好きなGS1200SSで経験を積みショップオープンに至る

フルダブルクレードルのスチールフレームに油冷エンジンを搭載、ハーフカウル+シングルシートスタイルテールに赤×黒のカラーリング。ベースがGS1200SSであること、そしてヨシムライメージを強めたということが分かる。

2019年にショップを開いて、多くの油冷ユーザーのニーズに応えつつある飯田レーシングファクトリーの代表・飯田さんが自ら20年近く乗ってきたという、同店デモ車だ。各地のイベントで見たことがあるという方もいるだろう。

その飯田さんはお父さんとともにプライベーターとしてミニバイクを皮切りにカスタムやレストアを手がけてきた。この車両は、GS1200SS現役時代に手に入れ、カスタムは吸排気系の変更から始めたという。

元々ボディカラーは純正白×青だったが、アクシデントを機に、この赤×黒にリペイント。さらに物足りないと感じた部分に手を加えていくうちに、このカラーの元となったヨシムラへの興味が増していったという。その後、油冷やヨシムラに関するイベントを通じて吉村不二雄さんやヨシムラスタッフにチューニングの相談に乗ってもらうようになり、車両にもヨシムラにも愛着を強めていく。

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この車両は一貫したルックスでカスタムを受けてきたのだが、各部はその都度アップデートされてきた。ホイールやマフラー、サスにブレーキなどは、数年前のプライベーター時代からは確かに大幅な進化を果たした。この最新仕様では左右のディスクインナーやキャリパー(ゴールドの上に薄く乗った色味)、ハンドルクランプにバーエンド、スタンドフックがそれぞれ右側が赤、左側が緑に処理されている。これも、アップデートの際にヨシムラ耐久レーサーへのリスペクトで加えられたものとのこと。耐久レースの秒を競うピット作業で左右を間違えずに行えるという点に注目しての実用もある。

さらに各部を見ていくと、フェンダーレスキットやスイングアームのスタビ加工、オイルキャッチタンクなど、オリジナル製作品が各所に使われる。これも長年の車歴の中、そして油冷に乗っている仲間との意見で作り出されたもの。今ではショップを運営するから、こうしたパーツも市販されるようになった。

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こんな経験の詰まったデモ車だが、飯田さんは「今油冷に乗るなら、まず元の状態に、各部をリフレッシュしたいです。カスタムはそのノーマル良好状態があった上で楽しめるものですから」ともいう。この車両はそのリフレッシュを常に受けて、良好な状態を維持してきたから、多くのアップデートもすぐに受け付けてきた。油冷はその機構や背景から新しいものという印象も抱きがちだが、実際にはこのGS1200SSでももう20年級と、かなりの年月が経ってしまった。

でも、飯田さんのようにそれをフォローしようという人がいる。この車両は引き続きパーツ開発や新たなカスタムの採り入れにも使われるようだから、デモ車としての今後に期待ができる。それは、とても心強いことだ。

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カウルはGS1200SSのノーマルで、マジカルレーシング製ヘッドライトカバー、同じくカーボンモノコックボディのNK-1ミラーを装着する。

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メーターはSTACK製の速度計(左)/エンジン回転計(中)/燃料計(右)をオリジナルパネルにマウント。燃調モニタやZiiXタイヤ温度モニタ、ヨシムラ・プログレスメーターも追加。フロントマスターシリンダーはブレンボRCSコルサコルタでクラッチマスターもブレンボRCSだ。セパレートハンドルのマウントおよびバーエンドは左が緑、右が赤(スロットルホルダーも)と、左右で色を違えているのが楽しい。

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シートカウル/シート/シングルシートカバーはGS1200SS純正。カラー類も右が赤、左が緑。外装塗装はブラッシュファクトリーによる。

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シート下には同店製スカチューン用タンデムシートキーシリンダーステーを配置し、レーシングキャブレター装着時やスカチューン時に行き場がなくなるタンデムシートキーシリンダーをスマートに取り付ける。フェンダーレスキットも飯田レーシングファクトリー製。

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エンジンはヴォスナーφ81mm鍛造ピストンによる1216cc仕様で圧縮も変更、ヨシムラST-1カムを組み込む。ピストン重量合わせや燃焼室容積合わせ、ポート研磨やバルブポリッシュ、クランクダイナミックバランス&ジャーナルラッピングにミッション研磨等、多くのチューニングが施される。オイルクーラーはGSX-R1100用+任意に冷却できるオリジナル電動ファンで自製サブオイルクーラーも追加した。

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キャブレターはヨシムラTMR-MJNφ40mmで、デュアルスタックファンネルのカラーを赤×黒とする。点火系/コイルはウオタニSP-2だ。

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フロントフォークはオーリンズ倒立のFG424で、フロントブレーキはラジアルビレットのキャリパーがブレンボGP4-RXで、右側用キャリパーボディに赤色、左側用キャリパーボディに緑色を上乗せ。サンスター・ワークスエキスパンドディスクもインナーに同様の処理を施す。

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スイングアームはノーマルに削り出しエンドとスタビを追加工した上でブラック仕上げ。リヤショックはオーリンズ・グランドツイン。ホイールはアルミ鍛造のO・ZレーシングGASS RS-Aの3.50-17/6.00-17サイズで、リヤはオリジナル。ドライブチェーンはRKで520サイズ。

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リヤブレーキもブレンボCNC・2ピストンキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドφ250mmディスクの組み合わせ。レーシングスタンドフックやアクスルホルダーも左右で色分け。マフラーはワンオフ製作品。ステップはとても踏みやすいというチームアダチ製(絶版品)だ。

取材協力:飯田レーシングファクトリー

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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