好バランスの車体が生み出す抜群の走りと乗り心地!
フルサイズの125㏄オフローダーはかつて各メーカーからリリースされ、ビギナーの入門用として、あるいはベテランたちのセカンドバイクとしても根強い人気のあったクラスだが、昨今はすっかり影を潜めていた。

足が長く車高の高い、フルサイズらしい堂々たる車格。オンロードでの乗り心地も良く、街乗りやツーリングも快適にこなす。ハンドル切れ角が多く、混雑した市街地も得意だ。
価格:39万8000円
発売:2018年5月
そんな中、今回試乗したアプリリアのRX125はフロント21/リア18インチというフルサイズで、しかも税込み40万円を切ったモデルで、注目せずにはいられない1台だ。

フロントフォークは240㎜という十分なストローク量を持つφ41㎜の倒立式。ブレーキのウェーブディスク径はφ260㎜。

スチール製のロングスイングアームは、高いトラクション性能と車体の安定感を確保。リアサスはリンク式モノショックを採用。
実はこのモデル、2ストモデルとして長らく販売されてきたが、従来型は2008年のデビューで、吸気が未だキャブレターなど、旧さは否めなかったが、今回のフルモデルチェンジで、ついに4スト化されたのだ。
この新型、エンジンも車体も飛躍的に進化している。水冷単気筒エンジンはDOHC4バルブで、低回転域から発進に気を遣うことのない充分なトルクを発揮し、そのままフラットに高回転までスムーズに回ってグイグイ力を振り絞る。ピックアップは鋭く、スタートダッシュも中間加速もビシッと力強く、クルマの流れをリードして走るのも容易い。

125㏄クラスにしては充分過ぎるパワーを発揮する水冷DOHC4バルブエンジン。マレリ製φ32㎜スロットルボディが吸気系の要だ。
フルサイズゆえに窮屈さがなく、アップライトなライディングポジションでゆったり乗れ、視線が高いのも市街地で有利。細く軽い車体と切れ角の多いハンドルで、混雑した都市部もスイスイ走り抜けることができる。

オフロードでの走破性も高く、斜面があればモトクロッサーのように車体を軽々と空中にジャンプさせることも可能。足まわりはクラスを越えた豪華なもので、フロントにφ41㎜倒立フォーク、リアもリンク式のモノサスを備え、フロント240㎜/リア200㎜という長いホイールトラベルを確保。フレームもスチールのダブルクレードルで、車体と足まわりの好バランスを実現。ダートでも思い切りアクセルを開けて楽しめるのだ。

オフロードでの性能を疎かにしていない真面目な造りがRX最大の魅力。モトクロス用のクローズドコースでもファンライドなら充分にこなせるから、林道ツーリングやコースにトライするのもいい。また、普段使いのストリートでも、しなやかなサスのおかげで快適だ。
足まわりの良さは舗装路でも実感でき、ハイスピードのまま大きな段差を乗り越えたときも何事もなかったかのように衝撃を吸収するし、ABSが効くハードブレーキングをしても車体は穏やかに落ち着いていて、フロントサスも踏ん張りきれずにハンドルが振られて収まらないということもない。
乗り心地もいいから、高速道路こそ利用できないが、一般道を使って遠出したくなる。普段は街乗りメインで、休日は林道まで足を伸ばすという使い道を想像すると、楽しくなって思わずにやけてしまう。まさに待望の本格125㏄オフローダーだ。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高 NA
ホイールベース NA
シート高 905㎜
車両重量 NA
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
総排気量 124.2㏄
ボア×ストローク 58×47㎜
圧縮比 NA
最高出力 NA
最大トルク NA
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 7.5ℓ
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ260㎜ディスク・φ220㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 90/90-21・120/80-18
DETAIL


ライポジは本格派オフローダーそのもの。シート高は905㎜と高めで、両足を地面に降ろすと片足が浮いてしまうが、片足立ちであればカカトまでベッタリ着く。車重が軽いので、取り回しに不安はない。身長:175㎝ 体重:65㎏

ゼッケンプレート部が広く、コンペティションモデル然としたフロントマスク。エッジの効いたフェンダー形状もMX的だ。

最高速やバッテリー電圧、ツイントリップも表示するコンパクトなデジタルメーター。コンペモデル風の最小限サイズとなっている。

シートは前後に体を動かしやすく、質感や座り心地も申し分ない。スタック時にマシンを持ち上げられるよう、後端は中空構造となる。

エンドカバーをクロームとした、オーバル形状のスタイリッシュマフラー。サウンドも歯切れの良い乾いたものだ。