全日本ロードレース最終戦・MFJグランプリは公式予選まで終わりました。今日は朝のうちこそ曇り空で肌寒いスタートになりましたが、日中は太陽も出て汗ばむくらい。この、気温はまぁまぁで、路面温度は低くないこの時期こそ、サーキットでタイムがいちばん出る季節。その通り、JSB1000クラスでスんゴいタイムの戦いが繰り広げられました。
JSB1000クラスは、あす2レース。公式予選のベストタイムがスターティンググリッドになるのはもちろんですが、各ライダー2番目にいいタイム(=セカンドベスト)がレース2のスターティング順となります。ここで、すんごいラップタイムの争いが繰り広げられたのです。

ポールポジションを奪ったのは、中須賀克行(ヤマハファクトリー)。そのタイムなんと、2分04秒571! これまでのレコードが今年春の全日本ロードレース第2戦・鈴鹿2&4での中須賀の2分04秒876ですから、0秒305、更新したことになります。いつかこのWebオートバイに書いたっけ、2003年に行われたMotoGP・日本グランプリでのMotoGPマシンの予選タイムも超えちゃってます!
2017年春の2分04秒876も、春っぽい気温でまぁまぁの路面温度という「タイムが出る条件」がそろってのタイムでしたから、あぁこのレコード、しばらく更新されないだろうなぁ、と思ってたのに、半年後に更新するんかーい!って感じでした。
同じく04秒台に突入した高橋巧(HRC)も、春のタイムが05秒465ですから、今日の04秒945は0秒5ものタイムアップ。昨年のこの最終戦と比べると1秒3ものタイムアップ! それでも中須賀には及びませんでした。このふたりのみが04秒台に突入し、3番手に野佐根航汰(ヤマハファクトリー)。フロントローは2レースとも中須賀、高橋、野佐根のヤマハ&ホンダファクトリーマシン勢が占めました。やっぱファクトリーマシン、強い!速い!

画像: ここまで10戦8勝、これを12戦10勝まで伸ばしたい中須賀が2レースともポールポジションを獲得

ここまで10戦8勝、これを12戦10勝まで伸ばしたい中須賀が2レースともポールポジションを獲得

画像: 中須賀に一矢報いたい、10周の超スプリントでも20周の通常距離でもいいから!

中須賀に一矢報いたい、10周の超スプリントでも20周の通常距離でもいいから!

画像: シーズン序盤、調子が上がらなかった野佐根、今シーズン後半は完全に覚醒 中須賀パイセンやっつけろ

シーズン序盤、調子が上がらなかった野佐根、今シーズン後半は完全に覚醒 中須賀パイセンやっつけろ

以下、予選順位は以下の通り。
■レース1
①中須賀克行(ヤマハ)②高橋巧(ホンダ)③野佐根航汰(ヤマハ)④ブラッドリ・レイ(ヨシムラ)⑤渡辺一馬(カワサキ)⑥渡辺一樹(ヨシムラ)
BSBライダー、鈴鹿8耐にも出場したブラッドリ・レイがヨシムラからスポット参戦、予選4番手に食い込みました!
■レース2
①中須賀克行(ヤマハ)②高橋巧(ホンダ)③野佐根航汰(ヤマハ)④渡辺一馬(カワサキ)⑤渡辺一樹(ヨシムラ)⑥ブラッドリ・レイ(ヨシムラ)
レイが順位を下げましたが、トップ6の顔ぶれは同じですね。

あすの決勝レース、レース1が10周/レース2が20周で行なわれます。この周回数もクセもので、10周の超スプリントと、通常の20周となると、とうぜん戦略も変わってくるし、タイヤ選びも変わってくるかもしれません。やわらかいタイヤ履いてスタートから息切れするまでトバしあうレース1と、いつものようにタイヤを温存しながらペースを決めて終盤勝負のレース2。
ここは最速男に高橋巧が、渡辺一馬が、後輩の野佐根が、そしてヨシムラのふたり、いや3人が挑んでいくレース。4メーカーのぶつかり合いですね、真っ向勝負で短期決戦も通常距離も見られる、いい周回数配分です。レイの存在がちょっと面白くなりそうですね。

J-GP2/今シーズン急成長の岩戸に注目

岩戸亮介(チーム高武)vs関口太郎(チームTARO)のチャンピオン争いのJ-GP2クラスは、やはりこのふたりが予選から火花を散らして、岩戸がポールポジション、関口が2番グリッド、となりました。
注目すべきは岩戸のスピードで、ひとり2分09秒台、2番手関口に0秒7もの差をつけてのポールポジションです。3番手は榎戸育寛(コハラレーシング)で、実は昨年のこのレースも、予選はポール榎戸→2番手関口、岩戸は7番手だったんですね。ちなみに昨年のタイムと比較すると、榎戸は+0.869s、関口は-0.662sなのに対して、岩戸はなんと-2.395s、つまり2秒3も速くなってます! もちろん、条件次第で直接比較はできないんだけど、岩戸が今シーズン、いかに成長したか、物語る数字ですね。

J-GP3/小室の予言、的中

J-GP3クラスは、チャンピオン争いの中島元気(チームSRS-Moto)vs岡谷雄太(モリワキクラブ)vs小室旭(チームP.MU)に明暗が分かれました。この3人の中では、中島が2番手、小室が6番手、そして岡谷は8番手に沈んでしまいました。
ポールポジションは長谷川聖(クラブY’s&J)で、実はきのう金曜に小室に話を聞いた時「今回は聖が速いですね。なんかNSFを乗りこなしてる、乗れてる感じ。進入スライドとか決まってて、気持ち良く乗れてますよ」と言ってたライダー。やっぱり強者は強者を知るんですねぇ……。

最注目はST600 小山の戦略かユウキのスピードか

そして、1ポイント差で最終戦を迎えたST600クラスは、ここまでのポイントリーダー、小山知良(ホンダドリーム)が公式予選をリード。対するランキング2番手の岡本裕生(チームイワキ)は7番手に沈んでしまいました。でも、岡本は去年このレースに勝ってますからね、予選順位が悪かったの、ロケットスタートで取り戻すつもりでしょう。

やっぱ今回は、ST600クラスがいちばんの注目かなー、って思います。ベテラン小山とヤングタイガー岡本が、どういう位置取りで、どのポイントでスパートするか、どこで順位が接近するのか。レースの楽しさ、難しさ、そしてチャンピオンがかかったレースの「やり方」を、ベテラン小山が示してくれるんでしょう!
決勝レースが行われるあす日曜、朝のうちは天気予報が悪かったんですが、どうやら回復傾向。なんとか全レース終了まで雨一滴も落ちてこないこと、祈ります!

画像: この濃ゆ~いメンツの詳細はのちほど♪ なぬ?ここに王様が加わるって??

この濃ゆ~いメンツの詳細はのちほど♪ なぬ?ここに王様が加わるって??

写真・文責/中村浩史

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