これまでにも、KTMはモトクロッサーのSXシリーズにファクトリーエディションをラインアップしてきた。過去においてこのファクトリーエディション達は、0.5年分開発を先取りしたモデルで、本当の意味での「ファクトリーレプリカ」だった。ここに新しく現れた同社初の“エンデューロ”におけるファクトリーエディションは、どうやらさらに究極のファクトリーレプリカになっている模様だ。

画像: 170万円の意味は、スペシャルサスにあり。究極のエンデューロバイクが差額12万円で手に入る

KTM
350 EXC-F FACTORY EDITION

メーカー希望小売価格 1,700,000 円

明確にKTMからリリースされているだけではないのだが、350EXC-FベースであるということはISDEで総合優勝を飾ったジョセップ・ガルシアのレプリカと判断していいだろう。スペイン出身、96年生まれわずか63kgの体重が、それまでの常識を覆すほどの爆発力をもったライディングを生み出すライダーで、今最も世界のエンデューロでヤバイやつと評価できるはず。

画像: ジョセップ・ガルシアと、純ファクトリーマシン。アクラポヴィッチのエキゾーストなど異なる部分はあるものの、このマシンのレプリカだと言えるはず。

ジョセップ・ガルシアと、純ファクトリーマシン。アクラポヴィッチのエキゾーストなど異なる部分はあるものの、このマシンのレプリカだと言えるはず。

画像: 写真は、ジョセップのマシンより。

写真は、ジョセップのマシンより。

WP XACT エアフォークテクノロジーが、最大のこのマシンの特徴だ。こちらは、WPがマーケットに市販している「PROコンポーネント」とは少し違うもの。ただし、過去にEXCシリーズに採用されていたエアサスXPLOR AERとは別物で、モトクロス用のOEMに使われているXACTサス(AER)をベースとし、シムスタッキングなどをエンデューロ用にリセッティングしたものだとのこと。PROコンポーネントとの違いは、大まかにエアスプリングの仕様と、コーンバルブの有無(PROはコーンバルブ入り。OEMはなし)だそうだ。

標準のXPLORシリーズサスペンションも必要にして十分な性能を発揮するが、こちらのXACTはそもそもエアサスペンションのタイプ。好みもあるが、スプリングタイプよりも軽量だ。バネ感は変わってしまうものの、それ以上に恩恵が大きいと感じるはず。エアサスは、各車こぞって2010年代に一度撤退したメカニズムであるものの、各ブランドその進化の手をやめず、特にWPに関してはいまなおモトクロッサーにエアサスを採用して最適解としている。先日開催されたKTMファミリーの一気試乗でも、GASGAS EC250FにWP XACT PROのAERサスをインストールしたモデルが試乗できたのだが、スタンダードとはまるで別物だった。細かなギャップを情報として拾うのに、しかし不安感を抱かせない収束の仕方をする。

画像: 言葉を失うほど迫力がある、ガルシアのライディング。コレが一応、できちゃうバイクが手に入る! のかな

言葉を失うほど迫力がある、ガルシアのライディング。コレが一応、できちゃうバイクが手に入る! のかな

エアサスが嫌われていたのは、そのセッティングノウハウが特殊であるからだ。レース現場でも、エアサスがまったくダメだと言うトップライダーはほとんどいなかった。アマチュアレベルにとっては、エアサスは固めのフィーリングが出てしまうのだが、XACT AERに関してはそのようなネガティブな面も見られない。ただただ、350EXC-Fが158万円。それにサスペンションはだいたいPROコンポーネントで70万円で、合計230万円くらいになってしまう…そこだけがネックだったのだが、このファクトリーエディション、なんとお値打ち170万円。スタンダードとの価格差たった12万円なのである。

様々なエンデューロバイクがあるが、世の中で「キングオブ・エンデューロ」と言えるバイクをあげるとするなら、コレだ。170万円、なんとなく高く感じるかもしれないが、前述したとおり、最高にバーゲンプライスな車両なのだ。

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