ENDURO GP(FIMエンデューロ世界選手権)は、1990年にそれまでのヨーロッパ選手権から格上げされ、シーズンを通じて世界一のエンデューロライダーを決めるチャンピオンシップになったものだ。土曜日と日曜日が独立した2日間2ラウンド制で、現在は年間8戦、計16ラウンドでタイトルが競われている。最近人気のハードエンデューロとは違って、移動区間とタイムアタックの繰り返しで競う、スピード勝負の競技だ。

画像: BTM通信 vol.3「まさに登竜門、ENDURO GPにはユース125ccクラスがある」

若手育成プログラム

かつては、排気量別のクラスしかなかったのだが、2005年からは23歳以下のジュニアクラス、2009年からはユース125ccクラスが加わった。若手育成は、どのスポーツにおいてももっとも重要と考えられるが、ENDURO GPにおいてはこれがとても良く機能していて、現在、メイン(シニア)クラスで活躍するライダーの多くが、ユース、ジュニアと順調にステップアップしてきたライダーたちだ。

当初は17歳以下のクラスだった

ユース125ccクラスは、当初は17歳以下のライダーを対象としていたのだが、ほどなく現在の21歳以下に引き上げられた。参加者が少なかったためだ。そのぐらいの年齢だと、まだモトクロスをやっているライダーのほうが多いのだ。モトクロスで基本を身に着け、どの競技に向いているか、適性を見極める前の段階である。21歳以下になって、カテゴリーとして確立した。

125ccの重要性

なぜ125ccなのか、理由は2つある。第1は、スロットル全開時のマシンコントロールを習得することが、成長期のライダーには重要と考えられているためだ。伸び盛りの重要な時期には、大排気量車をハーフスロットルで走らせるライディングではなく、小さくても全開にできるマシンが向いているということなのだ。第2の理由は、車両価格が安く、維持費も安いこと。

画像: EnduroGP Portugal 2019 - Junior & Youth Recap youtu.be

EnduroGP Portugal 2019 - Junior & Youth Recap

youtu.be

2019年注目のライダーは

たくさんの才能あふれる若者がいるが、ジュニアクラスでは、Shercoのジャック・エドモンドソン(GBR)、Yamahaのウィル・ルプレクト(AUS)、そして2017年のユースチャンピオン、tmレーシングのアンドレア・ヴェローナ(ITA)に注目してほしい。ユース125ccクラスは、ニュージ―ランドから来ているヘイミッシュ・マクドナルドの走りがすごい。上のビデオの後半、Sherco 125を走られているのがそれだ(ビデオは2019年第3戦ポルトガルGP訂正)。

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