【AD】カワサキの逆輸入車を扱うブライトがNinja ZX-14Rの取り扱いを終了する。その最後のZX-14Rに触れて感じるのは『ありがとう』の優しい気持ち。だってこのバイクは、ボクを含むたくさんのライダーたちに、果てない夢を見させてくれたんだから…….。

逆輸入車のNinja ZX-14Rに訪れる、ひとつの終幕

画像1: 逆輸入車のNinja ZX-14Rに訪れる、ひとつの終幕

総排気量1441cc。最高出力200馬力。最大トルク16.1kgf・m。

最近は200馬力は珍しくないし、1000ccクラスのスーパースポーツが200馬力以上のパワーを叩き出すことも当然のような時代になった。

だけど、今となってカワサキのZX-14Rの価値は『200馬力』じゃない。

そこにあるだけで周囲を圧する強さ、王者の風格。

それはボクたちが考える『カワサキらしさ』そのものだと思う。

画像: Ninja ZX-14R HIGH GRADE

Ninja ZX-14R HIGH GRADE

そのZX-14Rを逆輸入車として扱っていた株式会社ブライトが、この2020年モデルを最後に日本国内での取り扱いを終了すると宣言した。

理由は明示されていないが、おそらく排ガス規制だろう。

今後も北米では継続生産・販売するかもしれないけれどブライトが取り扱いをやめるということは、一般的な日本のライダーが、このバイクを普通に『カワサキのお店』で買うことができなくなるということ。

完全な生産終了ではないにしても、ボクたちにとっては実質これが最後と言うに等しい。

画像2: 逆輸入車のNinja ZX-14Rに訪れる、ひとつの終幕

時代が変わった。

そうやって納得するのが大人ってもんだろうと思う。

けれどボクたちは物わかりのいい大人である前に、どうしてもライダーで、ZX-14Rという象徴が、ひとつの幕を引くことに寂しさを感じずにはいられない。

荒ぶるカワサキ、という先入観

前にこのバイクに乗ったのは190馬力のマレーシア仕様、場所はサーキットだった。

700m以上あった長いストレートが一瞬で終わる加速力。

すべての景色が後ろに吹っ飛ぶような錯覚と、カワサキらしく高回転で獰猛なエンジン。

頭が真っ白になる強烈インパクト。

それは今日まで、ずっと忘れていなかった。

画像1: 荒ぶるカワサキ、という先入観

だから今回、運よくこの2020年モデルのZX-14Rに乗る機会を得ても、内心には緊張と警戒があった。

威圧感のある巨体からは手強さしか感じない。

ところが、だ。

画像2: 荒ぶるカワサキ、という先入観

久しぶりに跨った瞬間に思ったのは

『あれ? こんなにラクな姿勢だったっけ?』

という肩透かし感だ。

ツアラーでもこの程度の前傾姿勢は別に珍しくないレベル。

先入観というのは怖いもので、記憶の中ではスーパースポーツ並みの強烈な前傾姿勢をイメージしていたし、デカい車体は取り回しひとつに苦労すると思っていた。

画像: ライダー身長/176cm

ライダー身長/176cm

にも関わらず、両足はカカトまでベッタリ接地の安心感。

重量が269kgもあるなんて信じられないくらいに、サイドスタンドからの引き起こしも軽々とできるし、跨ったままバックだってできる。

ものすごくフレンドリーとは言わないけど、特別に身構える必要もない。

モンスターなイメージのせいか、ZX-14Rのこういう優しさ、すっかり忘れていたナァ……。

画像3: 荒ぶるカワサキ、という先入観

走り始めた後はもっと驚いた。

ボクが前に乗ったのは2012年のマイナーチェンジ前のモデルだったとはいえ、実は今回はじめてZX-14Rというバイクに乗ったんじゃないのか? と過去の自分を疑うくらいだ。

バイクは確かにデカい。

それは間違いない。

それが証拠に、運転している時の『俺は今デカいバイクに乗っている感』がハンパじゃない。

画像4: 荒ぶるカワサキ、という先入観

それなのに、何をしても、ぜんぶが軽い。

発進も、交差点も、その巨体を持て余すシーンが一度もない。

ちょっと変な言い方だけど『うわぁデカいな、デカいな』と、頭ではビビっているのに、実際のところは“極めて普通”に走れている。

普通に乗ることに違和感が無さすぎて、一度バイクを停めるまで、それがZX-14Rの懐の深さだっていうことにすら思い当たらなかった。

画像5: 荒ぶるカワサキ、という先入観

マフラーのサウンドが静かだということも、その原因のひとつ。

これ見よがしの主張は一切してこない。

でも、逆にまたそこが良かった。

実力はあるのに、ひけらかさない。

そういうのって、なんだかカッコいいじゃないか。

遥かな高みで鍛えられてきた

画像1: 遥かな高みで鍛えられてきた

そこから高速道路でも、すべての余裕は一切変わらない。

搭載された並列4気筒はロードスポーツの自然吸気エンジンとしては世界最大級の1441cc。

それを時速100kmで流す時って、どういうフィーリングだと思う?

ゴリゴリゴリって力感たっぷり?

でも、そうじゃないんだこれが。

ZX-14Rは極めて静粛。どこまでも精密機械としての質感を崩さない。

当時、市販車最強であることを使命として課せられたZX-14Rは、それにふさわしい威厳あるスタイルを与えられているけれど、それはすこしの誤解も生む。

ボクのようなツーリングが大好きな普通のライダーからは想像もつかない、あまりにも高い次元で鍛えられたハイスペック。

時速300kmを『超えた先』でも絶対に破綻させない。

その世界に踏み込むバイクは、かくも一般人の想像を超えるのだ。

画像2: 遥かな高みで鍛えられてきた

この2020年型ZX-14Rは正式には“Ninja ZX-14R HIGH GRADE”という名前で、リアサスペンションにはオーリンズ製TTX39が専用設計で装着されている。

その恩恵は大きく、動きはしっとりと、軽い。

獰猛な顔つきからは想像もできない『穏やかさ』すら感じられる……

画像3: 遥かな高みで鍛えられてきた

そしてフロントのブレーキキャリパーはブレンボ製で制動力は盤石の性能を確保。

だけど時速300kmを優に超えられる高性能エンジンに応えるためには、絶対的な制動力だけでは足りない。

だってみんな、想像できる?

時速300kmで走るバイクにどうやって、どれくらいブレーキをかけていいのかなんて……

だからこそ超々高速域からでも躊躇なくブレーキングに持ち込める扱いやすさだって求められる。

画像4: 遥かな高みで鍛えられてきた

そのためにZX-14Rはラジアルポンプのブレンボ製マスターも装備。

ブレンボのキャリパー自体は最近はよく見かける装備になってきたけれど、マスターシリンダーまでブレンボ製のラジアルポンプを採用しているバイクは、実は多くない。

200馬力の自然吸気エンジン、そして現行最強のNinja H2をも凌ぐ16.1kgf・mという圧倒的な大トルク。

その暴力的ともいえるパワーを包み込むための足周りと、強固なだけではないアルミモノコックフレームに、セーフティとしての電子制御も追加される。

そうやって、そこまでしてZX-14Rというバイクは成り立っているのだ。

ZX-14Rという巨人の肩の上で

画像1: ZX-14Rという巨人の肩の上で

ここまで高次元で鍛え抜かれたバイクは、先にも言ったけれど、本当に想像がつかないことばかり。

ワインディングに持ち込めば、コーナーのターンインから軽くノーズが入っていく。

この言い方は語弊があるかもしれないけれど、それこそ街の交差点で左折するような気安さで、バイクが曲がっていこうとするから驚くしかない。

画像2: ZX-14Rという巨人の肩の上で

やや幅広のセパレートハンドルも操作性の軽さにつながっているとは思う。

でもそれだけじゃなくて、ワインディングのコーナーのような速度域ではどこまでも軽快に動き、高速道路のようなシーンで速度が上がるにつれて安定性が増していく。

最初から言っているとおり、ボディはとにかくデカい。

けれども、その動きから感じる設計思想は、どちらかといえばスーパースポーツのイメージに近いものがあるとしか思えない。

画像3: ZX-14Rという巨人の肩の上で

もちろん公道で、その限界に届くことなんて1秒だってありえない。

きっと片鱗にすら届かないだろう。

ボクたちが感じられるのは、大きな巨人の肩の上に乗せられて、その上から世界を眺めるような安心感だけだ。

ただ面白いのは、その巨人がけっこう優しいってこと。

あくまでライダーに「操る悦び」を残してくれている。

画像4: ZX-14Rという巨人の肩の上で

それに、これも見てほしい。

イマドキだと珍しいでしょ?

200馬力のモンスターマシンがセンタースタンド標準装備だもん。

画像5: ZX-14Rという巨人の肩の上で

そのセンタースタンドを楽に上げるためのグリップも洒落た感じで用意されているし、ヘルメットホルダーだってある。

しかも、格納式の荷掛けフックなんて隠れた飛び道具まで。

人は見かけじゃわからないっていうけれど、ZX-14Rを見ていると、バイクにもそういうことがあるんだな、ってすこし微笑ましい気持ちになった。

その姿は『夢』をくれた

画像1: その姿は『夢』をくれた

でっかくて、強くて、でも優しくて。

ZX-14Rはスタイリングだってカッコいいけど、見た目じゃない部分だってこんなにもカッコいいのだ。

男が惚れる男の姿というか『憧れる』に相応しい存在だと思う。

でも、今のここはひとつの転機になる。

これだけの存在感を未だ放ちながらも、ZX-14Rは2020年型をもって日本国内から去っていく。

画像2: その姿は『夢』をくれた

先にも言ったように完全な生産終了じゃないから『これが最後』とは言わない。

でも今より遠いところへ行ってしまうことは事実で、間違いなくひとつの離別のカタチではある。

ZX-14Rというバイクの生き様に心酔したライダーは、ブライトが最後に取り扱う、この2020年モデルを手に入れ、ここから共に歩んでいくという決断をすることだろう。

そして、それができるライダーを、ボクはとても羨ましく思う。

画像3: その姿は『夢』をくれた

他には変えられない、排気量1441ccの自然吸気エンジンだけが持つ味わいと豊かさを手に入れることへの羨望もある。

でもそれ以上に『俺はコイツと共に生きていくんだ!』っていう決意がとても眩しい。

そこには余人が口を挟む隙など無い、絶対の価値があるからだ。

古豪として『Ninja』の名を刻みつける

画像1: 古豪として『Ninja』の名を刻みつける

今でも一線級の実力を持つこのバイクを『古豪』なんて呼ぶのは誤解を招くかもしれない。

けれどボクとしては、最大限の敬意をもって、あえてそう言いたいと思う。

今のカワサキは前人未踏のスーパーバイク世界選手権5連覇を成し遂げ、鈴鹿8時間耐久レースにも勝ったレース直系のZX-10Rシリーズや、過給機スーパーチャージャーを搭載し、最高速400km/hをも超えるH2シリーズをもラインアップする。

画像2: 古豪として『Ninja』の名を刻みつける

でも、それとは違う形で、このバイクは『カワサキ』の名を心の中に刻みつけた。

だからブライトが国内での取り扱いを終了するとしても、ボクたちは決してその名前を忘れることはないと思う。

画像3: 古豪として『Ninja』の名を刻みつける

ダグラス・マッカーサー元帥の『老兵は死なず、ただ消え去るのみ』という言葉ではないけれど……。

まだまだ第一線で活躍できる実力を持ちながら、ZX-14Rは、この2020年モデルをもって日本国内から勇退するのだ。

画像4: 古豪として『Ninja』の名を刻みつける

2006年に誕生したZZR1400(北米仕様での名称はNinja ZX-14R)はボクを含む、日本のライダーたちに果てしない『夢』を見させてくれた。

ZX-14Rという存在のおかげで、バイクっていう趣味自体を、もっともっと好きになれた。

だから日本国内における、ひとつの区切りが決まった今でも、きっと『さよなら』と言うのは相応しくない。

画像5: 古豪として『Ninja』の名を刻みつける

カワサキの設計思想であるRIDEOLOGY。

強さと優しさの共存。操る悦び。そして可能性への挑戦。

Ninja ZX-14Rはそのすべてを体現していた。

今をもって他の追随を許さない、超大排気量エンジンを持つ唯一無二のロードスポーツ。

そのバイクは、そこにあるだけでこう主張する……。

カワサキ魂、かくありき

Ninja ZX-14Rとは、やっぱり圧倒的に偉大な存在なのだ。

文:北岡博樹/写真:柴田直行

Ninja ZX-14R HIGH GRADE/BRIGHT FINAL

The Endress Beauty

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