経年してしまうところに気を付けて要所を押さえる

「このK4は、足まわりをアップデートしたいということでホイールやブレーキまわり、これはキャリパー/ディスク/マスターシリンダーと一式換えて、マフラーも2本出しだったのをチタン集合に換えたんです。全体的に軽くなりますし、いい内容です」とブライトロジック・竹中さん。ベースは2004年型=第1世代、入庫したのは’21年になってからのことだという。

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「それで作業のためにフロントフォークを外してみると、ステムの動きが渋かった。ガチガチで、まっすぐ走らないくらい。普段乗っていて気がつかなかったそうですけど、こんなケースは意外と多いんです。

距離が出てない車両でも起こる。少し時間が経ってるような車両とか、保管してあってもただ置いたままにしている車両は特にです。どういうことかと言うと、ステムが固定されたままになっている。それでステムベアリングが動いてないということです。ステムは複数のベアリングボールが受け側のレースの溝に収まってその中で動ける構造ですけど、それが、乗ってないまま、置いたままだとボールが点で固定される。するとレースとの電位差でボールに錆が出るんです。本当にほんのわずかな点錆ですけど、それがいけない。ゴリゴリしてちゃんと動かなくなるし、そうなるとちゃんと走らないんです。

フロントまわりが大きな衝撃を受けてなくても、長く車両を置いたままにしてしまうとダメ。ほかの部分も似たようなことが起こります。旧車じゃないからとかは関係なく、バイクの基本ですよね」

そうならないようにするには普段から乗る、感じる、メンテナンスすることだ。同店では以前にも紹介してきたように、旧車でもハヤブサのような現代車でも、手を入れる際にはこのように各部バラしを行い、チェックと整備を行う。

ハヤブサも息の長いモデルになって、丈夫ではあるけれど、動くからと見落としてしまう要素がある。たとえノーマル状態であっても、こうした基本がしっかりしていないと、組み付けるパーツが生きてこないことになってしまうからだ。まずはベースとなる車両がきちんとしているかにかかってくるということだ。

その上で、ハヤブサに手を入れる時には何を考えるか。竹中さんは、初代登場時から定番を用意している。まずは軽くすること。これでバイクを動かしやすくする。その上で、操作系も軽く動かせるようにする。これらは乗りやすさにつながり、トータルで車両が良くなる。この車両で行われているバーハンドル化やクラッチマスターの変更は特に効くのだという。

車両の状態をしっかり底上げし、さらに扱いやすさを増す要素を加える。だからこそ、長く安全に楽しめるバイクができる。このハヤブサは、同店での、機種を問わずに「手を入れることで良くなること」を目指すという姿勢を表した1台と言えそうだ。

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ハンドルをバータイプに変更するのは同店定番。トップブリッジはハリケーン製。フロントまわりからの情報も分かりやすく、車両も動かしやすくなる。クラッチマスターはハヤブサでは変更必須で、フロントブレーキマスターとともにブレンボレーシングに変更。

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リヤショックもフロントまわりで行われた変更同様の理由(リヤまわりの情報増、作動性の良化)によって、オーリンズに変更する。

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前後ホイールは鍛造品に換装することによって軽量化と路面インフォメーションの分かりやすさ向上が見込める。ここではマグ鍛造のMAGTAN JB3(3.50-17/6.00-17サイズ)を履いた。フロントブレーキはブレンボCNC 4ピストンキャリパー+ブレンボディスクの組み合わせ。

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リヤブレーキもブレンボCNC 2ピストンキャリパー+サンスターディスクに変更。換装だけでなく、ベースコンディションも確認する。

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エンジンやFI、アルミツインスパーのフレーム、外装まわりはこの車両ではノーマル。なおブライトロジックではエンジンの全バラ再組み立て/オーバーホールもお勧めメニューで、組み直しでまったく別物に仕上がるのは、GSやカタナ、油冷でもハヤブサでも同じだ。

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排気系はそれまで装着していた2本出しから右出しトライオーバルサイレンサーのヨシムラ・キャタライズドチタンサイクロンに変更。

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スイングアームはノーマル。ドライブチェーンはノーマルに同じ530サイズでRKの530X-XWブラック、スプロケットもRKに換装している。

取材協力:ブライトロジック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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