静岡県でも清水区はちょっと変わったところだ。ヤマハや、スズキのある磐田・浜松からは離れていてバイクと関係ないかというと、そうでもない。清水港はバイクの海上運送に使われるようだし、異国文化の入ってきやすい清水の街は、外国人がよくバイクを求めに来ると言う。そんな街で奮闘する、バイクショップM.C.S.クリタを覗いてみよう。

何でも直す。太田の親父の腕前を信頼してあつまる

画像1: 何でも直す。太田の親父の腕前を信頼してあつまる

取材日、クリタを訪れると親父さんがチャンバーを治していた。いまでこそ2ストロークのレーサーが増えたこともあってチャンバー修正の需要はわりと高い。ただ、太田の親父さんは何でも治してしまうのだ。

「俺はさ、でっかい工場でなんでも治せるような場所を作るのが夢なんだよ」と。

画像2: 何でも直す。太田の親父の腕前を信頼してあつまる

親父さんが手がけた、エンデューロ仕様のセロー250。チタンでつくりなおしたエキゾーストや、璃バルビングされやサスペンションで、今月は北海道のレースへ向かう。

ヨーロッパとのコネクション

M.C.Sクリタは太田家のバイクショップだ。モーター・サイクル・スポーツ・クリタ。なぜオオタでないのかというと、親父さんがクリタさんから店を継いだからだと言う。

画像1: ヨーロッパとのコネクション

親父さんは頭領のような存在で、長男の真成が店長。エンデューロ界では知られた名前で、太田真成はタイトル争いの重要メンバーだった。次男の幸仁は、大病を患いながらライダーに復帰、2018年はチリで開催されるISDEに、日本代表で臨む。

彼ら太田家は、20年以上ACERBIS社の社長フランコ・アチェルビスとつながりをもっていて、そのコネクションが拡大して欧州のエンデューロ関係者に顔が利く。

画像2: ヨーロッパとのコネクション
画像3: ヨーロッパとのコネクション

店内に所狭しとならべられる、欧州エンデューロのジャージや自分たちのヘルメットのバイザー。

画像4: ヨーロッパとのコネクション

極めつけはこちら。J・オベールのトロフィー実物。

エンデューロ選手権も開催されるコースを管理

画像1: エンデューロ選手権も開催されるコースを管理

さらにすごいのは、情熱があふれすぎてエンデューロコースを作ってしまったことだ。杉の山を、自分たちで切り開いてつくったこのO-LANDパークは、ちょっと難易度が高い走りごたえのあるコース。ここでしっかり走り込めば、たしかにどんなシチュエーションでも怯まないだろう。

画像2: エンデューロ選手権も開催されるコースを管理

見えているのはごく一分。杉林の中を縦横無尽に拡がるトレイルは、極上。

全国に拡張するバイク屋の、ハシリかもしれない

画像: 全国に拡張するバイク屋の、ハシリかもしれない

いま、オフロードショップは先鋭化しており、多くの専門ショップが地域のショップとしてだけでなく、日本全国に客を持っている。特に、競技を扱えるショップは重宝されていて、東北から関東まで納車にくるようなショップもある。SNSや、ブログなどの発達によって、物理的な距離よりも心の距離を選ぶ客が増えてきた。

だが、M.C.S.クリタは先鋭化する前から、全国から注文があつまる傾向にあったという。

「そもそも、売り物を店先に出してねぇんだ。なのに、注文してくれるんだよ、ありがたいことだよね」と親父さん。

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