雨の振り出すタイミングが…しかしそれもジムカーナ!

画像: 雨の振り出すタイミングが…しかしそれもジムカーナ!

新型コロナウイルス流行の影響により昨シーズンは開幕戦から中止が続いたダンロップ・オートバイ杯ジムカーナ。本来最終戦だった秋の1戦のみの開催となり、シリーズ戦としては不成立となっていた。しかし2021年シーズンは予定通り3月28日、筑波サーキットジムカーナ場で予定通り第1戦を開催。各クラス合計152名がエントリーしてシーズンの火蓋を切った。

この日は朝から雲が厚く垂れ込めていて、予報でも午後から雨の降る可能性が高かったため、せめて第1ヒートだけでもドライで走れるようにと、競技の進行もできるだけ前倒しとされた。C2級から始まるタイムアタックのスタートから、ノービスのNL・NO級、C1級まではドライ路面だったが、B級の途中から雨が落ちはじめる。どんどん雨足は強まって行き、A級のアタックが始まる頃には完全なウエット路面となってしまった。

さらに急激に気温も下がり、風も吹き始めるという最悪のコンディションで、タイヤが冷えてグリップを得られずスリップや転倒も続出。最高峰クラスのA級のライダーをもってしても、このコンディションではドライ路面でのタイムには遠く及ばない。 この日A級トップだった榎選手が、トップから6秒落ちで総合20位だった、といえばわかるだろう。

そのため、雨の影響を受けなかったB級やC2級のライダーがトップ10を独占し、A級の選手は全員シリーズポイントを獲得できないという、オートバイ杯史上初の大波乱の結果となった。

総合1位 木村健太 選手(B級)&PBK250

画像: 総合1位 木村健太 選手(B級)&PBK250

そんな波乱の開幕戦で、ドライコンディションを活かし切ってトップタイム・1分41秒235を叩き出したのはB級の木村健太選手、もちろんオートバイ杯初の総合優勝。この日デビュー戦だったNSRベースの超軽量なスペシャルマシンが、いきなり高い戦闘力を発揮したことも大きかったようだ。

木村選手は「まあ今日は、こんな天気でたまたま勝っちゃったんですけど。でも、新しいこの車もいい感じだし、第2戦以降もポイントを確実に獲っていきたい。それで何とかポイントランキング上位に食い込んで、今シーズン終わったらA級に上がりたいですね!」と語ってくれた。

総合2位 江間 聡 選手(B級)&CRF150RII

画像: 総合2位 江間 聡 選手(B級)&CRF150RII

総合2位もやはりB級、12インチホイールでモタード化されたCRF150RIIを駆る江間 聡選手。実は江間選手の右手は義手で、CRFも左側スロットルや駆動系のリクルス化などをされた江間選手専用のスペシャルマシン。今回もコンパクトなボディを活かしたテクニカルな走りと豪快な開けっぷりによって、全く右手のハンディを感じさせない速さを見せて1分41秒757をマーク。

総合3位 濱田 令 選手(B級)&YZ250X

画像: 総合3位 濱田 令 選手(B級)&YZ250X

B級のモタード使いである濱田 令選手が3位。2ストエンデューロマシン・YZ250Xをモタード化してジムカーナ仕様としたマシンは徹底的な軽量化に加え、マスの集中化を追い求めて大胆に切り詰められたショートテールが目立つ。そのマシンのメリットをフルに活かしたクイックな走りによって1分42秒190というタイムを残した。

総合4位 池浦彰寿 選手(B級)&NSR250R

画像: 総合4位 池浦彰寿 選手(B級)&NSR250R

総合5位 地下和宏 選手(C1級)&SM450R

画像: 総合5位 地下和宏 選手(C1級)&SM450R

総合6位 中川克己 選手(B級)&VTR250

画像: 総合6位 中川克己 選手(B級)&VTR250

今回のNSR250R最上位、1分44秒069というタイムで総合4位に食い込んだのはベテランB級ライダーの池浦彰寿選手。1分44秒374というタイムで池浦選手に僅差続く総合5位に入ったのは、SM450Rを操るC1級の地下和宏選手だった。そしてこれも僅差の1分44秒601を、まるでストックのように見えるVTR250で出して見せた中川克己選手が総合6位となっている。

2021オートバイ杯第1戦・トップ10リザルト

順位ライダーマシンタイム
1木村健太(B)PBK2501'41.235
2江間 聡(B)CRF150RII1'41.757
3濱田 令(B)YZ250X1'42.190
4池浦彰寿(B)NSR250R1'44.069
5地下和宏(C1)SM450R1'44.374
6中川克己(B)VTR2501'44.601
7井川洋一(B)MT-091'44.923
8元田 哲(C1)NSR250R1'44.961
9片山雄介(B)SV6501'45.008
10松下 良(C1)XSR7001'46.008

今回のオートバイ杯第1戦のレポートは、月刊オートバイの誌上にも掲載される予定。また過去の大会を含めたリザルト、今後のジムカーナイベント情報など、二輪ジムカーナに関連する各種情報は、オートバイ杯の運営を担当しているJAGE(二輪ジムカーナ主催者団体協議会)のホームページを参照のこと。また各地のジムカーナイベントの日程については「モトジムカーナカレンダー」でも確認できる。

レポート:小松信夫

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