CRF450R比で30万5000円、高額。その差は、残り30%のパーツ代だと勘違いしてはいけない。Rを公道化し、目的に合った特性を得るための開発費は、この結晶をみれば自ずとわかるはずだ。

画像1: もっと知りたいCRF450L vol.3 「たとえばぐにゃっと曲がるウインカー、公道化にかけた情熱」

たとえば、このウインカー。

ここまでフレキシブルな材質をつかっていて、難所でバイクを引きずりまわしても破損しない。さらにLED採用で、軽く、球切れの心配もない。オフロードバイクで遊び回ってきたコアなライダーなら、ウインカーをいくつ壊したか覚えていないのでは。単にストリートリーガルに適合させるだけにとどまらず、「思い切りライディングを楽しめる」トレイルランナーとして煮詰められているというわけだ。

R>RX>L のサスペンション強度セッティング
アウターは専用設計、中身はAキット

画像1: R>RX>L のサスペンション強度セッティング アウターは専用設計、中身はAキット

そもそも、CRF450Lはシート高が低い。960mmのCRF450Rに対して895mm。開発責任者の内山幹雄氏(身長178cm)にためしにまたがってもらってみると、かかとべったりだ。

画像2: もっと知りたいCRF450L vol.3 「たとえばぐにゃっと曲がるウインカー、公道化にかけた情熱」

CRF450L

画像3: もっと知りたいCRF450L vol.3 「たとえばぐにゃっと曲がるウインカー、公道化にかけた情熱」

CRF450R

足付きでこれだけの差が生まれている。サスカットまでおこなっているのか、と思いきや実はそうではない。フロントは突き出し、リアはイニシャルの設定、あとはシートの形状で日本の基準に合わせている。

画像2: R>RX>L のサスペンション強度セッティング アウターは専用設計、中身はAキット

最も驚愕すべきは、フロントサスペンション。

まず、驚きポイント1。これは、10年前の「個人のDIYでCRサスを流用しました」というようなものとは次元が違う。なぜなら、たしかにCRF450Rの流用ではあるものの、中身はSHOWAが誇るファクトリー御用達のAキットと構造が同じなのだ。材質、構造の最先端性、どれをとっても現CRFのサスは歴代最高峰と言われていて、量産化される前のスペシャルなAキットはバイク1台分くらいのプライス。もちろん、セッティングはトレイル向けに再考されている。CRF450R>RX>Lで等間隔的にマイルドな方向に振っているとのことだ。動かしてみた感触は、これまでのトレールマシンとは比較にならない。チューニングされた柔らかめのエンデューロサスのようだ。

驚きポイント2。わざわざアウターチューブを新設計したこと。これも、トレール向けの施策だ。まっすぐに見える筒状のアウターチューブには、通常綿密に設計されたテーパー角がついているのだが、このテーパー角はCRF450L専用のもの。剛性を落としてある。

余談だが、この剛性を落としたサスペンションは今後、全日本モトクロスなどで流用されることもあるかもしれない。ファクトリーバイクですら剛性を落とす方向にチューニングする例が頻繁にあるからだ。

画像3: R>RX>L のサスペンション強度セッティング アウターは専用設計、中身はAキット

リアサスペンションも、フロント同様トレイル向けにリセッティング。

画像4: R>RX>L のサスペンション強度セッティング アウターは専用設計、中身はAキット

リンク比もRとは異なり、最適化されている。

画像5: R>RX>L のサスペンション強度セッティング アウターは専用設計、中身はAキット

シートは見た目ではわからないが、10mm低い。フォームは同じものをつかっているとのコメントだったが、触ってみるとかすかにLのほうが柔から目に感じるものだった。とはいうものの、CRF250Lなどに使われているものとはまったく違って、レーサーそのもの。ツーリングのことを考えず、操作性を第一にとったレーサー然とした姿勢が見える(ただ、内山氏は「わりとこのシートでも、痛くならないし疲れないですよ」とコメントしている)。

あえて旧型を採用したフロントブレーキ

画像: あえて旧型を採用したフロントブレーキ

旧型のほうが放熱性に優れるとのことで、公道での使用を考慮してフロントキャリパーには旧型を採用した。また、同じくディスクは0.5mm厚いものに換装。見た目はほとんど同じだが、細かくリファインを受けている箇所だ。

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