実用性よりも走りの楽しさが光る本格的な車体と爽快エンジン!

150㏄クラスのオートバイはタイやインドネシア、インドといった東南アジア諸国がメインマーケットで、150㏄という排気量は現地の免許や税金の制度に合わせた区分。日本では250㏄と同じ軽二輪に区分されるため高速道路に乗り入れ可能で、250モデルよりも1サイズコンパクトかつ軽量な車体はコミューター用途にも適している。

画像: インドネシアで発表されたばかりの新型YZF-R15が早くも日本上陸! まさにYZF-R1のDNAを色濃く受け継いだボディは、クラスの枠を超えた迫力のサイズも自慢。エンジンも可変バルブタイミング機構・VVAを搭載する155㏄。気になる走りの実力を早速試乗チェックするぞ! YAMAHA YZF-R15 最高出力:19.3PS/10000rpm 最大トルク:1.49㎏-m/8500rpm 価格:43万920円

インドネシアで発表されたばかりの新型YZF-R15が早くも日本上陸! まさにYZF-R1のDNAを色濃く受け継いだボディは、クラスの枠を超えた迫力のサイズも自慢。エンジンも可変バルブタイミング機構・VVAを搭載する155㏄。気になる走りの実力を早速試乗チェックするぞ!
YAMAHA YZF-R15
最高出力:19.3PS/10000rpm
最大トルク:1.49㎏-m/8500rpm
価格:43万920円

3月にフルモデルチェンジを受けたYZFーR15もそうした1台だが、僕が感じた魅力はコミューターユースでの実用性ではなく、マニュアルミッションを操作してパワーを引き出し、前後タイヤへの荷重をコントロールして操る楽しさをしっかり備えていること。ヤマハがスポーツ性を大事にしていることは、R25よりもさらにシャープになったルックスや倒立フォーク採用の車体構成にも現れているし、エンジンもVVAと呼ぶヤマハ独自の可変バルブ機構を採用して3馬力近いパワーアップを果たしている。

最高出力発生回転数が1500回転も高くなっているため低回転域トルクの減少を心配したが、むしろ発進加速は力強いもの。これは6㏄の排気量アップとVVAの効果だろう。単に高回転・高出力型化しただけではなく、市街地での扱いやすさと高回転域で爽快な伸びを両立したエンジンに仕上がっている。

加速していくと7500回転付近でVVAが切り替わったことを示すインジケーターが点灯するが、体感的なショックや作動音はない。しかし前モデルが高回転域になると重たいピストンが必死に上下しているような鈍さがあったことに対し、新型はレブリミットの1万1500回転までスムーズに吹け上がるあたりにその効果が出ている。

画像: エンジンには可変バルブ機構・VVAを搭載、低回転でのトルクの太さと高回転におけるパワーを両立。アシストスリッパークラッチも標準装備された。

エンジンには可変バルブ機構・VVAを搭載、低回転でのトルクの太さと高回転におけるパワーを両立。アシストスリッパークラッチも標準装備された。

最もパワフルなのは8000〜1万1000回転。6速・100㎞/hは約7000回転だから、高速道路でも余裕不足は感じず、追い越し加速でも1速落とせば充分。車重の軽さと併せて、単気筒の250㏄クラスに近い動力性能だ。7000回転あたりから振動が増えてくるので長時間の高速道路クルージングは快適とは言えないが、通勤・通学で高速道路を利用する程度なら十分だ。

意外だったのはハンドリング。ヒラヒラと軽いフットワークを想像していたが、剛性が高く、ダンピングを効かせた倒立フォークや、ライバル車よりも太いタイヤサイズに支えられて250㏄モデル並みに落ち着いた動きで、軽量モデルにありがちな横風を受けた際のフラ付きが起きにくいのも好印象。市街地やワインディングではフロントタイヤの接地感を掴みやすく、荒れた路面でも不安がないし、サーキットでもフロントからのスリップダウンに怯えずに攻め込めることだろう。

このエンジンとハンドリングはコミューターとして使うだけではもったいない。ライダーの積極的な操作で走らせる楽しさ、難しさを体得できるスポーツ性があるからだ。

SPECIFICATION
●全長×全幅×全高:1990×725×1135㎜
●ホイールベース:1325㎜
●最低地上高:155㎜
●シート高:815㎜
●車両重量:137㎏
●エンジン形式:水冷4ストOHC4バルブ単気筒
●総排気量:155.1㏄
●ボア×ストローク:58×58.7㎜
●圧縮比:11.6
●最高出力:19.3PS/10000rpm
●最大トルク:1.49㎏-m/8500rpm
●燃料供給方式:FI
●燃料タンク容量:11L
●キャスター角/トレール:NA
●変速機形式:6速リターン
●ブレーキ形式 前・後:ディスク・ディスク
●タイヤサイズ 前・後:100/80-17・140/70-17

Photo:南 孝幸

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