私が、全日本モトクロス選手権に行くのは今回で4度目。

2018年は初めてモトクロスという競技を観て知り、去年は開幕戦と最終戦という、1年の始まりと終わりのレースを観ることができました。

今回は埼玉県にあるオフロードヴィレッジで行われた第3戦に行ってきたのですが、今季は第2戦の中国大会が延期。初戦の九州大会は行われたので実質2戦目。
去年観ていた雰囲気とはまた違った選手達の雰囲気や言葉・表情が見れた事が1番印象に残りました。

私が今回1番心を掴まれたのはLMX(レディース)クラスの小野彩葉選手。
初めて観に行った時からモトクロスについて教えて頂いたり、インタビューさせて頂いていたのですが、今回初めてとても悔しそうな表情を見たのです。結果だけ見ると3位表彰台。
今まで私が観に行ったレースでも同じ順位だった事があります。その時も悔しい気持ちはあったのかもしれませんが、今回は今まで見た小野選手の顔つきと全然違っていて、私の胸に凄く突き刺さる表情をしていました。

そんな小野選手が戦うLMXクラスは今回初めて2ヒート(2レース制)で行なわれ、タイムスケジュール的には午前のレース、午後のレース、それぞれ数戦あるのですが、どちらも最終レースという内容でした。

2ヒート制について、いろんな選手にお話を聞いてみると#5 久保まな選手は「やったことがないから楽しみです。でも西日が嫌いだからヒート2はちょっと日がないといいなぁ」と教えてくれました。ちなみに、久保まな選手は今年からマシンが変わり、楽しみな反面まだ慣れずにいるとも話してくれました。

昨シーズンのチャンピオン#1 川井麻央選手にもお話しを聞くと「2回レースするのは初めてだから楽しみです。みんな同じ条件だし集中して頑張る!」と話して下さったのですが、この話を聞いた時は少しリラックスして柔らかい表情。でも、そのあと直ぐに他のクラスの予選を観に行く際には、その姿や真剣な表情・オーラが去年見ていた姿より大きく見え、驚きました!

#4 小野彩葉選手は久保選手と同じく最後のレースという点で「最後にあるのはやりにくいですね。轍が深くなったり、ギャップが大きくなるから飛ぶラインも変えなくちゃいけないし...
よく見ないといけなくなります。でも、2回あるから楽しみたい!」と難しさも感じながら笑顔で答えてくれました。

画像: #3 久保まな選手。

#3 久保まな選手。

画像: #1 川井麻央選手。

#1 川井麻央選手。

画像: #4 小野彩葉選手。

#4 小野彩葉選手。

みなさんレースが2回できる事が楽しみと言っていたし、レースが増えて嬉しいのかなと感じるくらい笑顔で答えてくれた事が印象に残っています。結果を先に言ってしまうと、この2レース表彰台に上がったのは同じメンバーで同じ順位でした。

でも、内容は全然違っていてどちらもとても見応えのある内容。そしてその走りや結果と今までの流れから滲み出てきたのが、あの小野彩葉選手の表情だったのかなと感じました。

レース前に1周下見をするサイティングラップがあるのですが、1番最初にコースに出たのは久保選手。勢いよく出て、最初に見てまわっていました。川井選手は自分のペースでしっかり確認できるよう、前とのマージンを開けながら丁寧にチェックしている姿が印象的でした。
彩葉選手も山を越えてから後ろを振り返り路面をチェックしていたり、念入りにコースを見ていたので、この時間は凄く重要なんだろうと感じました。

私もラリーで「レッキ」といって下見走行するので、ここをしっかりしないと本番上手く走れないので、同じなのかなと考えたりも、、、

そんなこんなで観たり、考えたりしているとあっという間にスタートの時間!

エンジン音が鳴り響き、あのピリッとした空気感は観ているだけでも緊張します。

私はヒート1のスタートはジャンプが観たかったのでターン2の奥の客席から観ることに!
スタートは観られないのですが、ターン1を回り最初に埼玉トヨペットジャンプをとんでくるライダーを観るのは迫力があり、好きなポイントなのです。

画像: コース図です!

コース図です!

スタートしてからドキドキしながら、誰が最初に来るかと観ていると、1番最初に姿を現したのは小野彩葉選手。

次に#2 本田七海選手、そのあとは沢山のライダーが続いていました。
小野選手はスタートが得意なイメージがあり、去年観に行ったレースでもホールショット賞をとっていたりと、スタートはいつも痺れる走りをする選手なのです。

ターン2を超えて、1位・2位その他と少し差があるように見えたのですがターン3・フープス、の間に川井麻央選手が追い上げ、ウォースペイントジャンプでは2位の本田七海選手に近づいていました!ここまでしか私がいたところからは見れず、ドキドキ。

画像: 最初の埼玉トヨペットジャンプあたり。

最初の埼玉トヨペットジャンプあたり。

画像: 本田選手を追う川井選手。

本田選手を追う川井選手。

場内放送を聞いていると、なんと1位で走っていた小野選手が少しミスをしてしまい、トップが入れ替わります。
さらに入れ替わり1L終えて2L目の埼玉トヨペットジャンプから最初に見えたライダーはなんと川井選手!!!

去年のチャンピオン、開幕戦でも勝って昨シーズンから5連勝中の選手ですが、「さすが!!」という感じでした。

速報では2位が本田選手、3位が小野選手だったのですが、埼玉トヨペットジャンプから見えたのは川井選手→小野選手→本田選手の順。この後どうなるのかとこの2.3位を追って観ることにしました。

画像: 川井選手が見えて、後ろのヘルメットが見えているのが本田選手です。

川井選手が見えて、後ろのヘルメットが見えているのが本田選手です。

LMXクラスは15分+1周で行なわれるのですが、しばらくこの順位のままギャップが縮まったり離れたり。私はその間に、観戦しながらもぐるっと観客席を周り移動してFINISHの見えるターン6と7の間の場所へ。

8L目この場所で2人を見ると距離がグッと縮まり、最後まで目が離せない展開に!

ターン7からFINISHにかけて、並んでは抜かし。また抜き返して防御しと、とんでもないバトル。もう残り周回が少ないとわかっている分、余計にハラハラドキドキしました。

9L目のターン6を過ぎて先に見えたのは本田選手。ピッタリとくっついて小野選手がいるのですが、ターン7までに小野選手が本田選手をパス。圧巻のバトルでした!
そこから逃げ切り小野選手が前でターン1の方へ走り去っていったのですが、これがファイナルラップに。

2ハラハラドキドキしながら観ていると、今回先に見えたのは小野選手。でも本田選手もそのすぐ後ろギリギリの所に。
と思ったら今度は目の前で本田選手が小野選手の前に!!ターン7手前では本田選手が2位だったのですが、ここで負けない小野選手。
イン側を走り前に出たのですが、アウト側から本田選手が加速し、また並びターン8。
もうこの時、私は、いてもたってもいられませんでした。
ターン8ではその手前で少し前に出た本田選手がインに。小野選手はアウトを走り少し差ができてしまったけど頑張って追いかけます。
ターン9を曲がり山を越えて、そのままFINISH。
結果は川井選手→本田選手→小野選手となりました。

画像: 本田選手vs小野選手。

本田選手vs小野選手。

画像: ターン9です。

ターン9です。

画像: ターン6からターン7の間。

ターン6からターン7の間。

画像: ターン7手前のバトル。

ターン7手前のバトル。

こんなバトルが目の前で見られるとは思っておらず、その時もホントにドキドキハラハラしたのですが、今も思い出すだけで胸がギュッとなるようなホントに激熱!!素晴らしいバトルでした。

1位の川井選手は2位と4.87秒差をつけて優勝。圧倒的な速さでした。

モトクロスはレース後すぐに優勝インタビューがあり、場内放送で流れるのですが、去年よりも余裕あるような声、言葉に今年はもう頭1つ抜けている様な雰囲気を感じました。

画像: 川井選手です。

川井選手です。

この1レースだけでも凄く面白かったのですが、今回は2レース制。このバトルを見たらヒート2がより楽しみに!!

ヒート2はスタートが見たくなり、スタート横で観てからターン2の奥に移動することにしました。

ヒート1を終えてシリーズランキングが本田選手と小野選手が同じポイントで同率2位。
このヒート2の結果で順位がつくことになりました。

スタート前の準備から観ているとライダーの雰囲気が全然違って面白いのですが、小野選手はどちらかというと前を向いてじっと待っている様子。
逆に本田選手はマシンをじっと見ていたり胸をさすっていたのが印象的でした。

画像: 待っている様子です。

待っている様子です。

画像: #2が本田選手です。

#2が本田選手です。

そんな様子を見ていると私も何故か緊張し、ドキドキ。
暫くして、サイティングラップに入り、いよいよスタートです。

エンジン音が聞こえて5秒前でライダーが下を向き、一斉にスタート!!!!

横から観ていると最初に出たのはやっぱり小野選手。この瞬間ホントに痺れます。めちゃくちゃかっこいい!!

横並びでスタートし、肝心になってくるのが1コーナー。
凄い台数がここを目掛け走りみんな回っていくのですが、ここで前に出たのが、本田選手。
その後ろに小野選手、そのあとに沢山の選手が続きます。

横目に見ながらターン2奥に移動すると、埼玉トヨペットジャンプの所では3番手に川井選手が!

最初は1.2位少しあいて川井選手という順位でしたが川井選手はどんどん加速し、フープスでは小野選手を捉えてターン4では並んでいました。

川井選手と小野選手は同じチーム「T.E.SPORT」なので、本田選手をT.E.SPORTが追いかける形。

ターン4からウォースペイントジャンプの走りは胸熱でした!

画像: #4小野選手のスタート。

#4小野選手のスタート。

画像: その後の埼玉トヨペットジャンプ。

その後の埼玉トヨペットジャンプ。

画像: ターン3で小野選手と川井選手が並びます。

ターン3で小野選手と川井選手が並びます。

画像: ウォースペイントジャンプ。

ウォースペイントジャンプ。

その後は見えないので速報でどんな順位なのか確認していたのですが、1Lはそのまま、本田選手→小野選手→川井選手。

でも次に埼玉トヨペットジャンプで見えたのは本田選手→川井選手→小野選手の順でした。
差もそれぞれ少しひらいたように見え、これからどうなるのかなとドキドキ。

私はまた移動しながら観ていると、だんだん川井選手が本田選手に近づきます。

4L目の途中で川井選手がトップに出て、それからどんどん本田選手を引き離していきます。

また、小野選手と本田選手の差も出てしまい、それぞれ単独に。
そのままFINISHして、川井選手が7連覇という結果でした。

画像: FINISHした川井選手。

FINISHした川井選手。

去年も強かった川井選手ですが、やっぱり今年の勢いは全然違って、初めてのヒート2でも完全に自分のペースで走って結果を出していたり、その後の笑顔やコメントからも、もう自信に満ち溢れているのが伝わってきました!

こんなに1年で変わるんだ。凄いな、かっこいいなと感動でした。

2位の本田選手も表彰式では悔しそうな表情でしたが、しっかりとサーポーターの方などに感謝を伝えている姿がとても大人に見えました。

そして、3位の小野選手。
レース後にお話を聞きに行くと「ここはホームだから悔しいです。フープス前に失敗してしまってのれなかったこともあったりしたので」と聞かせてくれたのですが、ホントに悔しいというのがもう表情だけでなく身体全体から伝わってくるものがありました。

このヒート2でシリーズランキングが川井選手→本田選手→小野選手の順になったことも、このホームでの戦いだったことも、あったのかもしれません。

でも、この姿を私は間近で見ることができて、これから小野選手の速く、強くなっていきそうなパワーを感じたし、次戦の走りが今まで以上に楽しみになりました!

川井選手は2大会目・今季3レース全勝という結果や走りに少し安心した笑顔や、本田選手・小野選手の今までとまた違った悔しそうな表情。この大会を観戦でき、新たな選手の顔を見ることができて、シリーズを通して見ると面白いって、こういうことなのかなと感じた部分でもありました。

画像1: 表彰式の様子。

表彰式の様子。

2大会目ならではという点ではIA-2の#4 内田選手のコメントからも感じる事がありました。

IA-2クラスは開幕戦のヒート1で優勝したのが#2 大城選手、2位#4 内田選手。
ヒート2は内田選手が優勝し、2位に大城選手とこの2人のバトルという内容でした。
今季のトップ争いはこの2選手に注目が集まっているのですが、開幕戦でお互い勝ち負けし同率ポイント。

今回はどんなバトルが観られるのかとても楽しみでした!
ヒート1はスタートで内田選手が前に出て大城選手は5番手。そこから徐々にペースを上げて2位まで順位を上げていきます。
内田選手と差があるように見えたのですが大城選手は徐々に近づき追い上げ、逃げる内田選手。差が広がることなく、このまま逃げ切れるのかなとドキドキしながら観ていると約6秒の差をつけて内田選手が優勝!
LMXは15分+1周ですが、IA-2クラスは30分+1周なので何か起きてしまうのではないか、どれだけ差が縮まり離されるのかと差はあってもハラハラドキドキしてしまいます。

レース後すぐの優勝コメントでは「疲れました、差を広げたかったけど、、、」と少し息を切らしながら語る内田選手の姿には、全力で逃げていたんだなと感じとれるような様子でした。

2位の大城選手が表彰式で「すごい、あのー、悔しいです、悔しいですね。すごく...はい。」と言っていた言葉から気持ちがストレートに伝わってきたし、スタートが大事ですか?と聞かれ「スタートで出られなくても、この展開でも勝てるようになりたい」とお話しされていたのがとても印象に残っています。

画像: 1L目の埼玉トヨペットジャンプ。

1L目の埼玉トヨペットジャンプ。

画像: 内田選手の6コーナー後。

内田選手の6コーナー後。

画像: 大城選手の5コーナー。

大城選手の5コーナー。

画像2: 表彰式の様子。

表彰式の様子。

このコメントを聞いて、ヒート2はどんなバトルになるのか楽しみにしていたのですが、実はヒート2前に少し強い雨が降ってきました。

グリッドにつく前に内田選手と大城選手がコースを眺めていた姿からこのレースへの期待が膨らんでいきました。

この後サイティングラップが行なわれ、いよいよスタート。
今回スタートをきめたのは#35 鳥谷部選手!次に内田選手、#6 大倉選手。大城選手は23位からの追い上げをする展開になってしまいました。

このヒート2は結果、内田選手が2位と約14秒の差をつけて優勝。
2位は大倉選手、3位に#8 岸選手という順位でした。大倉選手はヒート1でも3位ということで2戦連続の表彰台でした。

これでシリーズポイントが内田選手が95p、大城選手が75pとなったのですが、内田選手は両ヒート優勝し、喜びのコメントが出るかと思ったのですが凄く冷静に「気持ちよく走れたけど、まだ2戦目なので、これからチャンピオンを目指して取りこぼしのないように頑張りたい」と話されていたのです。

この冷静さやもうチャンピオンしか見ていないという雰囲気は、LMXクラスとはまた違った今シーズンの残りのレースを楽しみに感じたポイントでした!

画像: ヒート2の1L目埼玉トヨペットジャンプ後。

ヒート2の1L目埼玉トヨペットジャンプ後。

画像: 23位から結果6位まで追い上げた大城選手と防御する#9 池田凌選手。

23位から結果6位まで追い上げた大城選手と防御する#9 池田凌選手。

画像: #6 大倉選手の埼玉トヨペットジャンプ。

#6 大倉選手の埼玉トヨペットジャンプ。

全日本モトクロス最高峰の「IA-1」クラスは注目選手がいっぱい!

そして、最高峰のIA-1クラス。
今回のレース、実は3クラスともみんなピンピン(2ヒート共勝つこと)。
そんな事あるんだ!と思うような展開ですが、IA-1では#1 山本鯨選手が優勝していました。

私は観た事のあるレースで全部勝っている印象なのですが、去年のチャンピオンでもある山本選手は圧巻の走りでした。開幕戦では#2 富田選手とのバトルで怪我をしてしまったそうなのですが、全然そんな事を感じさせない走りで「速いなぁ」と思わず呟いてしまう程でした。
IA-1クラスは注目したい選手が沢山いて、まず#14 道脇右京選手。個人的にスタートが速い選手はやっぱりかっこよく見えるのか目で追ってしまいました。
その逆に「え?凄い!」とレース中盤で思ったのは#2 富田選手。気づいたら順位が一気に上がっていて追い上げが凄まじかったです。
さすがベテラン選手!!

ヒート2では速かった山本選手に食らいつく勢いで#3 渡辺選手が攻めていくのもかっこよく、富田選手と今回地元となる#4 小方選手の4選手がトップ争いをした場面ではかなり胸が高鳴りました!

画像: ヒート2の1L目埼玉トヨペットジャンプ。

ヒート2の1L目埼玉トヨペットジャンプ。

画像: #1山本選手のフープスの速さ! 追いかける#3 渡辺選手。

#1山本選手のフープスの速さ!
追いかける#3 渡辺選手。

画像: #2 富田選手です。

#2 富田選手です。

画像: #4小方選手の埼玉トヨペットジャンプ。

#4小方選手の埼玉トヨペットジャンプ。

画像: #14道脇右京選手のターン4。

#14道脇右京選手のターン4。

熱い走り、バトルはホントに思い出すだけでパワーをもらえます。

IA-1クラスはみなさん大人なのか表彰式のコメントも「大人だなぁ。しっかりしている」と思うような内容ばかりでクラスごとの雰囲気が違うのも面白かったです。
実はシリーズポイントで1番競っているのがIA-1クラスなのも注目ですよね!

画像: IA1クラスヒート2表彰式。

IA1クラスヒート2表彰式。

画像: シリーズランキング表です。 モトクロスをチェックするならモトクロnet!

シリーズランキング表です。
モトクロスをチェックするならモトクロnet!

今回実は日曜日は雨が降ったり、止んだり、風も強い時もあったりと荒れた天気の中行われたのですが、この2戦目を観ることができて、ホントに今シーズンの展開が楽しみになりました。

次戦のSUGOがもう楽しみです(*´꒳`*)ノ

画像: ターン3前でパシャリ。

ターン3前でパシャリ。

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