CBRにYZF、NinjaにGSXとフルカウルスポーツが注目される250㏄クラス。しかし、一番人気はフルカウルつきと正反対にいるスモールクルーザー・レブル! しかも2年連続だ。カウルなし250㏄モデルの魅力を検証します!
まとめ:中村浩史/写真:富樫秀明/ライダー:太田安治、小野塚雅人、木川田ステラ

人気ランキングの流れは、フルカウルから、ノンカウルに?

250ccモデル、と聞いてすぐに思い出すのは、やっぱりスポーツバイク、それもフルカウルを装備した、4メーカー出揃ったスーパースポーツたち。

CBR250RR、YZF-R25と、GSX250Rにニンジャ250。もちろん注目度は高いし、メーカーも注力して開発してきた看板モデルだ。

画像: www.autoby.jp
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けれど、250ccのラインアップを見渡してみると、いろんなカテゴリーがあるのに気づく。カウル付きスーパースポーツを筆頭に、スクーターも、オフロードモデルも、クルーザーも、ノンカウルスポーツモデルもある。

そして、フルカウルスポーツに比べて注目度はやや落ちるとはいえ、いま実際にユーザーが欲しがっているのは、このフルカウルではないスポーツバイクだったりする。もちろん、フルカウルスポーツが「旬」だった時期もあったけれど、この10年間の250ccクラス販売ランキングはどうかというと、

2010年:ホンダ フォルツァ
2011〜2012年:ホンダ CBR250R
2013年:カワサキ ニンジャ250
2014年:ヤマハ マジェスティS
2015〜2017年:ヤマハ YZF-R25
2018年〜2019年 ホンダ レブル250

この流れを見てみると、フルカウルスポーツいいな、でもスクーター便利だし、でも今はカウル付きじゃない方がいいや、とも見える。

もちろん、250ccという排気量制限がある中では、1000ccクラスのビッグバイクのように、スーパースポーツだけが突出してハイパフォーマンスなわけではないから、ノンカウルスポーツの性能が著しく劣る、なんてことはないからの人気だともいえる。

普通二輪免許の範囲で乗ることができる250ccのメリットとは、車種のタイプが豊富なことはもちろん、車検がないから維持費が安く、保険代も税金も安い、ということがも大きいだろう。

もうひとつは、ちょっとそこまで「気軽に走りに行ける」ということだ。

2019年 250㏄クラスモデル登録台数 BEST10

1 HONDA レブル250 7990台
2 YAMAHA YZF-R25/MT-25 5030台
3 HONDA CBR250RR 3100台
4 SUZUKI Vストローム250 2680台
5 HONDA CB250R 2650台
6 YAMAHA マジェスティ250 2630台
7 YAMAHA セロー250 2550台
8 HONDA FORZA 2510台
9 KAWASAKI Ninja250/Z250 2310台
10 SUZUKI GSX250R 2220台
(※台数は概算 二輪車新聞調べ)

250㏄クラス(軽二輪:126㏄〜250㏄未満)の2019年1~12月の登録台数をまとめてみると、やはりレブルが強い! これで2018年に続いて2年連続のベストセラーだ。しかも18年1月から、スクーターを除いて一度もトップの座を明け渡さないミッション車ナンバー1で、19年も5月に一度だけPCX150にトップの座を明け渡しただけの完全勝利となった。

画像: ホンダ レブル250

ホンダ レブル250

なお150㏄ということで除外したが、このクラスに編入するとPCX150がランキング2位(約5300台)で、150㏄クラスではNMAX155とGIXXER150が続く。

そして2020年1月の速報値では、ついにセローがレブルを追い越してトップを奪取! おそらくこれはファイナルエディション発売需要だが、以下マニュアル車ではレブル、YZF-R25/MT−25、Ninja/Z250が続いた。MT-25のモデルチェンジ版が追走しそうだが、20年もレブルの独走が続くかも?

キャリアもスキルも年齢も性別も違う3人のツーリング座談会

近くても遠くてもオッケー! 250ccの機動力をあらためて体感

普段はビッグバイクのニンジャ1000を愛車に、月刊『オートバイ』でもビッグバイクを斬りまくる太田安治を筆頭に、若者代表として小野塚雅人と木川田ステラ。250ccノンカウルモデルを知るには、まずは距離を走ることと、ショートツーリングを企画してみた。

画像1: キャリアもスキルも年齢も性別も違う3人のツーリング座談会

太田安治(以下:太)「いや、たまにはこんなショートツーリングもいいね。新橋の編集部から箱根までなんて100kmほどのベタなコース、普通はツーリングっていうよりチョイ乗りだもんな」

木川田ステラ(以下:ス)「でもアタシ、普段のツーリングなんかはこんな感じですよ。愛車は400ccアメリカンだし、オータさんみたいに、そんなにガンガン距離走るだけがツーリングじゃないもの(笑)」

小野塚雅人(以下:小)「250ccで100kmなんてちょうどいいツーリングですよ。走るだけじゃなくて、走った先で遊んだり、モノ食べたりするなら、往復移動入れても日帰りの良い時間だと思います」

画像: (右)太田安治/(中央)小野塚雅人/(左)木川田ステラ

(右)太田安治/(中央)小野塚雅人/(左)木川田ステラ

この日、それぞれタイプの違う3台を3人で取り換えっこしながらのツーリング。得意なステージ、つらい区間もあっただろうけれど、編集部を出て一般道の渋滞路から、高速道路を制限速度キープでのんびり移動。海沿いの気持ちいいバイパスも、箱根のワインディングも走った。

画像: YAMAHA セロー250ファイナルエディション エンジン:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒/249cc メーカー希望小売価格:税込58万8,500円 ※今回の撮影車両はアクセサリーパッケージ車「ツーリングセロー」。税込:64万4,600円

YAMAHA セロー250ファイナルエディション

エンジン:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒/249cc
メーカー希望小売価格:税込58万8,500円

※今回の撮影車両はアクセサリーパッケージ車「ツーリングセロー」。税込:64万4,600円

「こうやっていろんなステージ走るとさ、セローの心地よさが目立っちゃうんだ。オレ、ニンジャと別にKLX250も持ってるし、オフロードバイクの楽しさは知ってるつもりだからね」

「セローはどこにでも入っていけちゃう気がするから行動範囲が広くなりますね。僕の身長だと足つきもいいし、細いし軽いから、オフロードバイクって言うよりトライアルバイクみたい」

「ハンドルめっちゃ切れるもんな」

「でもアタシ、セローで高速を走るパートを担当したんですが、80㎞/hくらいで怖いです。不安定で、ピシッと直線が安定しない。とことこ走るのは、気持ちが落ち着くいいバイクなんだけど…」

「そんなもんだよ。セローで高速走るのお勧めしないもん(笑)。下道でどこにでも行っちゃうのが正解かもね」

画像: Kawasaki Z250 エンジン:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒/248cc メーカー希望小売価格:税込61万500円

Kawasaki Z250

エンジン:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒/248cc

メーカー希望小売価格:税込61万500円

「アタシはZ250が気に入りました」

「あれ? 普段の愛車はドラッグスターだからレブルだと思ってたのに」

「レブルはクルーザーっていうよりスポーツバイクみたい。クルーザーなら、どっしり安定感のあるアタシのドラッグスタークラシックの方がいいもん」

「そうだね、ライディングポジションとかスタイリングはクルーザーっぽいけど、レブルはハンドリングもエンジン特性も、決してクルーザーじゃない。よくできたスポーツバイクだと思うよ」

画像: Honda レブル250 エンジン:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒/249cc メーカー希望小売価格:税込59万9,500円

Honda レブル250

エンジン:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒/249cc
メーカー希望小売価格:税込59万9,500円

「エンジン元気ですよね」

「スタタタッ、って歯切れいいよな。こういう小気味よさが、オレは250の良さだと思うんだよ。ビッグバイクの乗り味目指したってだめ、250に求められてる味を追求した方がいい」

「Z250はそんな感じでしたね。軽くてスリムで力があって、アタシみたいな女子でもコーナリングが楽しい」

「でもZ250は、同じボディに400ccエンジン積んだZ400があるから、相対的にかわいそうなんだよな」

「でも250らしい気軽さは、やっぱりZ250の方が上ですよ。普通二輪免許のアタシだと、やっぱり400はサイズが同じでも大きく感じちゃう」

画像2: キャリアもスキルも年齢も性別も違う3人のツーリング座談会

「僕いま400ccを一台買おうと思ってるんですけど、こうやってひょいと乗る250もいいな、って思っちゃいますね。太田さんみたいに大きいの1台と250を1台とかが理想なのかな」

「やっぱりどこへ行くにもバイクで、って気軽さはありますよね。長距離だとツラい、なんてアタシ思わないもん」

「長距離はサイズも排気量もデカいバイクの方がラクなのは事実だけどね。でもその分、ちょいとそこまで、って用途がおっくうになっちゃう。あらためて250いいな、って思っちゃうね。KLXもっと乗らなきゃなぁ(笑)」

「あれ……ZRX400買おうと思ってたんだけど、考えなおそうかなぁ(笑)」

画像: 向かった先は、バイカーズパラダイス南箱根でした。

向かった先は、バイカーズパラダイス南箱根でした。

まとめ:中村浩史/写真:富樫秀明/ライダー:太田安治、小野塚雅人、木川田ステラ

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