ホンダが世界に誇るフラッグシップ・ツアラー、ゴールドウイングが2021年モデルでいっそう豪華に進化した。今回の進化は装備の変更がメインで、使い勝手の向上と快適性、上質な乗り味に主眼を置いたもの。インプレとともに各部の装備も詳しくお伝えしよう。
文:宮崎敬一郎、木川田ステラ、本誌編集部/写真:南 孝幸

ホンダ「ゴールドウイングツアー」インプレ・解説(宮崎敬一郎)

Honda Gold Wing Tour

総排気量:1833cc
エンジン形式:水冷4ストOHC(ユニカム)4バルブ水平対向6気筒
シート高:745mm
車両重量:389kg

発売日:2021年2月25日
メーカー希望小売価格:税込346万5000円※受注生産車

自然なハンドリングで快適な旅を満喫できる

大型ツアラーはロングランで快適だが、鈍重で取り回しに難儀するというのが大方のイメージではないだろうか。それは大筋では外れていない。でも、大型ツアラーの中でもゴールドウイングの適応力の高さは別格だ。

まず、ハンドリングがオールマイティなビッグネイキッドに近いレベル。ホイールベースも長く、サスも快適さを優先したしなやかな味付けになっている。

にもかかわらず、アソビだらけのクセのあるハンドリングにはなっていないのだ。車体の節度がしっかりしていて、自然にダイレクトなタッチで操作ができる。これが傑出した魅力となっている。

画像: ホンダ「ゴールドウイングツアー」インプレ・解説(宮崎敬一郎)

今回のモデルチェンジは、リアトランクの容量拡大とタンデムシートの背もたれ角の変更、オーディオの音質向上がメインだというが、試乗車は極低速域でのハンドリングがかなりどっしりしたタッチになったような気がする。

ちょっとしたハンドルの動きが過度に車体の挙動に影響していた覚えがあったが、それが消え、ずっと扱いやすく感じた。低速の安定感もいいし、重心が低いので左右への切り返しもCB1300SBなみに軽い。もちろん長いバイクなので機敏な動きではないが、手応えは軽い。

高速コーナーもしっかり安定して走れるし、荒れた路面でもなかなかのスタビリティを発揮する。ゴールドウイングに試乗するたびに、この巨体なのに、と不思議なほどの素直さに驚かされる。

エンジンやDCTも同じく扱いやすい。大排気量のアメ車のような排気音を発するエンジンは低振動で滑らか。これが小気味良い。

強烈に粘るトルクだけでなく、大きくスロットルを開けた時にはこの巨体をリッタークラスのスタンダードスポーツ並みにダッシュさせる。決して鈍重ではないのだ。

足回りの設定とスロットルレスポンス、DCTのシフトプログラムまでセットで切り替え可能なライディングモードは全部で4種類。快適で元気な「ツアー」モードにしておけば、どんな走りでもまず間違いない。

「スポーツ」モードは各ギアでかなり引っぱり気味になるので、峠道で遊びたいとき専用と考える方がいいだろう。「エコ」と「レイン」は徹底的に穏やかなモード。今回の試乗中は、ほとんど「ツアー」モードだったが、走っていて全く不満は感じなかった。

ツアラーならではの豪華な装備と、その大きなサイズを忘れさせる扱いやすさ。これがゴールドウイングの魅力だ。

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