空冷Zの細部にまで及ぶ目を車両全体へ反映する

ブルドックによるコンプリートカスタム車、GT-MによるZ1の近作。「すべてにおいて乗りやすさを追求し、かつカスタムらしさもしっかり持たせる」という作りはこの車両でも貫かれている。気になるエンジンは1015cc(Z1~Z900ノーマルは903cc、Z1000~Z1000Mk.Ⅱは同じく1015cc)仕様で仕立てられていると聞くと、使われるピストンは純正オーバーサイズかと思うかもしれないが、まったく違っていた。

画像1: 空冷Zの細部にまで及ぶ目を車両全体へ反映する

「ボアとしてはZ1000~Mk.Ⅱ純正に同じφ70mmですが、ピストンはピスタルレーシング製の鍛造品を使っています。このような純正もしくは純正オーバーサイズの排気量でも、GT-M定番の1200cc仕様でも、当社では鍛造ピストンを使うんですよ」と、ブルドック・和久井さん。そこにはもちろん、確たる理由がある。

「鍛造ピストンは純正鋳造ピストンよりも利点が多いんですよ。まず皆さんも知っての通り、精度が高いですし、強く、耐久性が高い。圧縮比も高めて元気よく出来る。それらでどういうことになるかというと、エンジンがロングライフ化出来ます。初めに鍛造ピストンを使ってきちんと作れば、2~3回はいわゆるオーバーホールで済むわけです。任意のタイミングでエンジンを開けて摩耗や劣化をチェックして、消耗品を交換するという形。

それが純正ピストンの場合は、その2~3回の前に、次=1回目があるかどうかが分からない。開けてみるといろんなところがダメになっていて、オーバーホールでは済まなくて、フルに作り直しするということもあるんです。ただ、ピストン以外の純正パーツを同様に捉えるのかというとそうではなくて、そうした良否を見分けた上で、要所要所で使い分けする。純正品で十分な部分は無理に換えることはないですが、廃番品も出てきますし、そこも考えながら」

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言われてみれば確かにそうだ。こうした利点をきっちり作業に反映しているから、そして純正で不足と思える部分を補う高質なオリジナルパーツ(シフトドラムや空冷Z純正に準じつつ新品にでき、耐久性も高まるZ用ギヤ式オイルポンプ、電装系はその例だ)を用意するGT-Mは上質なのだとよく分かる。

ブルドックの、空冷Zの細部までに及ぶ目は、こうして車両に反映されているのだ。

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画像1: Detailed Description 詳細説明

ハンドルはセパレートでヘッドライトはレイブリック。メーターはZ1のノーマルをリフレッシュし、メーターパネルはホワイトに変更済みだ。クラッチは油圧作動化され、左右マスターはブレンボRCSに。ステムはマッコイ可変タイプでオフセットは[純正値:60→]35mm。

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シートはマッコイ・スプリームシートで、全体にGT-Mのスタイルを踏襲。外装はオーナーの希望によりグリーンでフルペイントされる。

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エンジンはZ1000~Mk.llの純正に同じ1015ccで、ピストンはピスタルレーシング製鍛造品に置換。オイルクーラーはラウンドコアで出力部はワイドタイヤに合わせてアウトボード&オフセットスプロケット、フレーム側もチェック/修正ほか、前後17インチホイール化に必要な加工がされる。

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キャブレターはヨシムラTMR-MJNのショートファンネル仕様。エンジン仕様などに合わせて口径もファンネル仕様も多彩に選べる。

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排気系はフルチタン4-1エキゾーストのWin Mccoyで、サイレンサーもチタン製Win Mccoyのグラデーション仕様をセット。

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フロントフォークはオーリンズRWUで、フロントブレーキはブレンボ・アキシャルビレットキャリパーにサンスターφ320mmディスクを組み合わせる。

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スイングアームは5角目の字断面アルミ7N01押し出し材製のMccoy・TYPE-1のRXコート(ブラック)仕様で、リヤショックもオーリンズ。リヤブレーキはブレンボ2ピストンキャリパー+サンスターディスク。前後ホイールはアルミ鍛造のラヴォランテで3.50-17/6.00-17サイズを履く。

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シンプルな形状としながらも車両全体を引き締め、確かな剛性によって操作も確実とするステップキットも当然ながらMccoyブランドだ。

取材協力:ブルドック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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