日本の鉄道はJR線だけでおよそ2 万km に及ぶ。国内の列車が素晴らしい景色の中を日々駆け抜ける様は「珠玉の絶景」の宝庫といえる。ここでは「見たことがない撮影地」や「写真で見たことはあるが、行き方がわからない撮影地」を中心に厳選した。今回は東北〜北海道編。この記事の詳細については弊社刊ムック「鉄道写真の奥義」をご参照ください。
■文・写真/杉山 慧
(※姉妹サイト Webカメラマンより)

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函館本線 大沼公園〜赤井川

函館から旭川までの函館本線で、最初に出会う絶景が大沼国定公園だろう。蝦夷駒ヶ岳の裾野に広がる広大な沼地のうち、大沼と小沼の間を函館本線は進む。

画像: ■310mm 絞りF8 1/1000秒 ISO200 ※2019年8月2日12時46分撮影

■310mm 絞りF8 1/1000秒 ISO200 ※2019年8月2日12時46分撮影

作例はキハ261系特急「スーパー北斗」。地図を見るとよくわかるが、この付近は同じ函館本線でも渡島砂原経由と赤井川経由の2つのルートがある。特急列車は距離の短い赤井川経由で運転される。

画像: 函館本線 大沼公園〜赤井川

撮影場所は線路から見て西側にある日暮山の展望台。国道5号を函館から森方面に進み、大沼プリンスホテルに向かう道道43号へ右折。この道を700m程進むと右手に日暮山への道が分岐している。ここを1.4kmほど登れば展望台そばの駐車場に出る。路面状況により車が通行できない場合もあるので、時間に余裕をもって訪問しよう。

津軽線 大川平〜今別

津軽線は青函トンネルで北海道と繋がり貨物列車が頻繁に走る電化区間と、龍飛崎へ進路を取る非電化区間に分かれている。今回紹介する場所は非電化区間で、1日5往復が走るローカル線だ。秋田支社のキハ40系で運転される。注目の国鉄色は秋田支社ウェブサイトで運用車両が公開されているので、撮影に出向く前に是非チェックしておきたい。

画像: ■195mm 絞りF8 1/400秒 ISO1600 ※2019年6月1日17時55分撮影

■195mm 絞りF8 1/400秒 ISO1600 ※2019年6月1日17時55分撮影

作例は夕方の列車を撮影したもの。夏場はなかなか難しいようだが、空気が澄んだ日には対岸に北海道が見える。

画像: 津軽線 大川平〜今別

青森市街方面から県道14号を進み、大川平駅付近を過ぎると、左カーブ途中の左手に赤い鳥居が見える。車は、この鳥居が見える直前にある駐車スペースに止めよう。階段を登り鳥居をくぐったあたりから津軽線の線路が見える。この階段か、階段から今別方に外れた斜面が撮影地だ。

五能線 深浦〜広戸

五能線は東能代から日本海に沿って白神山地と岩木山を回り込み、川部に至る路線だ。ここを走る「リゾートしらかみ」(運転日注意)は1997年に初代の青池編成が運転を開始してから人気をキープし、今や1日最大3往復が走るリゾート列車の大御所となった。

画像: ■85mm 絞りF8 1/800秒 ISO800 ※2019年6月1日13時38分撮影

■85mm 絞りF8 1/800秒 ISO800 ※2019年6月1日13時38分撮影

作例は「リゾートしらかみ」の2代目青池編成。奇岩と小石でできた五能線らしい海岸線を走って行く。普通列車は津軽線と同様に秋田支社のキハ40系が使われているので、国鉄色車両の運用は秋田支社のウェブサイトで確認できる。

画像: 五能線 深浦〜広戸

撮影地は行合崎という岬。国道101号を深浦方面から進むと現れる「←行合崎」の標識に従って左折。車は左折してすぐ現れる駐車場に止めよう。線路を跨線橋で越えて、左手に分岐して、岬の先端に向かう。その途中から線路が見えるので、好きなところで撮影できる。

撮影・解説:杉山慧

1992年11月、静岡県出身。幼少期より鉄道に興味を持ち、日本大学芸術学部写真学科卒業後、ネコ・パブリッシングに入社し月刊誌[レイル・マガジン]の編集に携わる。2017年3月、鉄道写真事務所レイルマンフォトオフィスに入社。2018年12月レイルマンフォトオフィスを退社し、フリーの鉄道写真家として独立。独立後は月刊誌[鉄道ジャーナル]での写真撮影や原稿執筆のほか、レンズメーカー「タムロン」主催するに「タムロン鉄道風景Instagramコンテスト 2019」で審査員を務めた。

画像: 撮影・解説:杉山慧

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