使える対応パーツと合わせて装着にもひと工夫

初代登場以降、常に話題に上るシリーズのスズキGSX-R。現在の1000ccスーパーバイクカテゴリーが成立する直接のきっかけも、GSX-R1000の登場だった。この車両はそんなGSX-Rの位置づけを物語るようなレプリカ・カスタムのひとつで、水冷のL4がベース。ヨシムラが60周年を迎えた2014年に#12ケビン・シュワンツ/辻本 聡コンビで鈴鹿8耐を走ったレジェンドチームのGSX-R1000がモチーフだ。

製作を担当したブライトロジックには、初代油冷から現行水冷まで、こうしたヨシムラ車などのレーサーレプリカの製作依頼が多く来る。実際にヨシムラ公認で車両は作られることになるが、最新水冷系GSX-Rでレプリカを作る際にはまずモチーフとなる本物が使っている対応パーツを探し、カウル(これは実車のスペア等がある)を用意する。難しいのはそれらをマウントするステーだったり、レーサーにない保安部品を違和感なく付けること。

画像1: 使える対応パーツと合わせて装着にもひと工夫

「元々がレーサーには付いていないパーツ=保安部品はその筆頭です。付ける時には苦労しますけど、工夫もします。ウインカーは小さくはするけれど車検は通るような光量や被視認性を持たせる。ヘッドライトは今の8耐レプリカはあまり無理がないですが、テールライトは小型ウインカーやナンバーホルダー部に一体化しておくなど。ほかには、レーサーが使っているパーツは、なぜそれが付いているのか考えること。

「例えば油冷当時のレーサーが使ったスクリーン、これはスクリーンクラフト製ですが、今でも並ぶ物はないくらいに、とにかくクリアで歪みもない。レースで必要だったからです。大きなスクリーンですが、そこにライダーは潜り込みながら、ほしい情報を目から的確に得たい。簡単な例ですけど、どの部分も同じです。何のために要るのか、使うのか。ブランドもさておき、どんな作りなのか、何でそうなっているか」

こう言えるのは、竹中さんが当時ヨシムラのレースメカニックとして、その最前線に携わっていた点にもある。カタナ時代の’81年から独立して開店する’94年まで、対象は当然、GSX-Rだった。’86年のデイトナ参戦(#34辻本 聡選手/リタイヤ)など多くの海外レースにも同行してきた。 その目や腕を反映してきているのだ。その上で、こう言う。

画像2: 使える対応パーツと合わせて装着にもひと工夫

「今の車両はよく走って手を入れるところがなさそうですが、やっぱり基本のメンテで良くなる。ここは変わりないんですよ」

GSX-Rの入庫比率で言えば油冷が多いが、この車両のように水冷系でも問題はない。そして歴代GSX-Rは、かつて竹中さんがそうだったように、きちんとしたビジョンを教えてくれるモデル。きちんと本物を知った上での作り込みを行えば、魅力は褪せないのだ。

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昼間(上)でも夜間(下)でも被視認性の高いウインカーを持つことはストリート車では必須となる。この車両ではカウルに細かい穴を開けた上でLED製をセット。リヤ側はナンバーホルダーの、ナンバー上左右にも高輝度のウインカーをセットする。被視認性も整備性も良好だ。

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この車両にはヨシムラレーサーがスペアとして用意した外装(当該シーズンが終われば使われることはない)をマウント。レーサーにはないウインカーほか保安部品用配線や、各種電装などレーサーで使わない部分を収めつつ、フィッティングさせる部分も腕の見せどころ。

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ミラーはGSX-R1000ノーマルではカウル表側からマウントステーが伸びるが、ここではそのマウント基部を活用しながら裏面からステーを出している。ミラー自体はマジカルレーシング製カーボンモノコックタイプ。加工するからと複雑にするのでなく、シンプルだ。

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前後ホイールはMAGTAN JB4でノーマルに同じ3.50-17/6.00-17サイズ、倒立フロントフォークはオーリンズに換装。フロントディスクもブレンボ製へと換えられている。

取材協力:ブライトロジック

記事協力:ヘリテイジ&レジェンズ

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画像: handl-mag.com
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