1975年に免許制度が改正され、限定解除という「高い壁」が生まれたことで、国内のバイクシーンの主役は400㏄スポーツモデルに移っていった。そんな中で爆発的にヒットしたのが「Z400FX」。精悍なスタイルと4気筒エンジンを備え、一世を風靡した名車だ。

カワサキ「Z400FX」の特徴

画像: Kawasaki Z400FX 1979年登場 総排気量:399cc エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 車両重量:205kg 当時価格:38万5000円

Kawasaki Z400FX
1979年登場

総排気量:399cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
車両重量:205kg

当時価格:38万5000円

精悍なスタイルと高性能で瞬く間に人気に

1970年代、多くのライダーにとって現実的な憧れであった400ccのオートバイ。1974年末に発売されたCB400FOURは、4気筒エンジンと流麗なスタイルで人気となったが76年で販売終了。その後は、CB400TホークIIやGS400など2気筒モデルが人気だったが、400ccに4気筒を望む声は根強かった。

そんな声に応える待望の新たな400cc4気筒モデル、しかもDOHCを採用してさらなる高性能を実現した待望の存在として、1979年4月にカワサキ「Z400FX」がデビューした。

画像: カワサキ「Z400FX」の特徴

輸出モデルのZ500の400cc版で、最高出力は当時400ccクラス最強の43PS。しかもスタイルは輸出仕様のリッターバイクのZ1000MK2や、国内向けフラッグシップのZ750FXと共通デザインの、堂々たる姿。まさに夢の400cc4気筒スポーツだった。

月刊『オートバイ』で年に一度開催しているジャパンバイクオブザイヤーでは、1979年の126~400ccクラス、1980年の251~400ccクラスで人気ランキング1位を獲得してみせた。

カワサキ「Z400FX」各部装備・ディテール解説

画像: 車両は1979年12月発売のE2モデルで、ボディカラーはミッドナイトブルー。シート後端のテールカウルもZ1000MKIIと共通イメージ。

車両は1979年12月発売のE2モデルで、ボディカラーはミッドナイトブルー。シート後端のテールカウルもZ1000MKIIと共通イメージ。

画像: ボア55×ストローク52.4mmのZ500用エンジンを、ボア52×ストローク47mmとして399cc化。DOHC2バルブ空冷4気筒という基本構造は共通。

ボア55×ストローク52.4mmのZ500用エンジンを、ボア52×ストローク47mmとして399cc化。DOHC2バルブ空冷4気筒という基本構造は共通。

画像: ベースとなったZ500や後継のZ550FXのフロントブレーキはダブルディスクだったが、Z400FXはシングルディスクだ。

ベースとなったZ500や後継のZ550FXのフロントブレーキはダブルディスクだったが、Z400FXはシングルディスクだ。

画像: マフラーはメッキ仕上げされた左右2本出し。リアブレーキにもディスクが採用されている。

マフラーはメッキ仕上げされた左右2本出し。リアブレーキにもディスクが採用されている。

画像: アナログ2連メーターを装備。タコメーターは12000rpmスケールで、レッドゾーンは10000rpmから。手前の速度警告灯が時代を感じさせる。

アナログ2連メーターを装備。タコメーターは12000rpmスケールで、レッドゾーンは10000rpmから。手前の速度警告灯が時代を感じさせる。

画像: シート後方の角型のテールカウルがリアビューを引き締める。大きなサイズの一体型テールランプが印象的だ。

シート後方の角型のテールカウルがリアビューを引き締める。大きなサイズの一体型テールランプが印象的だ。

カワサキ「Z400FX」主なスペック

全長×全幅×全高2100×785×1125mm
ホイールベース1380mm
最低地上高145mm
車両重量205kg
エンジン形式空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量399cc
ボア×ストローク52×47mm
圧縮比9.3
最高出力43PS/9500rpm
最大トルク3.5kgf・m/7500rpm
燃料タンク容量15L
変速機形式6速リターン
キャスター角26°
トレール量98mm
タイヤサイズ(前・後)3.25-19・3.75-18
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・シングルディスク
当時価格38万5000円

※この記事は月刊『オートバイ』2021年7月号の特集から一部抜粋し、再構成して掲載しています。当特集のスタッフ 文:太田安治、小松信夫、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、稲田浩章、小見哲彦、小平 寛、鶴見 健、冨樫秀明、栃内隆吉、西田 格、南 孝幸、松川 忍、盛長幸夫、森 浩輔、山口真利、永元秀和(月刊オートバイ誌)、玉井 充(月刊オートバイ誌)

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