2019MotoGP第2戦、アルゼンチンGPは公式予選までを終えました。
テルマス・デ・リオ・オンドは、昨年の雨の予選、そのウェット路面でのジャック・ミラー(プラマック・ドゥカティ)のスリックタイヤ激走でのポールポジション、そして決勝レース直前でのドタバタと、マルク・マルケス(ホンダ)とバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)の遺恨再燃、カル・クラッチロウ(LCRホンダ)の10人抜き優勝と、ドラマだらけのレースの舞台となったコースです。参考はコチラ<https://www.autoby.jp/_ct/17159665>をどーぞ。

考えてみたらアルゼンチンGPは、去年のドタバタもそうだし、17年にはダニ・ペドロサとマルク・マルケスのレプソルホンダふたりともが同じような場所で転倒とか、アンドレア・イアンノーネが最終ラップの最後の最後で、チームメイトのアンドレア・ドビツィオーゾに衝突してドゥカティファクトリーが同士討ちしたりとか、ドラマだらけです。今年も普通じゃ終わらない気がしますねぇ。

画像: 6戦5回のポールポジション! マルケス、南北アメリカで最強!

6戦5回のポールポジション! マルケス、南北アメリカで最強!

画像: 得意コースでマシンをぶんぶん振り回すジャック! 「ジャッカスターイム!」再来なるか

得意コースでマシンをぶんぶん振り回すジャック! 「ジャッカスターイム!」再来なるか

金曜のFP1は、マルケス→ミラー→クラッチロウ、FP2はドビツィオーゾ→ミラー→マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)がトップ3。そして土曜のFP3は、FP1同様のマルケス→ミラー→クラッチロウ、そしてFP4はマルケス→クラッチロウ→ドビツィオーゾと、やはりマルケスが好スタート。他にはミラーがいいですね。ミラー、17年まではそうでもなかったのに、去年のレインダンスのポールポジションから、このコースが大好きだ、って公言していますからね。得意なサーキットでツボに入ると、この人は本当に速い! 予選の平均トップスピードも、クラッチロウを抑えて最速でした。

そして公式予選Q2では、まず1本目のタイヤでマルケスがトップタイムをマーク。6周目にビニャーレスがタイムを更新しますが、最後に再びマルケス。マークしたタイムは1分38秒304と、金曜のFP1から1秒5の更新です。
マルケスはこれで、アルゼンチンGPがカレンダーに復活した14年から4年連続のポールポジション。去年のウェットの予選をひとつはさんで、今年が6年目で5回目と、相変わらず南北アメリカでは圧倒的に強い。決勝レースは、去年のゴタゴタを除くと、優勝するか転ぶかというw。2位とか3位とか、なったことないんだからスゴい。このアルゼンチンと次戦のアメリカズGPは、マルケスのシーズン序盤の調子を測るバロメーターになっていますね。

画像: 調子がいいんだ悪いんだかわからないビニャーレス。カギは序盤3周の位置取りかな

調子がいいんだ悪いんだかわからないビニャーレス。カギは序盤3周の位置取りかな

予選2番手のビニャーレスは、開幕戦のポールポジションから今回は2番手と、予選だけ見ると絶好調なんですが、気になるのは決勝レースのペースですね。開幕戦もポールto7位と、予選14番手のチームメイトにも後れを取ってしまいましたから、まだまだヤマハのマシンは不調から脱していないようにも見えてしまうんです。でもヤマハは17年に1→2フィニッシュを決めていますからね。調子がいいんだか悪いんだか、わかりにくい!

画像: 4台のYZR-M1は4台とも上位進出! 予選結果だけ見たら絶好調マシンなのに…

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画像: 天気が荒れるとペトルッチ、天気が安定したらドビがくるドゥカティ軍団

天気が荒れるとペトルッチ、天気が安定したらドビがくるドゥカティ軍団

予選3番手は、開幕戦ウィナーのドビツィオーゾ。ドビツィオーゾはここアルゼンチンで、15年に2位、16年にはチームメイトにぶつけられての13位、17年には転倒してしまいましたが、決して不得意じゃないサーキット。マルケスの対抗といえば、やはりドビツィオーゾです。

画像: クワッタハッホ? クアルタラロ? 本誌はクアルタラロ呼称で参ります

クワッタハッホ? クアルタラロ? 本誌はクアルタラロ呼称で参ります

2列目以降も注目ポイントが盛りだくさん。4番手のロッシ、5番手のミラーは、惜しくもフロントローを逃して!の4~5番手ですが、6番手にフランコ・モルビデリ、7番手にファビオ・クアルタラロのペトロナススプリンタ・ヤマハ勢が入りました。うーむ、ますますヤマハが調子いいんだか悪いんだかわかりません。ルーキー最上位のクアルタラーロ、MotoGPマシンでここ走るの、初めてのはずなんですが、スゴいな。

画像: 昨年のアルゼンチンは予選最下位。今年は9番手だ、FORZA TAKA!

昨年のアルゼンチンは予選最下位。今年は9番手だ、FORZA TAKA!

3列目はクラッチロウ→タカのLCRホンダ勢が入りました。タカ、まずはカル兄ちゃんにしっかりついて行くの、目標でしょう!

マルク・マルケス
「目いっぱい攻めて、ポールは狙ってたんだ。Q2のセカンドアタックでは、1コーナーでちょっとミスしちゃって、すぐにアタックを止めてピットに戻ったんだけれど、3回目のアタックもチームが準備してくれていたから大丈夫だった。ここでポールを獲るのは難しいから、うれしいよ。でも、まずは決勝日の天気かどうなるか、見てみないとね」

マーベリック・ビニャーレス
「もし初日に僕が予選2番手になれる?って聞いていたら、そりゃないよ、って答えただろうねぇ。それくらい初日は上手くいかなかった。それで土曜は頑張ってマシンを作ってここにいられるんだ。走るごとによくなっているし、もう少し伸びしろもある。いいスタートを切って、オープニングラップでは前にいられるようにチョーがんばるよ。みんな接近しているからキツいレースになると思う。どんなレースになるかわからないからね」

アンドレア・ドビツィオーゾ
「フロントローにいられてよかった。マシンは走るごとによくなっているし、朝には転んじゃったけど、フィーリングはいいし、タイムも悪くない。明日はアルゼンチンらしく、天気もどうなるかわからないし、フロントローからスタートできるのはいいと思う。でも表彰台争いができるところまで仕上げられたと思うよ」

中上貴晶は2戦連続の予選3列目9番手です。Q2では最後の最後にトップ10から滑り落ちてしまったものの、Q1をトップタイムで勝ち上がってのQ2進出、のちの9番手でした。3列目かぁ、まだまだ物足りないなー、とも思いますが、ドゥカティファクトリーのダニロ・ペトルッチより、ケガしているとはいえ、ホンダファクトリーのホルヘ・ロレンソよりも上です。Q2常連に、そしてまずは2列目に、そしてフロントローに、って進んでいってほしいですね。

画像: リンスどころかミルも低迷のスズキ勢。去年はリンスが初表彰台だったんですが…

リンスどころかミルも低迷のスズキ勢。去年はリンスが初表彰台だったんですが…

気がかりなのはアレックス・リンス(スズキ)です。リンスは、開幕戦で4位フィニッシュを果たし、昨年のこのアルゼンチンGPでは、MotoGPクラス初表彰台を獲得したというのに、今回はQ2進出もできず、6列目16番手。昨年のウィナー、カル・クラッチロウ(ホンダ)は、10番手からの巻き返し優勝でしたが、その再現なるか、注目ですね。どーしちゃったんだろ、リンス。

ここ、テルマス・リオ・オンドのコースは、シケイン状の最終コーナーを立ち上がってすぐにフィニッシュライン、というレイアウト。カタールのように、最終コーナーはトップの背後にいて、スリップを使ってフィニッシュラインまでに前に出る、という戦略が使えませんから、最終ラップのパッシングポイントも勝負のアヤになりそうです。

あとは天気ね。16年にミシュランタイヤのワンメイクとなってから、ここのコースでは「ウィーク中ずっとドライ」って1回もないんです。雨になると、またヤマハの走りが心配になるし、ペトルッチもミラーもガンガン上がってきそうですね。
決勝レースは、日本時間の日曜深夜(=月曜午前)3時スタートです! 時差に負けず、がんばれ、オレ。

MotoGP第2戦 公式予選結果
1 マルク・マルケス      ホンダ   1分38秒304
2 マーベリック・ビニャーレス ヤマハ   +0.154s
3 アンドレア・ドビツィオーゾ ドゥカティ +0.164s
4 バレンティーノ・ロッシ   ヤマハ   +0.241s
5 ジャック・ミラー      ドゥカティ +0.244s
6 フランコ・モルビデリ    ヤマハ   +0.582s
7 ファビオ・クアルタラロ   ヤマハ   +0.593s
8 カル・クラッチロウ     ホンダ   +0.651s
9 中上貴晶          ホンダ   +0.734s
10 ダニロ・ペトルッチ     ドゥカティ +0.789s
11 ポル・エスパルガロ     KTM    +1.185s
12 ホルヘ・ロレンソ      ホンダ   +1.216s

写真/Honda YAMAHA motogp.com 文責/中村浩史

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