扱いやすさはそのままに機敏なフットワークに進化!

新型MTー07の変更点は、ヘッドライトとシュラウドまわりが新デザインになったのと、前後の足回りを一新したこと。エンジンやフレームに変更はない。コトバだけだと従来型をそのまま正常進化させただけのようだが、これが大違い。新しいサスの味付けが大幅に違っていた。

画像: 最高出力:73PS/9000rpm 最大トルク:6.9㎏-m/6500rpm 価格:77万7600円 発売:2018年4月10日

最高出力:73PS/9000rpm
最大トルク:6.9㎏-m/6500rpm
価格:77万7600円
発売:2018年4月10日

07はコンパクトで、まるで400クラスの車格。そして軽く、ミドルクラスでありながら、小柄なライダーにも容易に取り回せる。パラツインエンジンは73PSを発揮。動力性能は900㏄クラスに迫るほど強力だ。常用域での乗り心地の良さもすばらしく、かなりスポーティな走りまでこなせる足回りを持っている。ハンドリングにもクセがなく、強力な旋回性や安定性をバランスよく発揮。扱いやすさもこのクラスの中で秀でており、ワンパクな兄貴分の09とは大違い。こういった「使える動力性能」が07の魅力だ。

今回試乗した18年型の足回りはかなりスポーツ性を意識した性格。これまでより強いバネとダンパーがセットアップされており、前後サスとも乗り心地がいくらか硬くなっている。だが、切り返した後にすぐに旋回力を発揮するようになっていたり、荒れた路面での接地性が、先代モデルと比べ格段に良くなっていたりする。コレがスゴい。切り返しの軽さでなく、身のこなしが機敏。凸凹した路面でリーンさせている時など、これまでのモデルではまず滑るか、跳ねてラインを外へ向けるようなベースでも、思いどおりのラインに乗ってくれる。

画像1: 扱いやすさはそのままに機敏なフットワークに進化!

決して神経質になったわけではない。エンジン、ハンドリングの扱いやすさはこれまで通り。ただ、強引な操作を含め、スピーディな動きができるようになったのだ。薄っぺらい言い方だが、結果、より速く走れるようにもなっているということ。スポーツライディングを楽しめる速度レンジが速い方に広がり、これまでより多くのパワーをコーナリング中に使えるようになったと思えばいい。
 
ただ、MTー09のSTDとSPほどの大きな違いではない。今回の07の進化は、スポーティな足回りになったことで、いくらかワンパクな性格のバイクへシフトしたのだ。それでいて、従来通りの扱いやすさや、ハンドリングバランスの良さをキープしてくれているのが新型07の光るところだ。

画像2: 扱いやすさはそのままに機敏なフットワークに進化!

SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高 2085×745×1090㎜
ホイールベース 1400㎜
最低地上高 140㎜
シート高 805㎜
車両重量 183㎏
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量 688㏄
ボア×ストローク 80×68.5㎜
圧縮比 11.5
最高出力 73PS/9000rpm
最大トルク 6.9㎏-m/6500rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 13ℓ
変速機形式 6速リターン
キャスター角/トレール量 24度50分/90㎜
ブレーキ形式 前・後 φ282㎜ダブルディスク・φ245㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70ZR17・180/55ZR17

DETAIL

画像: フレームや足回りといった車体回りの基本構造は従来モデル同様だが、MTシリーズらしいシンプルでスポーティなイメージはそのまま、より洗練された新たなデザインへとリファイン。

フレームや足回りといった車体回りの基本構造は従来モデル同様だが、MTシリーズらしいシンプルでスポーティなイメージはそのまま、より洗練された新たなデザインへとリファイン。

画像: 吸気の取り込みを強調するエアスクープやレイヤード構造のテールカウルなど、新しいデザインは吸排気の流れや“塊感”を強調し、力強さを感じさせるものだ。

吸気の取り込みを強調するエアスクープやレイヤード構造のテールカウルなど、新しいデザインは吸排気の流れや“塊感”を強調し、力強さを感じさせるものだ。

画像: 粘り強いパワー特性を備えて優れた扱いやすさ、コントロール感を実現した688㏄水冷並列2気筒エンジンは、基本的に従来モデルから変わらない。

粘り強いパワー特性を備えて優れた扱いやすさ、コントロール感を実現した688㏄水冷並列2気筒エンジンは、基本的に従来モデルから変わらない。

画像: 微妙な曲線を描くエキゾーストパイプや、後輪前方に設けられたチャンバー、短く切り詰められたサイレンサーなどの排気系もそのまま。

微妙な曲線を描くエキゾーストパイプや、後輪前方に設けられたチャンバー、短く切り詰められたサイレンサーなどの排気系もそのまま。

画像: 10本スポークの軽量なアルミホイールに、対向4ポットキャリパーをダブルで組み合わせる。正立フォークはバネレート、減衰力をアップ。

10本スポークの軽量なアルミホイールに、対向4ポットキャリパーをダブルで組み合わせる。正立フォークはバネレート、減衰力をアップ。

画像: スイングアームやリアホイール、リアブレーキ周りに関しても、基本的に従来モデルのものがそのまま受け継がれている。

スイングアームやリアホイール、リアブレーキ周りに関しても、基本的に従来モデルのものがそのまま受け継がれている。

画像: リアサスはバネレートと減衰力を従来より高く設定。プリロード調整機能に加え、新たに伸側減衰力調整機能を追加した新型に変更。

リアサスはバネレートと減衰力を従来より高く設定。プリロード調整機能に加え、新たに伸側減衰力調整機能を追加した新型に変更。

画像: ヘッドライトは形状変更されるとともに下部の左右にはウイングレットも追加。さらに造りも上質にされ質感も大きく高められている。

ヘッドライトは形状変更されるとともに下部の左右にはウイングレットも追加。さらに造りも上質にされ質感も大きく高められている。

画像: コンパクトな液晶メーターパネル。右側に速度計、左側に燃料計や距離計、その中央にギアポジション表示を置き、下段に回転計を配置。

コンパクトな液晶メーターパネル。右側に速度計、左側に燃料計や距離計、その中央にギアポジション表示を置き、下段に回転計を配置。

画像: タンクカバーとエアスクープの境界部分のデザインを変更するなど、細部のリファインでボディ全体をひとつの“塊”に感じさせている。

タンクカバーとエアスクープの境界部分のデザインを変更するなど、細部のリファインでボディ全体をひとつの“塊”に感じさせている。

画像: シート前端を燃料タンク側に10㎜延長し着座面積を約30%拡大。ポジションの自由度と乗り心地を向上させて疲労度を低減させた。

シート前端を燃料タンク側に10㎜延長し着座面積を約30%拡大。ポジションの自由度と乗り心地を向上させて疲労度を低減させた。

画像: タンデムシートを取り外すと、テールカウル内に車載工具や書類を収納できる程度の小さなユーティリティスペースが用意されている。

タンデムシートを取り外すと、テールカウル内に車載工具や書類を収納できる程度の小さなユーティリティスペースが用意されている。

画像: レイヤード構造を採用したテールカウル、その後端に埋め込まれているコンパクトなテールランプも新たにデザインされたもの。

レイヤード構造を採用したテールカウル、その後端に埋め込まれているコンパクトなテールランプも新たにデザインされたもの。

RIDING POSITION(身長:176㎝、体重:68㎏)

身長176㎝のライダーが跨がるとコンパクトさが際立つ。小柄なライポジだが、ステップが少し前に配置されているので、ヒザへの負担が少なく、制動時に下半身のズレを抑えやすい。街中から峠道まで使い勝手がいい。

画像1: RIDING POSITION(身長:176㎝、体重:68㎏)
画像2: RIDING POSITION(身長:176㎝、体重:68㎏)

写真/南 孝幸

 

This article is a sponsored article by
''.