積極的なスポーツライディングが楽しめるミシュランの新型タイヤ「パワー5」が登場!人気タイヤ「パワーRS」の後継モデルとも言えるモデルだけに、その進化には注目だ!

MICHELIN「POWER 5」 
完全新設計となり、タイムも大幅にアップ⁉

画像: 今回の試乗では、テスター太田安治の愛車カワサキ「ニンジャ1000」にパワー5を装着して走行したほか、試乗用に用意されたBMW「S1000RR」でテストを行なった。

今回の試乗では、テスター太田安治の愛車カワサキ「ニンジャ1000」にパワー5を装着して走行したほか、試乗用に用意されたBMW「S1000RR」でテストを行なった。

2017年に登場し、スポーツライディングからストリートユースまでに幅広く対応する特性で支持されているのがミシュランの『パワーRS』。抜群のツーリング適性を備えた『ロード5』と共に公道用ラジアルタイヤの二枚看板となっているが、ミシュランは20年からスポーツ系タイヤのラインアップを一新。

パワーRSの後継は公道向きの『パワー5』とサーキット走行要件も満たす『パワーGP』に分かれた。今回試乗したのは公道走行100%を想定しているというパワー5のほうだ。

パワーRSはテストコースから街中、峠道まで、様々な路面状況と走行ペースをテストしてきたが、軽快かつ適度にシャープなハンドリングでグリップ状態も把握しやすく、スポーツタイヤとしては実に扱いやすい特性。

グリップ力も公道では充分で、サーキットでタイムアタックでもしない限りは不足ない。乗り心地も良く、ウエット性能も上々と、他メーカーの同セグメント最新タイヤと比べても性能はいまだにトップレベルにある。

それだけに登場から3年でパワー5にモデルチェンジというのは少し早いと思うが、常にライバル製品に対するアドバンテージを保っておくというミシュランの戦略なのだろう。

画像: MICHELIN「POWER 5」 完全新設計となり、タイムも大幅にアップ⁉

最初にBMW S1000RRでパワーRSのフィーリングを再確認。リッターSS車でも不足のないパフォーマンスで、特に小さなRの続くハンドリングコースでの扱いやすさは秀逸だ。

間を置かずにパワー5を履いたS1000RRに乗り換える。当日は気温10℃以下だったが、ロード5と同じく冷えた状態でも普通にグリップし、ハンドリングコースを2周走った時点で「仕上がった」状態になった。

「積極的なコントロール」に応える仕上がり!

パワーRSとの明らかな違いはフロントタイヤに高い荷重が掛かったときの「コシ」がプラスされたこと。深いバンク角からさらにタイヤの端ギリギリまで寝かす、コーナー立ち上がりでスロットルを開ける、バンクしたままブレーキを掛けるといったスポーツ走行時の操作に対する旋回力変化が穏やかで、グリップ状態もはっきり伝わってくるから安心感が高く、ここ一発! の無理も利く。

リア単体に関してはフロントほど大きな違いは感じられないが、前後タイヤがそれぞれ存在を主張することがなく、ごく自然にバランスしている。おそらく剛性をフロント同様にしなやかな方向に調整してあるのだろう。

「しなやか」と表現すると誤解を生みやすいが、単に柔らかいという意味ではない。80㎞/h以上で切り返す高速連続スラロームでもリズムが崩れないので狙ったラインから外れないし、180㎞/h程で抜ける外周コースのバンク部分で大きなGが掛かっても、タイヤがヨレるような頼りなさはまったくない。

濡れた路面でのグリップも向上し、雨天性能が絶賛されているロード5に迫る性能。スポーツ指向のタイヤとしてはトップレベルのウエットグリップを備えている。

画像: 「積極的なコントロール」に応える仕上がり!

パワー5を履かせた自分のニンジャ1000に乗り換え、小さなコーナーの立ち上がりでリアがパワースライドするまで開けてみたが、ギリギリまで粘って急にスライドするのではなく、想定している限界より僅かに早い段階から穏やかに滑り出す感覚。

限界グリップはパワーRSと同等以上だと思うが、フロントがしっかりグリップしているので自然に攻め込め、軽いパワースライドを楽しめるほど。この感覚はモトGPのノウハウを活かし、トラコン装備が当たり前になった市販車に応用させた結果かも知れない。

ニンジャでは市街地、高速道路も走ったが、スポーツタイヤにありがちなゴツゴツ感、ネットリ感はなく、直進安定性も高くて快適だ。

もちろん絶対的な快適性とウエット性能、ロングライフというツーリング要件は純粋なツーリングタイヤであるロード5が上だが、「旋回力やグリップ状態を感じて積極的にコントロールしたい」というファンライド指向のライダーには迷わずパワー5をお薦めする。

画像: MICHELIN POWER5 価格:オープン

MICHELIN POWER5
価格:オープン

[フロント]
120/70ZR17 M/C(58W)F TL
[リア]
160/60ZR17 M/C(69W)R TL
180/55ZR17 M/C(73W)R TL
190/50ZR17 M/C(73W)R TL
190/55ZR17 M/C(75W)R TL
200/55ZR17 M/C(78W)R TL

文:太田安治/写真:柴田直行

完成度の高さが光る!
幅広い用途で使えます!ー岡田忠之ー

岡田忠之
現役時代はWGP500(MotoGPの前身)で4勝を挙げたほか、引退後もイギリススーパーバイク選手権や、Moto2、Moto3で監督を務めるなど、後進の育成にも熱心に取り組んでいる。愛称「タディ」。

「パワー5」は、今までミシュランがあまり得意としていなかった、フロントタイヤのグリップと旋回性能が格段に向上しているのが大きなポイントです。

ボクも実際に走りましたが、タイヤが冷えている状態や、濡れた路面でも、これまで以上に安心してバンクさせる事ができます。

バンク中の安心感は、視野の広さにもつながりますから、より行きたい方向を確認することができますし、何よりライティングに集中できるのが良いですよね。

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