来たるべき1980年代に750(油冷GSX-R750として結実)、400(水冷GSX-Rとして登場)、250の3クラスにビッグヒットモデルを作るとしたスズキの開発陣が、750/400に先駆けて作り上げたのがRG250Γだった。
 
世界GPイメージをそのまま投影するアルミフレームを市販車で初採用、同じくGP譲りのカウルやフロント16インチ・ミシュランタイヤ。そしてガンマというまさにWGP譲りの車名でレプリカブームも牽引した。

フロント16インチにハーフカウル+アルミフレームでレプリカカテゴリーを確立

バイクブームとバイクの進化時期=水冷/軽量化/モノサスやキャストホイール&ディスクブレーキの一般化に、カウル認可や素材の多様化等が重なり、長足の進歩を遂げた2スト界。

中でも1983年春登場のRG250Γ(GJ21A)は市販車初のアルミフレームを持ち、フロントに16インチホイールやハーフカウル、ANDF=アンチノーズダイブ機構を備えたφ36㎜フロントフォークなど、すべてがセンセーショナル。アルミ鍛造ステップやセパレートハンドル、3000rpmから作動する回転計もレーサーRGB500イメージとして受け入れられた。先代の空冷RG250/Eからは驚異の大変化だった。

【主なスペックと価格】
●水冷2ストパワーリードバルブ並列2気筒247cc(54.0×54.0㎜)㎜) 圧縮比7.5:1 最高出力45ps/8500rpm 最大トルク3.8㎏f・m/8000rpm 変速機6段●全長×全幅×全高2050×685×1220㎜ 軸距1385㎜ 乾重128(車重141)㎏ 燃料タンク17ℓ シート高785㎜ キャスター28度45分 トレール102㎜ タイヤ:100/90-16・110/80-18●価格46万円 ※’83RG250Γのデータ
画像1: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
画像2: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1983 RG250Γ(GJ21A)

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HBカラーの限定仕様を先行させた後に通常版にも改良を加える

Γ(ガンマ)登場の翌年となる’84年にはWGP500ファクトリースズキRGΓの黄×白+赤シートと同じHB(ハーベー[ドイツのタバコブランドで当時のスポンサー)カラーをまとったRG250Γ-HBが登場。

前年型からは同じ角断面アルミ材ながらその四隅にリブを入れたMR-ALBOX(マルチリブ・アルボックス)フレーム化しフロントFカウルをスラント化、フロントブレーキキャリパーも対向2P→4Pに、エンジンに吸気チャンバーEACSを追加するなどの変更も加えた。この変更は同年後半、レギュラーモデルにも反映。両車ともOP設定のアンダーカウル装着でフルカウル化できた。

【主なスペックと価格】
●水冷2ストパワーリードバルブ並列2気筒247cc(54.0×54.0㎜) 圧縮比7.5:1 最高出力45ps/8500rpm 最大トルク3.8㎏f・m/8000rpm 変速機6段●全長×全幅×全高2050×685×1220㎜ 軸距1385㎜ 乾燥重量128㎏ 燃料タンク17ℓ シート高785㎜ キャスター28度45分 トレール102㎜ タイヤ:100/90-16・110/80-18●価格46万[49万8000]円 ※’84RG250Γのデータ [ ]は’84RG250Γ HBのデータ
画像3: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1984 RG250Γ(GJ21A)

画像4: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1984 RG250Γ(GJ21A)

型式変更で各部装備を見直しエンジンには排気デバイスも追加

1985年に3型となり型式もGJ21Bに。ハーフカウル仕様と、ロアカウル/シングルシートカウル装備のフルカウル仕様を設定、フォークはφ35㎜にした上でANDFを手動調整式PDF(Positive Dumping Fork)に、エンジンには排気デバイスSAEC(Suzuki Automatic Exhausttiming Control。排気ポートに鼓状バルブを設け、バルブ外側のサブチャンバー入り口を開閉、中低速を充実させる)も追加し中低速トルクを2割向上。

全日本GP500の水谷 勝用ファクトリーレーサーRGΓ(XR41)と同カラーのWW=ウォルターウルフ仕様も登場した。

【主なスペックと価格】
●水冷2ストパワーリードバルブ並列2気筒247cc(54.0×54.0㎜) 圧縮比7.0:1 最高出力45ps/8500rpm 最大トルク3.8㎏f・m/8000rpm 変速機6段●全長×全幅×全高2010×675×1170㎜ 軸距1355㎜ 乾燥重量128[130]㎏ 燃料タンク17ℓ シート高785㎜キャスター25度35分 トレール103㎜ タイヤ:100/90-16・110/80-18●価格46万9000[48万9000]<WWは50万9000>円 ※’85RG250Γのデータ。[ ]はフルフェアリング仕様のデータ
画像5: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1985 RG250Γ(GJ21B)

画像6: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1985 RG250Γ(GJ21B)フルフェアリング仕様

画像7: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1985 RG250Γ Walter Wolf Special Version(GJ21B)

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細部改良を進め足まわりもアップデートを図る

1986年4型ではサイドスタンドスイッチを追加して、ウインカーをプッシュキャンセル化。’87年5型ではフロントフォークのφ35→38㎜への大径化とPDF廃止、フロントディスク径拡大に2×3→中空3本スポーク化とリヤ18→17インチ化など、タイヤ(前後サイズ変更。フロントは16インチのまま)の進化に合わせて細部をアップデート。

吸入形式はパワーリードバルブ(ピストンリードバルブ+ケースリード)を継続。ウォルターウルフ仕様は’85/’86/’87年にそれぞれ設定され、’86年型には下写真の紺と同じパターンでベース色を銀にした仕様も用意された。

【主なスペックと価格】
●水冷2ストパワーリードバルブ並列2気筒247cc(54.0×54.0㎜)㎜) 圧縮比7.0:1 最高出力45ps/8500rpm 最大トルク3.8㎏f・m/8000rpm 変速機6段●全長×全幅×全高2015×675×1170㎜ 軸距1360㎜ 乾燥重量130㎏ 燃料タンク17ℓ シート高785㎜ キャスター25度35分 トレール103㎜ タイヤ:110/80-16・120/80-17●価格48万9000<WWは50万9000>円 ※’86RG250Γフルフェアリング仕様のデータ
画像8: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1986 RG250Γ(GJ21B)

画像9: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1986 RG250Γ(GJ21B)

画像10: スズキ「RG250ガンマ」の歴史を一気に振り返る! RG250Γヒストリー(1983-1987)
1986 RG250Γ Walter Wolf Special Version(GJ21B)

まとめ:ヘリテイジ&レジェンズ

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