ダカールラリーは、レストデイを終えてステージ7。折り返し地点を越えたばかりだった。スペシャルテストの276km地点で、パウロ・ゴンサルベスが転倒。10時8分にパウロのマシンから発された救難信号をオーガナイザーはキャッチし、その8分後には現場へ到着。現場の救命措置を経て、病院へ搬送された後、死を宣告された。

ダカールファン、あるいはライダーにとって、パウロはダカールの顔と言えるほどのレジェンドライダー。2006年のデビュー以来、4度のシングルフィニッシュ、2013年にはワールドクロスカントリーラリーの世界チャンピオンになった。2020年のダカールは、長年活躍したTeam HRCから、インドのHeroモーターコープに移籍して参戦していた。

画像: 2006年、私、稲垣はダカールラリーを取材。この集合写真が象徴しているとおり、パウロ(右から2番目)はチーム一明るくて、きさくで、誰に言わせても温かい人柄だった。日本人から、ゴンちゃんと呼ばれて親しまれていた。心から、ご冥福をお祈りします。

2006年、私、稲垣はダカールラリーを取材。この集合写真が象徴しているとおり、パウロ(右から2番目)はチーム一明るくて、きさくで、誰に言わせても温かい人柄だった。日本人から、ゴンちゃんと呼ばれて親しまれていた。心から、ご冥福をお祈りします。

画像: これも2016年。前年のウユニ塩湖が寒すぎたことを気遣い、日本から電熱グローブが持ち込まれた。このあと、パウロがこのグローブでふざけていたのをよく覚えている。

これも2016年。前年のウユニ塩湖が寒すぎたことを気遣い、日本から電熱グローブが持ち込まれた。このあと、パウロがこのグローブでふざけていたのをよく覚えている。

パウロ本人のインスタグラムには、大勢のコメントが集まっている。

ダカールライダー達も、パウロの死を哀しみ、ステージ8はモト&クアッドについてはキャンセルが発表された。

After meeting the riders and making a decision together with the entire motorbike family, the organisers have decided to cancel stage 8 for the motorbikes and quads category, which was supposed to take place on a loop course around Wadi Al-Dawasir, in order to give the riders time to mourn their friend. A.S.Oの発表より

その理由は、ライダーが友人パウロを追悼する時間を作るためだ。

ステージ7。ケビン・ベナバイズが優勝

画像: ステージ7。ケビン・ベナバイズが優勝

ステージ7は、当初ホアン・バレダの優勝だったが、多くのライダーがパウロの事故に立ち会い、救出に携わった。ケビン・ベナバイズ、トビー・プライス、ステファン・スヴィツコらがこの対象になり、ステージ優勝はケビンに。

ステージ7後の、総合順位

順位ライダーチーム1位とのタイム差ペナルティ
1RICKY BRABECMONSTER ENERGY HONDA TEAM 2020
2PABLO QUINTANILLAROCKSTAR ENERGY HUSQVARNA FACTORY RACING
  • 00H 24' 48''
3JOSE IGNACIO CORNEJO FLORIMOMONSTER ENERGY HONDA TEAM 2020
  • 00H 27' 01''
00H 01' 00''
4TOBY PRICERED BULL KTM FACTORY TEAM
  • 00H 28' 44''
00H 02' 00''
5JOAN BARREDA BORTMONSTER ENERGY HONDA TEAM 2020
  • 00H 29' 29''
6MATTHIAS WALKNERRED BULL KTM FACTORY TEAM
  • 00H 33' 04''
7LUCIANO BENAVIDESRED BULL KTM FACTORY TEAM
  • 00H 38' 58''
8SKYLER HOWESKLYMCIW RACING
  • 01H 15' 02''
9FRANCO CAIMIMONSTER ENERGY YAMAHA RALLY TEAM
  • 01H 15' 31''
00H 05' 00''
10STEFAN SVITKOSLOVNAFT RALLY TEAM
  • 01H 19' 41''

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