5連覇をかけて令和初の鈴鹿8耐に挑んだヤマハが、YZF-R1に施したカラーリングは、薄紫の“レジェンドカラー”だった――。
1985年日本中を巻き込んだ、伝説の夏。そして34年の時を経て復活を遂げた2019年の「TECH 21」カラーを解説する。

日本中を熱狂の渦に巻き込んだ伝説のカラー

1985年、7月。鈴鹿8時間耐久ロードレースを語るとき、いまなお多くのファンが話題にする「伝説の夏」の年である。

ヤマハはこの年、TT-F1選手権を闘う初の4ストファクトリーレーサー、FZR750を耐久仕様にして鈴鹿8耐に投入することを決定。

ライダーは前年にWGPを引退していた偉大なるチャンピオン、ケニー・ロバーツと、日本が世界に誇るトップライダー、平 忠彦

画像: ヤマハ FZR750(1985年)

ヤマハ FZR750(1985年)

彼らが駆るマシンに施されたのは、男性用化粧品ブランドのイメージカラーである、薄紫のカラーリングだった。それがこのTECH 21カラーである。

FZR750がその後どんなドラマを巻き起こしたかは、後半のマシン紹介を見れば分かるように、レーシングマシンとしては一風変わったこの薄紫のカラーは、後世語り継がれる「伝説」として人々の心に強烈なインパクトを残したのである。

それから34年。YZF-R1誕生21周年という縁に結ばれて、「伝説」は、再び鈴鹿の地に蘇ったのである。

世界中を驚かせたスーパースポーツの革命児、ヤマハ「YZF-R1」

画像: 世界中を驚かせたスーパースポーツの革命児、ヤマハ「YZF-R1」

1998年にデビュー、世界中を震撼させたスーパースポーツがYZF-R1だ。

「ツイスティロード最速」というテーマを掲げ、サーキットよりもワインディングに開発の主眼を置き、ロングスイングアームが生み出す優れた路面追従性を積極利用する車体レイアウトを採用した。

「カミソリステア」と呼ばれるシャープな走りは、ライダーだけでなくライバルメーカーにも大きな衝撃を与え、ライバル車の開発期間が「R1登場のせいで短くなった」とまで言われるほどであった。

以降、2004年にはスーパーバイクレギュレーションの変更に対応してモデルチェンジ。

「ワインディングで速い」から「サーキットでも速い」にテーマを変え、速さに磨きをかけていく。

2015年デビューの現行型は「サーキットで最強のマシンは、ワインディングでも楽しめる」という発想のもと、MotoGPマシン「YZR-M1」のエッセンスを大胆に取り入れたマシン造りを敢行。

その成果は、2018年までの鈴鹿8耐4連覇という、最高のカタチで身を結んでいる。

画像: ヤマハ YZF-R1(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 鈴鹿8耐参戦車)

ヤマハ YZF-R1(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 鈴鹿8耐参戦車)

画像: クロスプレーンコンセプトに基づく「CP4」エンジン。ケースガードはGBレーシング製。

クロスプレーンコンセプトに基づく「CP4」エンジン。ケースガードはGBレーシング製。

画像: 前後サスペンションはKYB製。ブレーキキャリパーはブレンボのレーシングモノブロック。

前後サスペンションはKYB製。ブレーキキャリパーはブレンボのレーシングモノブロック。

画像: ホイールはMotoGPマシン・YZR-M1にも採用されているイタリアのMFR製を採用。

ホイールはMotoGPマシン・YZR-M1にも採用されているイタリアのMFR製を採用。

画像: 硬度や耐久性に優れる炭素ドープ酸化チタン「フレッシュグリーン」素材のマフラー。

硬度や耐久性に優れる炭素ドープ酸化チタン「フレッシュグリーン」素材のマフラー。

ヤマハ YZF-R1(市販車)の主なスペックと価格

全長×全幅×全高:2055×690×1150㎜
ホイールベース:1405㎜
最低地上高:130㎜
シート高:855㎜
車両重量:200㎏
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:998㏄
ボア×ストローク:79×50.9㎜
圧縮比:13.0
最高出力:200PS/13500rpm
最大トルク:11.5㎏-m/11500rpm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:17L
キャスター角/トレール:24度/102㎜
変速機形式:6速リターン
ブレーキ形式 前・後:φ320㎜ダブルディスク・φ220㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・190/55ZR17
メーカー希望小売価格(税込):226万8,000円

画像: ヤマハ YZF-R1(市販車)の主なスペックと価格

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