この週末は、鈴鹿サーキットでアジアロードレース選手権第4戦・日本大会が行なわれています。開幕戦がマレーシア・セパン、第2戦がオーストラリア・ベンド、第3戦がタイ・ブリラムで行われての鈴鹿大会。今シーズンは、各クラスにフルエントリーする日本人ライダーこそ多くないものの、この鈴鹿大会にはワイルドカード勢もあって、やっぱりガンバレ日本しちゃってますw

アジア選手権の開催クラスは、UB150(=アンダーボーン150)/AP250(=アジアプロダクション250)、SS600(スーパースポーツ600)に、今シーズンから始まったASB1000(=アジアスーパーバイク1000)の4クラス。これが土曜/日曜と各クラス2レース制です。

きょう土曜から、もう決勝レース1。昨夜から雨となり、朝イチのプラクティスこそハーフウェット路面から乾いていくコンディションでの走行。その後はポツポツと降ることはありましたが、ほぼドライコンディションでレースができました。
午前中の予選での事件はAP250。第2戦のレース2で勝ったカワサキのトップチーム、マニュアルテックカワサキに所属する井吉亜衣稀(=いよしあいき)がなんと予選開始早々に転倒して予選ノータイム! 予選通過は認められましたが、最後尾スタートとなってしまいました。

画像: フリー走行では確実にいい位置につけていた井吉アイキ 予選から歯車が狂い始めます

フリー走行では確実にいい位置につけていた井吉アイキ 予選から歯車が狂い始めます

さらに決勝レースでも、井吉はオープニングラップに接触されて転倒し、なんとノーポイント! 井吉は第3戦タイ大会レース1でも転倒、再スタートしてノーポイントレースをしてしまっていますから、ちょっと流れ悪いですね。昨日までは2年ぶり4回目の鈴鹿走行を楽しんでいたのに……。

画像: 大接戦でおなじみのAP250も、2周目にはもうこんな差! #108ファドリが独走優勝!

大接戦でおなじみのAP250も、2周目にはもうこんな差! #108ファドリが独走優勝!

画像: ファドリが登ってる表彰台下はこんな(笑 藤原克昭アジアレース統括のおかげか、カワサキが明るい!

ファドリが登ってる表彰台下はこんな(笑 藤原克昭アジアレース統括のおかげか、カワサキが明るい!

そのAP250、スタートから井吉のチームメイト、アンディ・ムハマド・ファドリが抜け出し、序盤から2番手以下との差を大きく広げて独走! 今シーズン2勝目を飾りました。
昨年のこの大会では、ホンダCBR250RRが圧倒的に速かったんですが、カワサキNinjaがニューモデルになっての2年目で、完全に巻き返していますね。

画像: ワイルドカードで優勝してみせた南本!右は稲垣誠チーム監督。全勝男・ブーンラットを止めたのは大きい!

ワイルドカードで優勝してみせた南本!右は稲垣誠チーム監督。全勝男・ブーンラットを止めたのは大きい!

続いて行われたSS600クラスは、残念ながら日本人ライダーのフルエントリーはなし。しかし、ワイルドカード勢が躍動します!
予選で光って見せたのは、今シーズンから全日本ロードレースへの参戦を開始した荒川晃大(モトバムホンダ)。荒川、去年の鈴鹿エリア選手権のチャンピオンで、しかも全勝王者! その荒川、予選で5番手に食い込むものの、なんと決勝ではオープニングラップで転倒してしまいます。
荒川は後方から追突されたようなかんじで戦列を去りますが、決勝レースで主導権を握ったのはポールシッターのピラポン・ブーンラット(ヤマハタイランド)。なんとブーンラット、ここまでの3戦6レースで全勝しているライダーで、このレースでも積極的にペースメイク。序盤の混乱を抜けてブーンラットについていけたのは、カズマ・ダニエル・カスマユディン(ヤマハマレーシア)と、予選2番手につけていた南本宗一郎(アケノスピード)。南本は過去、アジア選手権AP250にもフル参戦経験があるライダーで、こういう大舞台での大勝負にも慣れているのかもしれませんね。
全勝男ブーンラット、カスマユディン、そして南本のトップ3が周回し、ラスト3周くらいでブーンラットがペースダウン。横で見ていた八代俊二さんは、その前から「あのライダー、タイヤもたないな」って予言していて、その通りになっちゃった。
カスマユディンが逃げにかかるタイミングで、それまで3位キープだった南本がブーンラットをパス。さらにラスト2周のシケインでカスマユディンを抜き去って、そのままトップチェッカーを受けました。終盤まで前に出ず、前を逃がしておいての最後の勝負と、南本が実にうまい勝ち方をしたレースでした。ヤマハYZF-R6が表彰台独占です!
――おめでとう! すごい戦略で、教科書通りの勝ち方だったね。
「いや、ホントは最初から前に出て逃げたかったんですけど」(南本)
――あれ、あえて前に出なかったんじゃなくて?
「はい、いっぱいいっぱいでした」
――そ、そうか。でもラスト3周はすばらしかった! 先に前に出たら抜き返されちゃうもんね。
「そうですね、そこは少しタイヤ残して狙ってました。勝ててうれしいです! アジアAP250はもちろん、全日本でも勝ってないから、地方選手権以来の優勝です!」

画像: 序盤はいったん#25アズランが先行! カラーリングで分かる通り、Moto2の長島哲太と同じチームです

序盤はいったん#25アズランが先行! カラーリングで分かる通り、Moto2の長島哲太と同じチームです

メインレースのASB1000では、レギュラー日本人ライダーの伊藤勇樹(ヤマハレーシングTeam ASEAN)が、きのうのフリー走行で転倒し、左足首を負傷。予選は3列目9番手とちょっと精彩を欠いてしまいました。
レースはザクワン・ザイディ(ホンダアジアドリームレーシング)、アズラン・シャア・カマルザマン(ONEXOX TKKR SAG/BMW)、そしてブロック・パークス(ヤマハレーシングTeam ASEAN)がレースをリード。かわるがわるトップの顔触れが変わりますが、レース終盤でスパートしたパークスが地力を見せつけて優勝! シーズン2勝目を挙げてランキングトップをキープしました。

画像: 中盤は#21ザクワンが前に出ても、逃げられず…

中盤は#21ザクワンが前に出ても、逃げられず…

「きのうからフリー走行とか、ずっと4~5番手で、あまりいいフィーリングじゃなかった。きょうもレースの大半を集団の中にいて、どう抜け出そうと思っていたんだ」とパークス。
「タイヤ選びが難しくて、僕はミディアムを選んだんだけど、最初から逃げようとしてもいつも誰かがついてくる(笑)。最後はブロックに逃げられてしまった」とザイディ。
ホンダでもカワサキでも走ってきたカザルザマンは、今年からBMW S1000RRでの参戦。開幕戦のレース1ではデビューウィンも飾っているのだ。
「BMWはカワサキみたいで、トップスピードが強いね。でも鈴鹿みたいなコースでは、タイヤのスピンが始まると収まらなくなっちゃう。僕はソフトで走ったんだけど、もう少し違うタイヤ選択もあったかな、と思う」とカザルザマン。

画像: 最後は#23パークス スピードはもちろん、レース運びがうまい勝ち方でした

最後は#23パークス スピードはもちろん、レース運びがうまい勝ち方でした

今シーズンから始まったASB1000も、まずは今日のトップ3のようなベテランの強豪もいることだし、新しい選手権としてかなりレベルが高いですね。
まずは初年度、エントリー台数もまだまだだから、発展途上とはいえ、面白そうなクラスではあるみたいです。来年から全日本でもST1000が始まるから、全日本ST1000、ASB1000、その先に全日本JSB1000とかWSBK――といったピラミッドになっていくといいですね。
サテあしたは各クラスのレース2――。予報では、なかなかの確率で雨みたいです……。

写真・文責/中村浩史

This article is a sponsored article by
''.