ロングツーリングは、最もバイクの魅力が堪能できる楽しみ方のひとつ。国内・海外問わず、長距離を楽しむライダーも多く、最近の大型モデルでは、超ロングツーリングにも適した高性能バイクも多くなっている。その上、モデルの多様化でツアラーカテゴリーにも変化が…。この記事では、大型アドベンチャー・ツアラーの魅力を考察していきます。
文:松下尚司/写真:稲垣正倫

大型アドベンチャーモデルは、最上のツアラーといえるかもしれない

アドベンチャーモデルは長旅に最適のパートナー

今から10年近く前、欧州ブランドのアドベンチャーモデルが世界的な人気となった時でも、「日本でアドベンチャーモデルはきっとウケないよね。冒険する場所がないから」と言われたことがある。まぁ、言ってることはわかるけど、でも、それは日本に合ったアドベンチャーモデルがないからなんじゃないの? とは思っていた。

その後、2016年に復活したアフリカツイン(CRF1000L)の国内販売をきっかけに、アドベンチャーというキーワードは一気に多く取り上げられるようになって、今では日本でもすっかり定着したカテゴリーになったと思う。ただ、これはアドベンチャーモデルが流行ったというよりも、アドベンチャーの捉え方が変わったというか、日本のライダーの解釈が変わったんじゃないかな、と。

画像: アドベンチャーモデルは長旅に最適のパートナー

日本の場合、アドベンチャーモデルに乗っているからといって、プロモーションビデオやカタログにあるような「まさにアドベンチャー!」なんて場所で乗っている人は全体の2割もいないだろうし(いや、もっといないかも)、当然、ツーリングがメイン。つまり、アドベンチャースタイルのツアラーとして定着したってことなんじゃないかと。日本は冒険(アドベンチャー)よりも旅(ツアー)が求められるのでね。

まぁ、確かに乗ってみるとそれは当たり前の話で、アドベンチャーモデルは乗車姿勢が楽チンで、背の高い車両が多いから視界も良い。スクリーンも大きいから高速道路でも実はとても乗りやすくて、荷物を積むのに楽なボックス系も充実している。

さらに、そのデザインがカッコ良いときてるから、人気が出るのも納得。今回乗ったアフリカツインに関しては、DCTが搭載されているので、クラッチ操作もギア操作もいらない。楽チンの度合いが違いますわ。

唯一、車体が大きい、足つきが心配って人はいるでしょうが、でも、乗っちゃうと気にならないのが、この手のバイクの良いところ。思ってたよりも距離を乗っちゃったなんてことになるのも仕方ないよねぇ。


高性能でフレンドリー長旅を応援してくれるバイク

今回のツーリングで乗ったCRF1100Lアフリカツインは電子制御サスを搭載して、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)がついたハイグレードモデル。アドベンチャーは長旅をするのに向いたモデルですが、このアフリカツイン・アドベンチャースポーツは、そういう意味でより楽に長距離を楽しむことに特化したモデルといえると思います。

画像1: 高性能でフレンドリー長旅を応援してくれるバイク

なんてったって燃料タンクも24Lと大きいですからね。それだけで遠くへ行っちゃおうかなって思わせてくれるじゃありませんか。

不思議なもんで、若い頃は「ボックスなんてオッサンが使うもの」と思っていましたけど、実際にオッサンになってみたら「ツーリングでこんなに良いものはない」と思うようになりました。ヘルメットも入るし、お土産だって思う存分買えます。

今回は、現地でカツオを食べて気持ちを落ち着かせましたが、個人的にはトップボックスがクーラーボックスになってたら最高なのになぁといつも思っているくらいです。そんなことになったら、整いすぎて、アドベンチャー感はこれっぽっちもないですけど。

画像: ▲御前崎はカツオが有名な土地。想像通り、タタキ定食がウリだそうなので注文。で、食べたのはカメラマンなんだけどね。

▲御前崎はカツオが有名な土地。想像通り、タタキ定食がウリだそうなので注文。で、食べたのはカメラマンなんだけどね。


画像2: 高性能でフレンドリー長旅を応援してくれるバイク

アドベンチャーは時代が求めたキーワード

各メーカー共に、アドベンチャースタイルのモデルはラインアップされていますが、日本だとアドベンチャーモデルに馴染みのない人もまだまだいるわけです。自分も「冒険しようぜ!」よりも「ツーリング行こうぜ!」の方がしっくりきますからね。

20年前なら、ツアラーと言われてアドベンチャーモデルのスタイリングを思い浮かべる人は少なかったと思います。ここで紹介しているモデル達も、最も古いものでVストローム1000が2001年発表と、ちょうど20年前。

当時のリリースでは「欧州向けスポーツエンデューローツアラー」。ということは、時代が変わり、モデルが進化して、その時代にあった言葉が選ばれて、アドベンチャーと言われるようになったということなんでしょうね。

ホンダ「CRF1100L アフリカツイン アドベンチャースポーツ ES DCT」

画像1: 大型アドベンチャーバイクの魅力を考察! ロングツーリングを快適に楽しめる「ツアラー」の考え方はどう変わっていったのか

総排気量:1082cc
エンジン形式:水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒
シート高:830mm
車両重量:248kg

税込価格
161万7000円:CRF1100L Africa Twin
172万7000円:CRF1100L Africa Twin Dual Clutch Transmission
180万4000円:CRF1100L Africa Twin Adventure Sports
191万4000円:CRF1100L Africa Twin Adventure Sports Dual Clutch Transmission
194万7000円:CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES
205万7000円:CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission

画像2: 大型アドベンチャーバイクの魅力を考察! ロングツーリングを快適に楽しめる「ツアラー」の考え方はどう変わっていったのか

アフリカツインだとトリコロールカラーのイメージが強いと思うんですね。それがまたアドベンチャー感があるというか。でも、ブラックだとそこまでアドベンチャー感は強くない気がしません?

ライディングポジション

画像3: 大型アドベンチャーバイクの魅力を考察! ロングツーリングを快適に楽しめる「ツアラー」の考え方はどう変わっていったのか

通常モデルのアフリカツインはシート高が低く設定されてます。アフリカツインに乗る前日までCRF250 RALLYに乗っていたんですが、明らかにアフリカツインの方がシート高は低いし、足つきも良いです。ただし、私は身長が186cmあって、ミスター足つき参考にならないマンですんで、そこのところはご理解を。

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