拘りと少しのひねくれ感が生むZカスタムの新鮮味

クラスフォーエンジニアリングは’88年のショップオープン時から、多くのカワサキZを扱い、多彩な活動を続けてきた。その上で、メインステージはあくまでもストリートだと代表・横田さんは言う。同店が進めてきた、時流を見極めつつ、本流に少しだけオフセットをかけてこだわる。そんなスタイル。これを2020年代の今に反映させるとこうなるという提案で作られたのが、このMk.llだ。

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「アメリカのドラッグレース、MAN-CUPのプロストリートクラス(ストリートタイヤを履いて保安部品付きという規定のクラス。ウイリーバーは禁止で改造は無制限)に出てきたGS1150がきっかけですね。あれが削り出しヘッド等を使った4バルブ1640ccになっているんだけど、空冷のまま。それにNOS(亜酸化窒素ガス噴射による過給)を足して600ps出て、1/4マイルを6秒台で走るんです。オールドスクール(旧車)だけど、ここまでパフォーマンスは持たせられる、見せられる。それにプロストリート規定をそのまま生かした車両だから、バイクにとって大事な街乗りも出来るわけです。見本はスズキでしたけど、同世代のZでもいいわけです」と横田さん。

ハイチューンしてポテンシャルを高めつつ、それを発揮する場=ドラッグレースでも楽しめて、その一方でツーリングも含めた街乗りでもよく走ってくれる。Z世代の旧車への新しい試みとして横田さんは注目したのだ。とは言えこの姿勢、冒頭の通りで、ブレてはいない。ただ、新しい目で見たわけだ。排気量拡大はこの車両では鍛造ピストンでも1200cc化とし、NOSに対して各部を強化。こうしたノウハウはもう35年にも及ぶZとの付き合いで見えている。車体側のロング&ローも、モノサス化で可能性を高めたわけだ。

このクラスフォーMk.llは2019/20年のJD-STERドラッグレースに参戦、車高やNOSのセットアップを行っていった。ストリートタイヤを履いて保安部品も備えるから、ナンバーも取得してツーリングや街乗りにも使った。ポテンシャルも上々、車高の低さは乗りやすさにもつながるという、新しい側面も確認できた。

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「Zの世界に今後新しいことというのは起こるかどうか分からないけど、出てくるだろうし、やりようはある。そこはもう少しこだわって見ていきたい」とも横田さん。

このMk.llその新しいことのひとつで、これからもこうした新しさは現れてくるはずだ。そんな要素を採り入れた新しい空冷Zの姿、見てみたい。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

オリジナルビキニカウルは着脱可能で丸目ネイキッド仕様にもなる。ハンドルはドラッグバー、タンクはビーター・アルミ。ワンボディのメーターはKOSOでキーシリンダー左にNOS用スイッチ。フロントマスターシリンダーはブレンボ、クラッチホルダーはコーケン製をチョイス。

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Mk.llの角型デザインを踏襲した外装類。シングルシートカウルはファスナー着脱式で整備性を向上。アルミ燃料タンクもMk.ll形状のデザインだ。

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空冷2バルブ/5速のエンジンはCPピストン製φ76mm鍛造ピストンによる1200cc仕様で、NOS使用を前提に各部強化。ミッションはアメリカでアンダーカット加工等を行い、クランクはファリコン製強化/軽量品に。MTCロックアップクラッチやデータロガー等も装備する。

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吸気系はFCRφ39mm+NOSウエットショット。排気系はマーレ製ワンオフのサイドワインダー。NAで後軸145psを実測、NOS作動時には193psを発揮する仕様。

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今までにない形と新しいアメリカン・カスタムスタイルの融合というテーマは足まわりにもおよび、フロントフォークはナイトロンNTR43のDAEG用770mmをナイトロレーシング製ステムと組み合わせてセット。フロントブレーキキャリパーはベルリンガー4Pでディスクはサンスターだ。

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リヤサスはNOSボトルホルダー付きのD.M.E.製ハヤブサ用5インチ(Zの8インチ相当)ロングスイングアームを使ってのモノショック仕様。ショックはナイトロンのハヤブサ用。フレーム側に受けも新設する。ホイールはBrock's BSTカーボン3.50-17/6.00-17サイズを履いている。

取材協力:クラスフォーエンジニアリング

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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