ちょっと前のネタになりますが、ツインリンクもてぎの日本グランプリで
得たネタを紹介しちゃいますね。

まずは下の写真をご覧ください。これはA・ドヴィツィオーゾが金曜日のフリー
走行で実際に使用した革ツナギ(撮影は金曜日の夜でした)で、内側の
背中部分をめくると、なにやら基盤が出てきました。

実はコレ、エアバッグを制御するための基盤なんですねぇ。

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新しいタイプの脊椎パッドではありません。これがエアバッグを制御する頭脳とも言える部分なんですねぇ。

今回の取材は、日本GPの開催期間中にアルパインスターズのブースで
行ったなんですけど、革ツナギの中にエアバッグを入れているライダーが
いるって、ご存じでした?

現在、アルパインスターズでエアバッグ付きのツナギを用意しているのは
MotoGPクラスでは4人。(Moto2クラスや、125クラスにも数名います)
 
A・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)、
M・カリオ(Pramac Racing Team)、
H・バルベラ(Paginas Amarillas Aspar)、
そしてD・ペドロサ(Repsol Honda Team)。
 

が、しかし、ペドロサが転倒を喫してしまった金曜日のフリー走行時は
エアバッグ付きのツナギを使用していなかったとのこと。
日本グランプリの前戦であるアラゴンGPの際には、ドヴィツィオーゾ選手が
肩の後ろを強打する転倒をしてしまったものの、このエアバッグの影響もあって
大きな怪我につながらなかっただけに残念です。

ペドロサ以外の3名は毎回エアバッグ付きのツナギを使用しているらしい
のですが、ペドロサ選手はエアバッグ付きを使用したり、しなかったりと
選択していたみたです。

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では、エアバッグとはどういうものか? アルパインで開発している物は
上の写真のような物で、鎖骨から肩全体を守る役割を果たします。厚さ
は正確には測れませんが、数ミリってとこでしょうか。これがガスを送り
込むことで一気に膨らむんですねぇ。ガスタンクは2本用意されていて
一回の転倒で1本を使用。つまり、一回転んで膨らんだあとも、徐々に
空気が抜けていき、またレースに復帰できるんです。そして、その後
ふたたび転んでもエアバッグがもう一回膨らむというわけです。
 

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現在開発中のエアバッグは、転倒してから開くのではなく、転倒しそうな
ことを感知して開く構造。市販車用に使われているような、ワイヤーでバイク
とライダーをつなぐような物もなく、完全ワイヤレスとなっているのが特徴
です。ちょっとフラついたり、バイクが滑ったからと言ってエアバッグが作動
していては困りますので、各ライダーごとに専用のデータを細かく集積し、
それのデータがこのチップに入れているんです。

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開発の初期段階から、このデータを収集する作業に時間がかかっているようです。
そして現在ではMotoGPに実戦投入し、複数のライダーが装着するまでに
なりました。
 

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エアバッグが膨らむマージンを考え、肩にシャーリングが入っているのが
ポイント。エアバッグは平常時は数ミリだが、膨らむと4~5センチの厚さ
になる。 
 

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メディアコミュニィケーションズ マネージャーのジャーミィ・アップルトンさん(右)と、実際に現場で
ツナギの開発をしているメカニックの方
(左)に今回はお話を伺わせて頂きました。
 
 

う~ん、サーキット用のワイヤレスエアバッグ。備えあれば憂いなし。
欲しいです。ということで、市販化、価格面などについても質問してみた
ところ、「来年夏、価格は2500ドルくらい(ツナギは別)」とのことでした。
現在GPで使用しているエアバッグシステムは、専属のメカニックが
ありきのシステムですが、市販モデルではその辺もクリアになるそうです。

公道用も2、3年後には発売したいということですし、
ますます注目なのは間違いありませんん。

(写真/島村エージ 文/編集部・福助)