サイズと重さを忘れるほど軽快でスムーズな走り!

新たに登場したこの「K1600B」、ジャンル的にはアメリカでバガーなどと呼ばれるタイプ。シンプルなクルーザーに必要最低限のツーリングバッグを取付けた、機動性のいいロングツアラーだ。

画像: 走るほどに、その重さと大きさを忘れてしまうほど、フットワークは想像以上に軽快で、パワー特性もスムーズ。ロングランでの快適性に定評のある、BMWの面目躍如である。

走るほどに、その重さと大きさを忘れてしまうほど、フットワークは想像以上に軽快で、パワー特性もスムーズ。ロングランでの快適性に定評のある、BMWの面目躍如である。

ベースとなるのは並列6気筒の幅広いエンジンと長大な車体を持ったK1600GT。あのバイクもそうだったが、このBも、見た目の鈍重さとは裏腹に、街中で身軽にフットワークし、素直にワインディングを駆け抜ける。こんなバイクはかなり珍しい。

6気筒エンジンは低振動で、全回転域での強烈なパワーと粘りを両立したフレキシブルな特性。必要とあらば6速40㎞/h・1000回転からでも唸りながら再加速できるし、55㎞/h以上なら何も気にせず6速を使えるほどだ。100㎞/hだと約2800回転。エンジンはシューンっと風のように回るだけ。電動スクリーンを自分に合った高さに変えれば、まるで乗用車のような快適さでストレスを感じない。

画像: 世界的にも貴重な並列6気筒エンジンは160PSを発揮。吹け上がりは非常にシルキーで、乗用車も手掛けるBMWならではのもの。

世界的にも貴重な並列6気筒エンジンは160PSを発揮。吹け上がりは非常にシルキーで、乗用車も手掛けるBMWならではのもの。

これにアップ/ダウンで作動するクイックシフターを搭載、AT感覚で峠道を駆けることまでできるのだ。機動性はツーリングスポーツモデルレベルなみ。実によく走る!

フレームやエンジンのレイアウトはGTから大きく変わっていないようで、バランスのいいディメンションは維持。誰にでも操れるクセのないハンドリングをそのまま受け継いでいる。カウル上部や車体後部に重量物が少ないため、切り返しなどの動きはGTよりずっと軽快でダイレクト。ラフなコーナリング中のライン変更でも揺り返しなどもない。バイクとしてのバランスがいいのだ。

この身のこなしで、まるで、ちょっと大きなNKスポーツにでも乗っているかのように感じる。バンク角もこの手のバイクにしてはかなり深めだし、最初に擦るのもフートボードのバンクセンサー。良心的な造り込みのおかげで、車体をむやみに傷つけない。この運動性はこのバイクの大きな魅力だ。

しかしながら、さらに驚く魅力がある。

車重は336㎏もあるが、前後ショックの基本バネレートが柔らかい。この前後ショックは遠隔操作で積載量や走行モードに合わせたプリロードや減衰力を選択できるのだが、どのモードでも、またがって、バイクを前後に揺すっただけでオフ車のようにフワフワ動く。ホイールベースも長いし、フロントにはリンケージの働きでアンチダイブ効果を加える事ができるデュオレバーを採用しているが、このバネによって、とにかく乗り心地がいい。日本仕様は750㎜のローシートが標準だが、そこはクルーザー。一般的なツーリングスポーツより格段に座り心地もいい。

画像: 車名を刺繍であしらった、高級感あるシート。クッションも柔らかく、快適な旅を演出する。シート下にはETC2.0も標準装備。

車名を刺繍であしらった、高級感あるシート。クッションも柔らかく、快適な旅を演出する。シート下にはETC2.0も標準装備。

豪華なフル装備ツアラーは構え過ぎだし、重くて…と悩んでいるなら、このK1600Bをお勧めする。その快適さと、もっと軽量なモデルの機動性を上手く兼ね備えているモデルだと思う。

SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2470×1000×1300㎜
ホイールベース 1618㎜
最低地上高 NA
シート高 780㎜
車両重量 336kg
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列6気筒
総排気量 1649㏄
ボア×ストローク 72×67.5㎜
圧縮比 12.2
最高出力 160PS/7750rpm
最大トルク 17.8㎏-m/5250rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 26.5ℓ
キャスター角/トレール 62.2度/106.4㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ320㎜ダブルディスク・φ320㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70ZR17・190/55ZR17

PHOTO:森 浩輔

公式サイト

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