長野県北部の「カヤの平高原キャンプ場」で2日間過ごした。次なる目的地へ向けて、再びCT125・ハンターカブで走りだす!

天気予報で決めた日本海行きの旅

画像1: 天気予報で決めた日本海行きの旅

高杉晋作は「三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい」とか言ったそう。かっこいい。意味はよく分かっていない。

僕は、牛の群れと仲良く朝まで添い寝をしていた。

テントからわずか3メートルの距離に牛の大群がいたのに、朝は意外なほどすっきりしている。

いつの間にか日は高く昇り、日陰を好む牛たちはどこかへ行ってしまったようだ。

家を出てから、およそ55時間。テントに2泊したいま思うことはただひとつ。

「風呂に入りてえ」

画像: Honda CT125 HUNTER CUB 総排気量:124cc エンジン形式:空冷4ストSOHC単気筒 最高出力:6.5kW(8.8PS)/7000rpm 最大トルク:11N・m(1.1kgf・m)/4500rpm シート高:800mm 発売日:2020年6月26日 メーカー希望小売価格:税込44万円

Honda CT125 HUNTER CUB

総排気量:124cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC単気筒
最高出力:6.5kW(8.8PS)/7000rpm
最大トルク:11N・m(1.1kgf・m)/4500rpm
シート高:800mm
発売日:2020年6月26日
メーカー希望小売価格:税込44万円

ここは、奥志賀のさらに奥にある長野県木島平村「カヤの平高原キャンプ場」。ロケーションは抜群、地面はふかふか。水も空気も冷たくて綺麗。トイレも清潔。言うことなし。最高。

なんだけど、シャワーや風呂がなかった。はじめから分かっていたことだけど、2日間風呂に入らなかったのは久しぶりだ。

とりあえず下山する。目的地は決めていない。

山を下りて電波の入る場所でYahoo!天気をチェックする。雨雲レーダーを見ると、南は雨。退路は断たれた。前進あるのみ、北上を決意する。

全国で晴れているのはほとんど新潟県のみ。だったら行っちゃいますか、日本海!

画像2: 天気予報で決めた日本海行きの旅

ヘルメットスピーカーでJUDY AND MARYを流しまくる。一般道のツーリングでは昔からジュディマリばかりを聴いている。歌詞に直接的に「旅」と入っていたり、「空」「雲」「風」といった風景描写が多い。アップテンポの曲が多くて気分も盛り上がる。

ハンターカブは今日も絶好調。苦手だったシフトダウンもだんだんとコツがつかめてきた。

時速50~60kmのペースで快走できる一般道をトップギア4速で穏やかに走るのが最高に心地いい。

画像3: 天気予報で決めた日本海行きの旅

燃費もやはりいい。つねに50km/L前後の高い数値を出し、燃費を計ること自体が楽しい。燃料タンク容量は5.3L。200kmの走行を目安に給油した。

すると一度の給油で500円を超えることはほとんどない。「え、あんなに走ったのにワンコインでいいんですか? 本当ですか? 夢ですか?」と戸惑ってしまう。

画像4: 天気予報で決めた日本海行きの旅

シートは肉厚で座面が広く快適。さすがに1日200kmとか走るとお尻が痛くなるものの、バイクのシート特有の股が裂けそうに感じるものではない。

椅子に長時間座っていたときに感じる疲れ、と例えるのが分かりやすいと思う。

キャンプ好きの聖地ともいえる「金物の町」へ

日本海に行く前に寄り道をする。

画像1: キャンプ好きの聖地ともいえる「金物の町」へ

新潟県十日町市、星峠の棚田。

これまで旅行誌などで数々の絶景写真を見てきたけど、こんなに規模が大きい棚田だったとは。そして、棚田の内部への入り方が分からない。

しかも雨が降ってきたので、写真はまとも撮れなかったけど退散する。ここはまた最高の条件でちゃんとじっくり見てみたい。

画像2: キャンプ好きの聖地ともいえる「金物の町」へ

国道8号線の街道をゆく。海はもう目と鼻の先。緑の匂いを嗅ぎ続けていた2日間、潮の香りが心地いい。

画像3: キャンプ好きの聖地ともいえる「金物の町」へ

そしてそのときは来た。日本海!

2日間風呂に入っていない身体で潮風を浴びる。しかも昨日まで20℃前後のところにいたのに、新潟の海っぺりは35℃を超えている。もはや何でベトベトしているのか分からない、逆に心地いいぜ!(はあ、お風呂入りたい)

画像4: キャンプ好きの聖地ともいえる「金物の町」へ

赤いハンターカブは、森との相性が抜群だと思ったけど、海でも映える。どんどん可愛く思えてくる。

画像5: キャンプ好きの聖地ともいえる「金物の町」へ

さて、問題はひとつ。ここからどこへ行こうか……。

スマホでGoogleマップを開く。周辺の地図を見る。ハッと思い出した。長年行きたかった場所あったじゃないか。

さらに北上する。急に時間に制約が生まれた。寺泊の魚のアメ横の海鮮丼が気になったけど、今回はパスだ。

画像6: キャンプ好きの聖地ともいえる「金物の町」へ

稲穂が美しく、米どころに入ったのが分かる。

16時、目的の町のビジネスホテルにすかさずチェックインをした。ゆっくりと風呂に入りたかったが時間がない。シャワーを浴びて、目的地に向かう。

それがここ!

道の駅燕三条地場産センター。ここでキャンプ道具を物色する!

「金物の町」として名高い燕三条。ずっと来たかった場所。キャンプ用品メーカーでいえば、キャプテンスタッグやユニフレーム、スノーピークなどもこの周辺に本拠地を構えている。

ちなみに愛用している鍛造ペグ「エリッゼステーク」を作っている村の鍛冶屋さんも三条市にある。

燕三条と聞いて、もしあなたが漫画『るろうに剣心』のキャラクター三条燕ちゃんを思い出したら、きっと僕と同世代。ちなみに弥彦村も燕市の隣にある。

画像: 『そばかす』を聴いていたら、偶然この青看板が現れて驚いた。

『そばかす』を聴いていたら、偶然この青看板が現れて驚いた。

さて、地場産センターでさっそく物色。

とにかくいろいろなものが売っている。閉館まで30分ほどしかなく、ゆっくりと見られないのが悔しい。

使っている鍋にぴったりとハマるフライパンが目当てだったけど、サイズがなかった。戦利品はこれだ。

画像7: キャンプ好きの聖地ともいえる「金物の町」へ

黒いシェラカップ。1500円。一目惚れしてしまった。これなら焚き火台に気兼ねなく乗せられる!

コンビニの第三のビールが妙に美味い。金物の町、今度またあらためてじっくりと探訪したい。

ちなみに道の駅燕三条地場産センターに訪れた後、みんな大好きキャプテンスタッグの本拠地にも立ち寄った。どでかい倉庫がいくつも建っている。隣にはアウトドアショップがあり、ここには「キャプテンスタッグ ベース」がある。キャンプ好きなら、こちらもおすすめ。

帰りたくないマン発動、旅を長引かせる

家を出てから4日目の朝。寝覚めが最高にいい。ベッドは偉大な発明だ。

今日も快晴、ここからはいよいよ帰路となる。

画像1: 帰りたくないマン発動、旅を長引かせる

国道8号線から国道17号線へとスイッチし、あとはこの17号を南下すればいずれ家に着く。

キャンプで2泊して、風呂に入りたいと思っていたときは、「もう帰ろうかな」なんてよぎったものの、いざ休みの期限が終わり際に近づくと、帰りたくなくなる。

すき家でとろ~り3種のチーズ牛丼を食べていたら、「もう1泊しちゃうか」と欲が湧いてきた。

画像2: 帰りたくないマン発動、旅を長引かせる

そうと決まれば今日はゆったりモードで、寄り道もする。

米どころ南魚沼の田園地帯!

魚沼スカイライン!

ハンターカブでのツーリングはいつだってマイペース。ワインディングでも、目が三角になることなく、景色を眺めながらののんびり走る。

次々と後続のバイクに抜かれたが気にならない。逆に抜いていくライダーは、ハンターカブの存在が気になるようだ。必ずといっていいほど、振りむきながら抜き去っていく。

タイヤはオンロードを主軸に捉えたものだけど、持ち前の高性能なサスペンションで未舗装路もへっちゃら。寄り道は、オンオフ限らず増える。これこそ原付二種ツーリングの醍醐味だろう。

画像3: 帰りたくないマン発動、旅を長引かせる

Yahoo!天気の雨雲レーダーをチェックすると、16時くらいに雷雨がやってくる気配だ。すぐさま現在地の近くにある安いホテルをじゃらんで探す。

泊まったのは群馬県渋川市のビジネスホテル。東京まで約130km。3~4時間で帰れる場所に投宿した。

画像4: 帰りたくないマン発動、旅を長引かせる

朝起きて、昼過ぎには東京に戻った。

新橋の編集部のそばでトリップメーターを見ると980km。なんて中途半端なんだ。もうちょっと走ろう。お台場周辺をうろうろしていたとき、1000kmを迎えた。

画像5: 帰りたくないマン発動、旅を長引かせる
画像: 最後の最後、雨に降られた。

最後の最後、雨に降られた。

トリップメーターが1000kmを越えると0に戻るのかな? と思ったが、平然と1001km・1002kmとカウントし始めた。

なんて長旅仕様のバイクなんだ。

画像6: 帰りたくないマン発動、旅を長引かせる

思えば5日間飽きることもなく、ずっと楽しかった。

荷物がすこぶる積みやすい大型キャリア、オンオフ問わない足回り、安全安心の前後ディスクブレーキ、肉厚のシート、夜道も明るく照らしてくれるLEDヘッドライト、燃費のいいエンジン、ギアチェンジが心地いい自動遠心クラッチ、そのすべてがロングツーリングのための装備に思えてならない。

画像7: 帰りたくないマン発動、旅を長引かせる

原付二種での本気の旅を楽しむなら、これほど頼もしい相棒はない。無事何事もなく1000km走り終えたいま、自信を持ってそう言える。

このハンターカブと過ごす時間は、毎秒毎秒がハッピーだ。

文・写真:西野鉄兵

画像8: 帰りたくないマン発動、旅を長引かせる

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