ミドルクラス以上に標準装着されているタイヤは、大きく分けてツーリング指向、スポーツ指向、サーキット指向の3タイプがあるが、難しいのがスポーツタイヤのキャラクター設定。コーナリング性能とクルージング中の快適性、ウエットグリップ、耐摩耗性など、守備範囲の広さに合わせて相反する要素をバランスさせなければならないからだ。

『スポーツマックス・ロードスポーツ2』もそうしたスポーツタイヤ。最大の特徴は新開発コンパウンドと2層トレッド構造をリアタイヤに採用したこと。2種類のコンパウンドを重ね、ゴムの発熱を促進してグリップを高める手法はレース用タイヤにも使われているが、ロードスポーツ2の場合はスポーツタイヤにありがちな「摩耗が進むと急激にグリップが落ちる」という問題を解決することが狙い。乱暴に表現するならスリップサインが出るまで安心して使い切れるということだ。

画像: タイヤサイズ、空気圧ともに車両指定を守ってテスト中。新品装着時から約200㎞で性能が安定してきたが、これがどこまで続くのか楽しみだ。

タイヤサイズ、空気圧ともに車両指定を守ってテスト中。新品装着時から約200㎞で性能が安定してきたが、これがどこまで続くのか楽しみだ。

僕のニンジャ1000に装着して約1200㎞走ったが、最初に感じたのは乗り心地の良さ。特にフロントの衝撃吸収性が良く、高速道路の継ぎ目を通過するときの突き上げが優しいし、深めのバンク角で荒れた路面を通過した際の車体がバタつきながらアウトに出て行く挙動も抑えられている。

ハンドリングはニュートラルで、ヒラヒラ感やグイグイ曲がる旋回力を前面に出した特性ではない。車体と相性のいいOEM(標準装着)タイヤのように素直な反応だ。走行1200㎞では新品時と変わらない性能で、2層トレッドの恩恵はまだ実感できていない。現状のグリップと旋回性、快適性が8000㎞あたりまで続けば文句なしだから、今後も『WEBオートバイ』で引き続きレポートしていく。

画像: コーナリング中の舵角(フロントタイヤが内側に切れる角度)は少なめで、バンクさせた分だけ素直に旋回する。ドライ路面でのグリップは全く不満なし。

コーナリング中の舵角(フロントタイヤが内側に切れる角度)は少なめで、バンクさせた分だけ素直に旋回する。ドライ路面でのグリップは全く不満なし。

[サイズ]
フロント:120/60ZR17、120/70ZR17
リア:160/60ZR17、180/55ZR17、190/50ZR17、190/55ZR17、200/55ZR17
■価格:オープン

画像: フロントはトレッドラジアス(タイヤの断面形状)をチューニング。中間バンク角までは素直に反応し、深いバンク角で旋回性が増す特性になっている。

フロントはトレッドラジアス(タイヤの断面形状)をチューニング。中間バンク角までは素直に反応し、深いバンク角で旋回性が増す特性になっている。

画像: このセグメントのタイヤはトレッド中央部とサイド部で異なるコンパウンドを採用したものが多いが、この「2」は単一コンパウンドでリニアな接地感とグリップを得ている。

このセグメントのタイヤはトレッド中央部とサイド部で異なるコンパウンドを採用したものが多いが、この「2」は単一コンパウンドでリニアな接地感とグリップを得ている。

画像: タイヤの交換作業は豊富な経験を持つ専門ショップに任せるのが安心。このクラスはバランス取りも重要なので、専用の機械を備えたショップを選ぼう。

タイヤの交換作業は豊富な経験を持つ専門ショップに任せるのが安心。このクラスはバランス取りも重要なので、専用の機械を備えたショップを選ぼう。

テスター太田安治の欲張りリクエスト

ロードスポーツはOEMタイヤのD214と共通パターンだったが、「2」も見た目の印象はあまり変わっていない。リプレイスタイヤであることを主張するようなデザイン的な遊びがあっても良かったように思う。

写真/南 孝幸

みんなの【DUNLOP SPORTMAX RoadSport 2】レポート

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