オシャレで走りのレベルも高いシリーズ一番のスポーツ仕様

ドゥカティのスクランブラーシリーズに、トップモデルの1100、3モデルが追加された。いまやスクランブラーのシリーズラインアップはモンスターやディアベルよりも多く、ストリートスポーツの主役たらんとする存在感を誇っている。

画像: ヴァイパー・ブラックというマットカラーを採用、タンク両側にイエローのストライプを配したグラフィックは専用カラー。ハンドルは低めのテーパータイプで、試乗車はオプションのテルミニョーニ製マフラーを装着している。

ヴァイパー・ブラックというマットカラーを採用、タンク両側にイエローのストライプを配したグラフィックは専用カラー。ハンドルは低めのテーパータイプで、試乗車はオプションのテルミニョーニ製マフラーを装着している。

画像: 最高出力:86PS/7500rpm 最大トルク:9.0㎏-m/4750rpm 価格:183万5000円 発売:2018年7月 scramblerducati.com

最高出力:86PS/7500rpm
最大トルク:9.0㎏-m/4750rpm
価格:183万5000円
発売:2018年7月

scramblerducati.com

今回試乗したのは最もスポーティな「スポーツ」。前後ショックにオーリンズを採用しているのが特徴で、スポーティな走りを追求した仕様になっている。

画像: フロントフォークはオーリンズ製のフルアジャスタブル、ブレーキキャリパーはブレンボのラジアルマウントと豪華。タイヤはピレリのMT60を履く。

フロントフォークはオーリンズ製のフルアジャスタブル、ブレーキキャリパーはブレンボのラジアルマウントと豪華。タイヤはピレリのMT60を履く。

画像: スイングアームはブラック仕上げのものを採用し、スポーツムードを高めている。IMUの導入で、ボッシュ製のコーナリングABSも標準となる。

スイングアームはブラック仕上げのものを採用し、スポーツムードを高めている。IMUの導入で、ボッシュ製のコーナリングABSも標準となる。

そして、フロントの18インチタイヤ、銘柄までシリーズ共通。標準装着タイヤはピレリのMT60という、ダートトラッカー的なトレッドパターンを持つタイヤだ。「スポーツ」とは言いながら、果たしてせっかくのオーリンズが活きるのか、というのが試乗前の正直な感想だったんだが、走ってみて驚いた。最近の酷暑でタイヤが柔らかくなっていたのもあるだろうが、アップライトなライポジでスタンダードショックを採用するベースグレードの1100、スポークホイールでハンドリングタッチがしなやかなスペシャル、このスポーツまで、全車ともハードなスポーツランに耐える接地性を発揮したのだ。
中でも「スポーツ」は群を抜いたスタビリティを誇る。2~3速をフルに使うようなコーナリングから、4速あたりを駆使する高速ワインディングまで、振られ、跳ね、不意なスライドなど一切起こさない。切り返した後の車体の落ち着きも早いから、スロットルを早く開けられ、急激な駆動力にも耐える。コレがスポーツの足まわりの醍醐味だ。

スクランブラーと言えば、デザートスレッド以外、800も400もストリートコミューター的性格をベースにした、身軽なファンバイクのようなキャラクターだが、この1100は違う。ハンドリングは落ち着きを増しており、高速道路を使ったロングランでも乗り手にストレスを与えない。加えて、味があって愉しいエンジンがある。エンジンはかつてモンスター1100に使用していた空冷Lツインを熟成させたもの。ユーロ4をクリアした上で86馬力を発揮、トルキーで、非常に扱いやすいエンジンだ。

画像: モンスター1100のものがベースだが、エンジンはスクランブラーのキャラクターに合わせた設定。パワーは86PSだが、トルキーで豪快な加速を楽しめる。

モンスター1100のものがベースだが、エンジンはスクランブラーのキャラクターに合わせた設定。パワーは86PSだが、トルキーで豪快な加速を楽しめる。

少々ノイジーだが、6速・2000回転、60㎞/hほどでも流せる粘りと、小気味良く応答してズドンっと強烈にダッシュする力がある。このエンジンが発する低中域での濃密なトルクはクルーザー的でもあり、実用的な扱いやすさを生んでいる。しかもそのままフラットに伸びるので、86馬力というスペックを非力に感じることはないと思う。

また、前後のオーリンズは乗り心地優先でセッティングされたようには感じない。バネにはそれなりに反力の強さはあるが、ダンパーがとてもしなやかに作動するからだ。とはいえ、STDやスペシャルほどダート走行は得意ではない。凸凹した路面から突発的に受ける大きな衝撃には硬い反応をする。

この「スポーツ」は極端なスポーツランを狙って性格を偏らせたバイクではない。スポーツライディングシーンでの頼りがいを確実に増したオンロードスポーツなのだ。使い勝手の良さと高い機動性を備え、幅広い使い方に順応できるモデルだ。

しかも、ストリートモデルとしての高いファッション性も大きな武器。モンスターシリーズより気軽に楽しめる、等身大のスポーツ性能を持っている魅力的なバイクだ。

SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高 NA×920×1290㎜
ホイールベース 1514㎜
最低地上高/シート高 NA/810㎜
車両重量 206㎏
エンジン形式 空冷4ストOHC2バルブL型2気筒
総排気量 1079㏄
ボア×ストローク/圧縮比 98×71㎜/11.0
最高出力 86PS/7500rpm
最大トルク 9.0㎏-m/4750rpm
燃料供給方式/燃料タンク容量 FI/15L
キャスター角/トレール 24.5度/111㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ320㎜ダブルディスク・φ245㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/80ZR18・180/55ZR17

DETAIL

画像: 800より車格がひと回り大きく感じ、シートも少し高い。その分シートは上質なものを採用しているようで、長時間の走行で疲れにくいように感じる。ハンドルはスペシャルと同じく低めにセットされているが、街中でも疲れにくい。身長:176㎝・体重:68㎏

800より車格がひと回り大きく感じ、シートも少し高い。その分シートは上質なものを採用しているようで、長時間の走行で疲れにくいように感じる。ハンドルはスペシャルと同じく低めにセットされているが、街中でも疲れにくい。身長:176㎝・体重:68㎏

画像: DETAIL
画像: シート高は810㎜で足つき性とホールド性に優れた形状となっている。

シート高は810㎜で足つき性とホールド性に優れた形状となっている。

画像: ユニークなデザインのメーターはオールデジタル。「アクティブ」「ジャーニー」「シティ」の3種類のライディングモードも用意。

ユニークなデザインのメーターはオールデジタル。「アクティブ」「ジャーニー」「シティ」の3種類のライディングモードも用意。

画像: リアショックはフロント同様オーリンズ製。フルアジャスタブルで、走りの質を大きく高めてくれるアイテムだ。

リアショックはフロント同様オーリンズ製。フルアジャスタブルで、走りの質を大きく高めてくれるアイテムだ。

画像: 撮影車にはオプションとなるテルミニョーニ製のマフラーを装備、迫力あるサウンドを楽しめる。ノーマルは左右2本出しのメガホンタイプとなる。

撮影車にはオプションとなるテルミニョーニ製のマフラーを装備、迫力あるサウンドを楽しめる。ノーマルは左右2本出しのメガホンタイプとなる。

SCRAMBLER1100

ベースグレードとなるスクランブラー1100は、写真の「シャイニングブラック」とイメージカラーの「62イエロー」の2色を用意。ワイドなバーハンドルはシリーズ中最もアップライトなタイプを採用、ストリートでの快活な走りに一役買っている。ホイールは10本スポークのアルミキャストで、これはスポーツと共通。

画像: SCRAMBLER1100
画像: マフラーは左右2本出しのメガホンタイプ。歯切れのいいサウンドを奏でる。

マフラーは左右2本出しのメガホンタイプ。歯切れのいいサウンドを奏でる。

画像: リング状のLEDポジションランプを持つヘッドライトは800、400にも共通したアイコニックな装備。

リング状のLEDポジションランプを持つヘッドライトは800、400にも共通したアイコニックな装備。

SCRAMBLER1100 SPECIAL

カスタムイメージを前面に出したスペシャルは、専用色の「カスタムグレー」を採用。前後ホイールはシルバーリムのスポークに、スイングアームはシルバー、シートはブラウン表皮として、クラシックイメージを巧みに演出している。ハンドルバーは低めのテーパータイプを採用。これはスポーツと共通のアイテムだ。

画像: SCRAMBLER1100 SPECIAL
画像: シート形状は共通だが、座面形状のデザインと表皮の色を変更、スペシャル感を演出している。

シート形状は共通だが、座面形状のデザインと表皮の色を変更、スペシャル感を演出している。

画像: エキパイはクローム仕上げのものを採用。高級感を高め、他のグレードとの差別化を図っている。

エキパイはクローム仕上げのものを採用。高級感を高め、他のグレードとの差別化を図っている。

撮影/南 孝幸、森 浩輔

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