ハンドルの振れは出ないしコーナリングもスムーズ

スリーホイーラーというと、最近はトライクに注目が集まりがちだが、元祖三輪といえばサイドカーだ。既存のオートバイに「船」や「カー」などと呼ばれる側車を連結すれば、ハイ出来上がり。比較的簡単に、より沢山の荷物や人を乗せられるとあって昔から普及してきた乗り物だが、最近はすっかり見かけなくなった。

思い返せば、昭和のヒーローモノにはずいぶんサイドカーが登場したし、チビッコだったボクらはそれを見て憧れた。交通安全パレードだって、サイドカーのオジサンがいなければ、日曜日夕方の「笑点」がサッカー中継でお休みみたいな感じで、なんだか寂しい。

画像1: ハンドルの振れは出ないしコーナリングもスムーズ

サイドカーを歌丸のような存在にしたら、いろいろな方面からとやかく言われそうで誤解を招きそうだが、そんなことには目もくれずスリーホイーラーの雄、サクマエンジニアリングではいまでもサイドカーの新作を世に送り出している。その名も「レジェンドサイドカー」だ。

このエレガントな佇まいと全身から溢れ出るクラシックテイスト。ダブワン(W1)乗りのボクとしては、もうたまらないのである。トラディショナルなスポークホイール仕様としたウラル製のカーが、まるでカワサキW650の純正サイドカーのようにしっくりと馴染んでいて、これが新車(取付バイクは要相談)で買えるなんてまたとないチャンスとしか言いようがないっ!

あぁ、興奮して申し訳ない…。まず「カワサキに純正サイドカーなんて、存在するのか…!?」というツッコミをビシバシ受けた気がするが、じつは1971年の東京モーターショーのカワサキブースにW1SAサイドカー(側車は太陸モータースが製造)が飾られ、当時65万8000円で限定販売されたのだ。

画像2: ハンドルの振れは出ないしコーナリングもスムーズ

高校生のときに読んだ「カワサキモーターサイクルのすべて」(柏秀樹著・池田書店絶版)で、それを知って以来、ボクはいつの日か目の当たりにするときがやってくるかもしれないと信じていたが、ようやく出会った気がする、憧れのWサイドカーに。

そんなボクの熱い想いはさておき、肝心な走りはどうか…⁉ そこは百戦錬磨の熟練揃い、三輪の特性を熟知しており、車体セッティングが難しいとされるサイドカーながら、クセのないハンドリングでコーナリングも狙ったラインを外さないし、特に取付けやディメンションの悪いサイドカーは減速時にハンドルの振れが出るなどの難点を抱えるものだが、そういったネガな部分が一切見当たらない。

画像3: ハンドルの振れは出ないしコーナリングもスムーズ

大きな段差を乗り上げたときも車体は安定し続け、ハンドルに余計な力を加えなくともスムーズに向きを変えるし、ブレーキも操作性・制動力ともに申し分ない。

バーチカルツインの鼓動に揺られながら走るW650は、ただでさえノンビリとした空気感が漂い現行モデルでは決して味わえない独特のフィーリングが魅力だが、サイドカー付きとなるとますますビンテージ感が増し、まるでタイムスリップしたかのようなノスタルジックさがある。側車の在庫は残り僅かというから、欲しい人は迷っている時間はない‼

SPECIFICATION
全 長 2180㎜
全 幅 1750㎜
全 高 1100㎜
軸間距離 1550㎜
輪間距離 1100㎜
乗車定員 3人
空車重量 330㎏

PHOTO:小平 寛

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