空冷4発200ps超え、300km/hの強烈カスタム

『カワサキZはどこまで速くできるのか』。そんな命題に沿って、Zのチューニングの可能性も常に追われてきた。このZ1-Rはその代表的存在で、ライディングウェアブランドであると同時に幅広いレースで活躍してきたイエローコーンによるもの。Z1の開発コードネーム“ニューヨークステーキ”をもじって“ハムステーキ”と命名された。

画像1: 空冷4発200ps超え、300km/hの強烈カスタム

’90年代初頭、このハムステーキは完成と同時にツクバTOF(現TOT)を筆頭とする各地の草レースを席捲する。その背景には同社が所有していたプロストックバイク・ドラッグレーサー、スレッジハンマー(Z系やGS/GSX系ベースの空冷並列4気筒エンジンを特殊チューンし、専用のローリングシャシーに積んだ。Ⅰ~Ⅷ号機まで発展)で培った膨大なノウハウがあったのだ。1500cc近い排気量を初め、耐久性を度外視したドラッグレーサーの手法ほぼそのままとしたため、ロードレースでは気温が低い真冬でも、後半にエンジンがタレるケースも少なくなかったが……。

それでも最高出力230psを引っ提げて当時の各種テストコース・谷田部で最高速テストで297km/hを記録した実力は伊達ではなく、レースでも数々の栄冠を獲得。パワーを追求したエンジン特性は基本的には高回転型だったが、大きな排気量によって、低中回転域でもトルク不足を感じることはほとんどなかったようだ。

画像2: 空冷4発200ps超え、300km/hの強烈カスタム

最高速テストやレースでの活躍は多くのカスタムファンの心に焼き付き、その速さを追いかけたファンも多数いる。このハムステーキ(1)から10年以上を経た2008年にはオリジナルフレームにZエンジンを積んだ“ハムステーキⅡ”が現れ、’09年3月31日に富士スピードウェイ・メインストレートで300km/h超えも果たす。こうしてハムステーキ・シリーズは空冷Zの可能性をまざまざと見せつけてくれたのだ。

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Detailed Description 詳細説明

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ハンドルはセパレート。300km/h時の風圧に耐えるため、カウルステーは強固な作り。12000rpmまで刻まれた回転計はトガシエンジニアリング製カーボンパネルにマウントされる。フロントマスターシリンダーはニッシン製のいわゆる“サンマルマスター”だ。

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Z1-Rの形状を模してワンオフされた燃料タンクはアルミ製。キャップはエアプレーン式。サイドに車名ロゴが入れられている。

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Z1-Rを元にMTCφ[STD値:66→]85mmピストンで1497cc化、14.5:1の高圧縮。点火系はMSD、カムはバンス&ハインズ、クランクはファリコンと、ドラッグレーサー的チューンでまとめられたエンジン。吸排気はTMRφ41mm+イエローコーンプロヘッダー。クラッチやミッションはノーマルだ。

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φ36からφ43mmとして強化されたフロントフォークはヤマハのワークス品。フロントブレーキキャリパーはアルコン製6ピストンを装着した。

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純正サイズの前後2.15-18インチから3.50-17/4.50-17インチへと変更された前後ホイールはダイマグ製。KZ1000S1タイプのアルミスイングアームはワンオフ品だ。

取材協力:イエローコーン

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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