴

このようにエンジンから車体まで、妥協を廃した造りのクライトン「CR700W」は、イギリスのウィルトシャーにあるファクトリーで、わずか限定25台のみのスペシャルモデルとして全てハンドメイドで生産されることになる。英国現地での価格は8万5000ポンド、日本円換算で約1300万円だ。

クライトン・モーターサイクル「CR700W」の主なスペック

全長×全幅×全高2040×470(カウル幅)×1151mm
ホイールベース1440mm
シート高810mm
車両重量129.5kg (乾燥)
エンジン形式水冷4スト並列2ローター
総排気量690cc
最高出力220PS/10500rpm
最大トルク14.5kgf・m/9500rpm
変速機形式6速リターン

まとめ:小松信夫

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