いずれも高いポテンシャルの予感、今後の熟成に期待!

7月16日に筑波サーキット ジムカーナ場で開催されたダンロップ・オートバイ杯ジムカーナ第3戦。この大会で全くのニューマシンが3台、しかもいずれもA級のライダーの手によって実戦デビューした。2輪ジムカーナの世界ではあまり例のないニューマシンの同時デビュー、それぞれのマシンを紹介してみよう。

SUZUKI GSX-R1000

画像1: SUZUKI GSX-R1000

まず最初は、中澤選手がデビューさせたGSX-R1000だ。GSX-R1000自体は2輪ジムカーナではA級・辻家選手などの手で高い戦闘力を発揮しているマシン。しかし中澤選手が持ち込んだのは、昨年8年ぶりのモデルチェンジを受けて発売された現行GSX-R1000の2018年モデル。この新型GSX-Rが本格的にジムカーナを走るのはおそらくこれが初めてのこと。

画像2: SUZUKI GSX-R1000

中澤選手は長くモタードマシン・DR-Z400SMを駆ってきただけに、初の大排気量車、そしてスーパースポーツはかなり勝手が違うようで、デビュー戦の順位はA級24台中24位…。外観こそカウルを外した殻剥き状態にしてアップハンドル化され、ジムカーナ用エンジンガードも装着されている。「あとはファイナルを落としたくらい。ノーマルのサスはハードでジムカーナでは全然動かなくてダメですね。そもそも何かいじるにしても、DR-Zとは全然違うし」とは中澤選手。「もちろんパワーはあるし、何より軽い。それにめちゃくちゃハンドリングも軽快。ちゃんと仕上がれば速いはず。とりあえずジムカーナ用のサスペンションは手配したんで、それを入れて今シーズンはセッティングを煮詰めていくつもりです」

TRIUMPH ストリートトリプルRS

画像1: TRIUMPH ストリートトリプルRS

続いては、小崎選手が持ち込んだトライアンフ・ストリートトリプルRS。小崎選手は第2戦までは先代のZX-10Rで走っていて、701cc以上のマシンを駆るシード選手を対象にするSB級でトップ争いの常連、2015年にはSB級チャンピオンも獲得している。しかしその前には長くストリートトリプルで走っていた経験もあり、久々となるトライアンフ復帰。今回持ち込んだのは、もちろん765ccエンジンを搭載した最新モデルだ。

画像2: TRIUMPH ストリートトリプルRS

ストリートトリプルの特徴的なデュアルヘッドライトを取り払って小ぶりなカウルを装着し、ジムカーナ用エンジンガードを装着。もともとネイキッドモデルだけに、それ以外はノーマルに近い雰囲気の仕上がりだ。気になる順位は、GSX-Rの中澤選手の1つ前となるA級23位。小崎選手に話を聞くと「まだまだ暫定仕様だし、いろいろ課題はあるんですけど、今回問題になったのは電子制御周り。何かが悪さをしてて全然前に進まない、パワーが掛からない。だからタイムは出ないですよ」というコメント。「でもエンジン自体はいいし、ハンドリングも悪く無い。今シーズンの残りを使ってトラブルを潰して仕上げていって、勝負は来年。675ccだった前のトリプルと違ってSB級になるんで、トリプルでSB級トップを狙ってますよ」

KTM790デューク

画像1: KTM790デューク

そして3台目が、大瀧選手のKTM790デュークだ。新開発の水冷並列2気筒エンジンを積んで、今年デビューしたばかりのデュークシリーズの最新ミドルバージョン。大瀧選手自身も以前乗っていた単気筒エンジンの690デュークは今でも2輪ジムカーナで見かけるが、この790デュークが競技に使用されるということ自体、日本ではかなり珍しい例だろう。

画像2: KTM790デューク

大瀧選手はハスクバーナSM450R、KTM690デューク、ハスクバーナFE450と、海外メーカーの単気筒マシンを乗り継いできたが、突然のマシンスイッチ。成績はA級15位、SB級では何と5位に入賞という、今回のニューマシン3台の中で最上位を記録、大きな可能性を感じさせた。「セッティングできないノーマルフォークを調整できるようにして、リアホイールを690で使ってた細いものにしました。あとはマフラー。その他はハンドルもステップもノーマルだし、ファイナルもノーマル。でもこの新しいエンジンがいい感じで、1速でどこまでも引っ張れるんです」とコメントしてくれた大瀧選手。「ジムカーナでは重要なハンドルストッパー調整もまだまだ詰め切れてなくて、回転とか恐る恐るですよ。ノーマルのブレーキも思い通りに効かないし。もっとセッティング決まればかなり戦えそうなんで、期待しててください!」

 

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