Webオートバイをご覧いただいてるみなさん、今年も本誌「月刊オートバイ」、並びに「Webオートバイ」頑張っていきます。2019年もよろしくお願いいたします。

さて「Webオートバイ」内、「Racingオートバイ」では、引き続きロードレースを中心に、モータースポーツのこと、お知らせしていきます。記念すべき2019年第1回目のネタは、MotoGPものです。いよいよ、新しいシーズンが始まりましたね♪
「なに言っちゃってんの? 新しいシーズンは最終戦の直後に、もうシーズンオフテスト、始まってるよ」って方、ご名答。けれど2018年シーズン内のテストには、見られなかった光景、ありませんでした? 2018→2019シーズンへの大型移籍といえば、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティファクトリー→ホンダファクトリー)とか、アンドレア・イアンノーネ(スズキファクトリー→アプリリアファクトリー)、ヨハン・ザルコ(ヤマハサテライト→KTMワークス)などがありますが、では下のふたつの写真をご覧ください。ロレンソとザルコのアクション、この2枚の写真、何が違うでしょう?

画像: 2018年11月、バレンシアテストでのロレンソ+ホンダRC213Vです

2018年11月、バレンシアテストでのロレンソ+ホンダRC213Vです

画像: 同じくバレンシアテストでのザルコ+KTM RC16ですね

同じくバレンシアテストでのザルコ+KTM RC16ですね

ゼッケン99はロレンソ、ゼッケン5はザルコですね。マシンがスポンサーカラーに塗られているかどうかもそうなんですが、ゼッケン99のロレンソの写真、マシンやレーシングスーツ、ヘルメットのどっこにも「HONDA」とか「Repsol」とか「RC213V」のロゴ、一切ありませんよね? 一方のザルコの写真には、「KTM」も「レッドブル」も表記あり。これが、移籍と契約内容のふたつの大きなパターンなんです。
というのも、ドゥカティのファクトリーチームからホンダのファクトリーチームに移籍したロレンソの場合、ドゥカティとの契約は2018年いっぱい、つまり本来は11月初旬のバレンシアテストでホンダに乗るのはまかりならぬ、という契約内容なのです。もちろん、ホンダだけでなく、ドゥカティ以外のマシンに乗ってはならぬ、という契約内容。とはいえ、バレンシアでは「しょうがなく」走らせてあげるけれど、それはあくまでも温情、例外、スポーツマンシップなのであって、乗るマシンにHONDAとかRepsolとかロゴ貼ってくれるなよ、わかってんだろーな、ってことなのです。
ザルコの場合は、ファクトリーチームからの転出ではないし、TECH3というサテライトチームとの契約は継続、そのTECH3のチームごと使用機材をヤマハからKTMに変更するわけですから、KTMロゴもレッドブルマークも問題なし、というわけなのです。

画像: マシンのどこにも、スーツのどこにもホンダともRepsolとも書かれておりません

マシンのどこにも、スーツのどこにもホンダともRepsolとも書かれておりません

これ、実は2016年オフにヤマハファクトリーからドゥカティファクトリーに移籍したロレンソが、新チームのロゴ入れちゃだめよ、わかってんね、っていう不文律を破っちゃって、マシンのどっか(フトントフェンダーだっけな)に「DUCATI」ってロゴが入っていて、ちょっともめかけたことがあったんです。当初、ヤマハは契約期間を盾に、2016年いっぱいはロレンソにドゥカティテストをさせない、って強硬な態度をとっていたんですが、まぁそんなことも言ってらんないし、オトナですからドゥカティさんどうそ、ホルヘがんばれよ、って送り出したのに、マシンにロゴ入ってんじゃんか、どーなってんだおい!ってことがあったんです。
そんなデリケートな(笑)移籍問題ですが、年が明けたこの1月ならば問題はナッシング。そういう事情で、Repsolホンダのチームシャツを着たロレンソのインタビュー画像、映像が公開された、というわけなのですね。
そしてMotoGP公式サイトには、そのロレンソのインタビューが公開されています。そのさわりだけ、少し紹介すると、こんな感じ。

画像: インタビュー前に、いよいよチームシャツに袖を通すロレンソ

インタビュー前に、いよいよチームシャツに袖を通すロレンソ

――レプソルホンダカラーはどうです?
ロレンソ「いい色だね。僕の好きな色って、白×赤×黒だから、今年はそれにオレンジが加わった感じだね。このカラーは、この25年でいくつもの世界チャンピオンとたくさんの優勝を遂げてきた栄光のカラーリング。そのファミリーに加われて光栄だよ」
――レプソルホンダの一員になるというのはどういう意味を持つの?
「レプソルホンダって言うのは、おそらく最多勝、最多タイトルの、歴史上もっとも成功したチームだよね。サッカーチームでいえばFCバルセロナとかレアルマドリードでしょう?」
――ホンダの初乗りはどうでしたか?
「2018年シーズン、僕はもっと大きくて全高の高い、まったく違うマシンに乗っていたよね。僕には少し大きかった。ホンダのマシンは、その意味ですごくフィットしたよ。ずっとコンパクトで小さくて、全高も低いから、楽にバンクさせていけたしね。マシンが路面と近い分、コーナーのエントリーで自信をもっていけた。最初の印象はポジティブで、ポテンシャルが高い、と感じられたね」

画像: 次回のカタールテストでは、きっとレプソルカラーのロレンソが見られるはずです

次回のカタールテストでは、きっとレプソルカラーのロレンソが見られるはずです

とかなんとか、ロレンソの視界、実にクリアです。他にもバレンシアテスト後のヘレステストの時に、もうホンダが新しいロレンソ仕様フューエルタンクを作って来てくれた話や、新たにチームメイトとなったマルク・マルケスとの関係など、ロレンソの口はなめらか。チームの新体制発表は1月23日だということなので、そこではレプソルホンダのレーシングスーツを着たロレンソや、RC213Vの2019年仕様カラーリングもお披露目されるでしょう。
MotoGPのシーズンオフテストは2月上旬まで行なわれませんが、事実上もう2019年シーズンは始まってしまっているんですね。
そんなこんなで、2019年もWebオートバイ、Racingオートバイを、よろしくお願いいたします。

写真/mtogp.com 文責/中村浩史

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