トラコンは、走る楽しみを広げるライダーサポートシステム

【主な機能・効果】

1.安全性、安心感の向上

2.滑らかで効率的な走りをサポート

画像: ホンダ CRF1000Lアフリカツイン(2018年)。7段階+OFFで好みの選択ができるトラクションコントロールシステム「Honda セレクタブル トルク コントロール」を装備している。

ホンダ CRF1000Lアフリカツイン(2018年)。7段階+OFFで好みの選択ができるトラクションコントロールシステム「Honda セレクタブル トルク コントロール」を装備している。

画像: CRF1000Lアフリカツインのトルクコントロールのシステム図。呼称の違いはあるが、一般的なトラクションコントロールとほぼ同じシステムとなっている。

CRF1000Lアフリカツインのトルクコントロールのシステム図。呼称の違いはあるが、一般的なトラクションコントロールとほぼ同じシステムとなっている。

発進時や加速時のリアタイヤの空転を検知、抑制し、安全性や安心感の向上に大きく貢献するトラクションコントロール

いまや、高性能スポーツモデルを安心して走らせるのに欠かせないシステムとなっている。

国産市販車で初めてトラクションコントロールを採用したのは、1997年に発売されたヤマハの2スト・トレールモデル「ランツァ」。

燃料タンク下に置かれた8ビットマイコンがエンジンの回転上昇率を監視し、リアタイヤの空転によってエンジン回転数が一気に上昇した場合に、点火タイミングを遅らせて空転を抑えるシステムだった。

当時としては画期的なシステムではあったが、ある程度のリアタイヤの空転を許容する必要のあるオフロード車ということもあり、その恩恵を明確に体感できるものではなかった。

その後、2000年代に入ってFI化とABSの普及が進むと、現在と同じ前後ホイールの回転差を検知して、点火タイミングや燃料噴射量、スロットルバルブ開度で滑りを抑制するシステムが登場する。

画像: カワサキ Ninja ZX-10R(2008年)

カワサキ Ninja ZX-10R(2008年)

2008年型のカワサキNinja ZX-10Rや2009年型ドゥカティ・スーパーバイク1198S、2010年型BMW・S1000RRが採用して第一歩を踏み出す。

そして、2011年のアプリリア・RSV4ファクトリーAPRCにIMUを組み合わせたシステムが登場し、バンク角も考慮した現代のトランクションコントロールシステムへと進化した。

パワーモードやライディングモードを補完して、怖くてコーナー立ち上がりでアクセルが開けられないというハイパワーモデルのネガを解消し、転倒を未然に防ぐシステムとしてニーズが高まっているトラクションコントロール。

現在では、安全性を高め、滑らかな発進や加速をサポートすることを主目的とした比較的シンプルなタイプと、IMUからの情報を基にして他の制御システムと緻密に連携させ、速く走ることまでサポートするタイプに両極化してきている。

画像: スズキ GSX-S1000 ABS(2019年)

スズキ GSX-S1000 ABS(2019年)

画像: 図はGSX-S1000 ABSに採用されているトラクションコントロールのシステムイメージ。前後ホイールやスロットルなど、各所に配置されたセンサーからの情報をECMで読み取って制御を行う。

図はGSX-S1000 ABSに採用されているトラクションコントロールのシステムイメージ。前後ホイールやスロットルなど、各所に配置されたセンサーからの情報をECMで読み取って制御を行う。

画像: カワサキ Ninja ZX-10R KRT EDITION(2019年)

カワサキ Ninja ZX-10R KRT EDITION(2019年)

画像: これはNinja ZX-10RのKTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)の概念図。通常のトラクションコントロールよりも制御を緻密にすることで、有効トラクションをできるだけ多く確保しようという狙いを示している。

これはNinja ZX-10RのKTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)の概念図。通常のトラクションコントロールよりも制御を緻密にすることで、有効トラクションをできるだけ多く確保しようという狙いを示している。

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