車格が大きくなった?そんな印象の「SB」

今回のテストはまずSB(スーパーボルドール)から試乗したのですが、走り出してすぐに、マイナーチェンジ前のモデルと印象がガラリと変わっていて、びっくりしました。

前のモデルはフロント荷重がちょっと強くて、わかりやすく言うとフロントタイヤに16インチを履いているようなイメージだったんです。ハンドルを切って曲げるジムカーナを走るようなバイクというか、スタイリングはネイキッドバイクだけど、ひと昔前のスーパースポーツのようなハンドリングでした。

新しいSBはガラッと変わって「落ち着いた」バイクになりましたね。フロント側は18インチタイヤを履いているような安定感があって、接地感がわかりやすい。前のモデルと同じ60扁平率のタイヤですが、これは今回履いているOEMタイヤの特性違いの影響も大きいかもしれません。とにかく走りに安定感があるので、車格が前のモデルから大きくなったような感覚を覚えたくらいです。

SFの方がSBに比べて、操作感は良く言えば機敏で軽やかな感じ、悪く言えば… (伊藤)

新しいSBは、フロントサスペンションの動きがすごく良いです。フロントタイヤが、まるで路面を舐めるように走るんですよ。意識してハンドルを左右に切って車体を振ったりすると、普通はフロントフォークが伸びたり縮んだりするときに「おつり」がくるのですけど、新しいSBにはそれが全くないです。

前のモデルはフロントから回っていくような車体でした。標準セッティングで乗った後で、自分の好みに合うようにサスペンション調整をして試乗したりもしましたが、新しいSBは操縦安定性も乗り心地も良いので、調整をする必要性は感じませんでした。

画像: 右:伊藤真一(いとうしんいち) 1966年、宮城県生まれ。88年ジュニアから国際A級に昇格と同時にHRCワークスチームに抜擢される。以降、WGP500クラスの参戦や、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。昨年は若手育成に携わりながらも、鈴鹿8耐や全日本ロードに参戦。 左:大関沙織(おおぜき さおり) モデル、女優、レースクイーン、そしてプロボクサーという異色のキャリアを誇り、ただいま多方面で活躍中。最新の活動情報は公式ブログ「Active girl♡Bike」( https://ameblo.jp/h2-08-02/ )にて。

右:伊藤真一(いとうしんいち)
1966年、宮城県生まれ。88年ジュニアから国際A級に昇格と同時にHRCワークスチームに抜擢される。以降、WGP500クラスの参戦や、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。昨年は若手育成に携わりながらも、鈴鹿8耐や全日本ロードに参戦。
左:大関沙織(おおぜき さおり)
モデル、女優、レースクイーン、そしてプロボクサーという異色のキャリアを誇り、ただいま多方面で活躍中。最新の活動情報は公式ブログ「Active girl♡Bike」(https://ameblo.jp/h2-08-02/)にて。

SBの後にSF(スーパーフォア)に乗りましたが、基本的なサスペンションの設定はほとんど一緒じゃないかと思いました。SBはヘッドライトやウインカーなどの灯火類や、メーターなどがカウルにマウントされていますが、SFの方はそれらがステアリングまわりにマウントされています。SFは今回のマイナーチェンジでLED式になって重量はそんなに重たくはないと思いますが、重量物のイナーシャーがつきやすい分、SFの方がSBに比べ操作感は良く言えば機敏で軽やかな感じ、悪く言えば落ち着きがない感じ。カウルがないことの車体前側の軽さや、視覚的な軽快感もSFにはありますね。

一方SBの方はステアリングの荷重が一定で、安定しています。SFのフィーリングはそれはそれで悪くないので、安定したSBを選ぶか軽快なSFを選ぶかは、好みが分かれるでしょう。個人的にはツーリングメインでバイクに乗ることが多いので、カウルの付いているSBを選ぶかな? 街中の移動メインの人はSFの方が合っているでしょうね。僕は田舎に住んでいるから街中の取りまわしのこととかはあまり関係ないですけど(笑)、みなさんはSFとSBのどっちを選んでも満足できると思いますよ。

なおSBのカウルのプロテクション効果は前のモデルより良くなっていると思いますが、VFR800Xみたいなツアラーモデル用ほどには効果が高くはないですね。ネイキッドらしいスタイリングが好きならSF、カウル付きのバイクが好きならSBという風に選んでもいいと思います。

2バルブ時のフィーリングが格別!トルクの出方が気持ちイイ!

多くのライダーはツーリングに行って、峠道を走る……というバイクの使い方を楽しんでいると思いますが、そういう使い方にはSFもSBもすごくマッチしているバイクだと思います。

画像: 伊藤さんが大絶賛するのが、新しいCB400SF/SBのフロントフォークのセッティング。ダンロップ製OEMタイヤとのマッチングも良好。なお前後ホイールには、作業性に優れたL型のエアバルブが新たに採用されている。

伊藤さんが大絶賛するのが、新しいCB400SF/SBのフロントフォークのセッティング。ダンロップ製OEMタイヤとのマッチングも良好。なお前後ホイールには、作業性に優れたL型のエアバルブが新たに採用されている。

SFとSBのエンジンは同じですが、400㏄に感じない仕上がりで、どこにでも行けそうな気分にさせてくれます。前モデルのエンジンと比べると、特にハイパーVテックRevoが切り替わる前の、中速域での2バルブのときのトルクの出方がすごく良いです。

なんて言いますかフラットで、まったく抵抗のないようにフワっとトルクが出てきて、フィーリングが気持ち良いですね。4バルブに切り替わった瞬間に燃焼音が変わってパワーが出ているのがわかりますけど、2バルブのときの気持ちの良いトルクの出方はなくなり、ちょっと荒っぽい感じになりますね。

前のモデルのエンジンは、切り替わったときの変化が少なかったですが、新しいCBは切り替わりのときの変化が明確ですね。これは演出というより、単純に馬力がバーンと上がるからなのでしょう。排気音もそこでパッと変わるので、イケイケな気分になりますね(笑)。フリクションを感じることなく上までよく回るし、本当に良く作り込まれたエンジンだと思います。

6000、7000回転から十分にパワーがあり、全域で動力源として本当に良くできています。今回のマイナーチェンジでスロットルボディとマフラーが変わって、最高出力が前のモデルより少しアップしましたが、燃料のマッピング変更や吸排気の設定変更で、エンジンの回り方も良くなっているのでしょう。

乗りやすいとか扱いやすいとか言うと、まるで実用車みたいなイメージに受け取られるかもしれませんけど、今回の400は下から上の回転域までフィーリングに良い味付けがしてあります。趣味のバイクとしての完成度が高いです。SBの方は90万円以上しますけど、これくらいの値段でも当然と思いました。

最近のこの連載では、乗るバイクをなんでも良い良いと言っている気もしますが(笑)、今までに連載で乗ったバイクの中で1番かもしれないですね。あえて気になったところを挙げるとすれば、シフトアップをするときに、少しミッションが入りにくく感じたことくらいです。SFとSB、両方同じような感じがあり、シフトダウンのときはやりにくさは両方とも感じませんでした。シフトアップするときに、ミッションの抜けが悪いような感覚でしたが、クラッチをもうちょっと切れやすいように調整すれば、解消したのかもしれませんね。クラッチ自体の出来はとても使いやすくて良かったです。アイドリングからスッとレバーを話せばスッと走り出しますし、ジャダーなどは一切出ない。かなり気を遣って作られていますね。

あと今回は、都内から郊外へと撮影で往復しましたが、燃料計がひと目盛りも減らなかったのには驚きました。非常に燃費は良さそうです。また外気温計が付いているのも良いなと思います。雨の中で外気温計を見て、気温が6度!と気付いたときは、雨に濡れることなく車内が暖かい自動車で移動しているスタッフたちに対して、「こんな日にバイク乗せやがって!」と怒りがわいてしまいましたけど(笑)。

画像: 雨の首都高という状況でも「普通」に走れるとは伊藤さんの弁。「タイヤのエンベロープ特性が良くて微振動を感じなかったりと、乗り心地がいいですね」。ハンドリングに尖ったところがないのも、CBの美徳のひとつ。

雨の首都高という状況でも「普通」に走れるとは伊藤さんの弁。「タイヤのエンベロープ特性が良くて微振動を感じなかったりと、乗り心地がいいですね」。ハンドリングに尖ったところがないのも、CBの美徳のひとつ。

存在を主張しないスチール製フレームはエンジンとのバランスが良いです! (伊藤)

前のCB400SFと走りのイメージが違うと言いましたが、それはさらに前のモデルにあったオールマイティな感じに戻った……とも言えるかもしれません。もちろん前のモデルのハンドリングが好みの方もいるでしょうから、これは僕の好みの話ではありますけど。

新しいCBは、例えばフロントブレーキを残しながらコーナーへ入って行くような走りも、ライダー次第でなんとでもできる感じです。ブレーキもカツーンという効き方はせず、穏やかな効きでコントローラブル。フロントサスペンションに対して、リアサスの動きもマッチしている。ハンドリングにとんがったところがないので、冬の雨の路面コンディションでも普通に走れて、その乗り心地も非常に良い……ある意味新しい400は、走り方の幅が広がったかな。この1台があれば、他にはいらないかも、と思ったくらいです。

画像1: 存在を主張しないスチール製フレームはエンジンとのバランスが良いです! (伊藤)

あと、このスチール製のフレームがすごく良いですね。同じスチールでもCBR250RRに乗っているときは、頭の中でこれがアルミフレームだったら……と僕は考えてしまったりするのですが、この400に乗っているときはそういうことは一切考えませんでした。存在を主張しない、と言いますか、非常にエンジンと車体のバランスが良いので、そういうことを意識させないのでしょう。

エンジンもすごく上質になりましたし、パワーも十分にある……これならリッターバイク乗らなくてもいいな、と思いました。普段から馬力はあればあるだけ良い、と言っているのでにわかには信じてもらえないかもしれませんが、今回の400はバランスがとれているという点では突出していますね。

今回試乗した2台の400の出来からすると、新しくなったCB1300SFとスーパーボルドールがどのような仕上がりになったのか、それを知るのが楽しみになりましたね……こう言うと、やっぱりリッターバイクの方が気になるんじゃないかと突っ込まれそうですけど(苦笑)。でも本当に、CB400SFとSBの出来の良さには、驚かせられるばかりの今回のテストでした。多くの方に乗っていただいて、その上質さを知ってもらいたいモデルですね。

画像2: 存在を主張しないスチール製フレームはエンジンとのバランスが良いです! (伊藤)

RIDING POSITION ライダー身長:179㎝

「ライディングポジションはSFもSBも基本変わっていないですね。179㎝の僕でも窮屈に感じることはありません。またハンドルの位置も高いので、小柄な人でも大丈夫でしょう」。普通2輪免許の教習車・試験車にも採用されるモデルだけあって、万人が扱いやすいと感じられる車格に仕上がっていると言えよう。足着き性が良い点も、市街地走行をメインにCBを使うユーザーは、停車時にありがたみを感じるはずだ。

画像: CB400 SUPER BOL D’OR<ABS> シート高:755㎜

CB400 SUPER BOL D’OR<ABS> シート高:755㎜

画像: CB400 SUPER FOUR  シート高:755㎜

CB400 SUPER FOUR シート高:755㎜

DETAIL

画像: HONDA CB400 SUPER FOUR<ABS> ●全長×全幅×全高:2080×745×1080㎜ ●ホイールベース:1410㎜ ●シート高:755㎜ ●車両重量:201kg ●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 ●総排気量:399cc ●ボア×ストローク:55.0×42.0㎜ ●圧縮比:11.3 ●最高出力:56PS/11000rpm ●最大トルク:4.0kg-m/9500rpm ●燃料タンク容量:18L ●キャスター角:25゜ 5′ ●トレール量:90㎜ ●タイヤサイズ(前・後):120/60ZR17・160/60ZR17 ●ブレーキ形式(前・後):φ296㎜ダブルディスク・φ240㎜ディスク ●価格:86万6160円

HONDA CB400 SUPER FOUR<ABS>
●全長×全幅×全高:2080×745×1080㎜ ●ホイールベース:1410㎜ ●シート高:755㎜ ●車両重量:201kg ●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 ●総排気量:399cc ●ボア×ストローク:55.0×42.0㎜ ●圧縮比:11.3 ●最高出力:56PS/11000rpm ●最大トルク:4.0kg-m/9500rpm ●燃料タンク容量:18L ●キャスター角:25゜ 5′ ●トレール量:90㎜ ●タイヤサイズ(前・後):120/60ZR17・160/60ZR17 ●ブレーキ形式(前・後):φ296㎜ダブルディスク・φ240㎜ディスク ●価格:86万6160円

画像: HONDA CB400 SUPER BOL D’OR<ABS> ●全長×全幅×全高:2080×745×1160㎜ ●ホイールベース:1410㎜ ●シート高:755㎜ ●車両重量:205kg ●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 ●総排気量:399cc ●ボア×ストローク:55.0×42.0㎜ ●圧縮比:11.3 ●最高出力:56PS/11000rpm ●最大トルク:4.0kg-m/9500rpm ●燃料タンク容量:18L ●キャスター角:25゜ 5′ ●トレール量:90㎜ ●タイヤサイズ(前・後):120/60ZR17・160/60ZR17 ●ブレーキ形式(前・後):φ296㎜ダブルディスク・φ240㎜ディスク ●価格:97万9560円

HONDA CB400 SUPER BOL D’OR<ABS>
●全長×全幅×全高:2080×745×1160㎜ ●ホイールベース:1410㎜ ●シート高:755㎜ ●車両重量:205kg ●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 ●総排気量:399cc ●ボア×ストローク:55.0×42.0㎜ ●圧縮比:11.3 ●最高出力:56PS/11000rpm ●最大トルク:4.0kg-m/9500rpm ●燃料タンク容量:18L ●キャスター角:25゜ 5′ ●トレール量:90㎜ ●タイヤサイズ(前・後):120/60ZR17・160/60ZR17 ●ブレーキ形式(前・後):φ296㎜ダブルディスク・φ240㎜ディスク ●価格:97万9560円

画像: フレームはスチール製のダブルクレードル型。「良い意味で鉄フレームの存在感を意識させない、良くできているフレームですね」と伊藤さんは感心しきりでした。

フレームはスチール製のダブルクレードル型。「良い意味で鉄フレームの存在感を意識させない、良くできているフレームですね」と伊藤さんは感心しきりでした。

画像: SBのヘッドライトやメーター類などはカウルマウントのため、SFとはハンドリングの印象に違いが生じる。それは良し悪しというより、好みの範疇の評価になるだろう。

SBのヘッドライトやメーター類などはカウルマウントのため、SFとはハンドリングの印象に違いが生じる。それは良し悪しというより、好みの範疇の評価になるだろう。

PHOTO:松川 忍、まとめ:宮崎健太郎

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