ここでは、実際の「DCT」の仕組みについて触れていこう。
図や部分写真を見るだけでは、一見システムが難しそうに見えるが、
本誌スタッフの大型初心者ライダーが扱っても、あっという間に活用で
きるようになるほど、実はユーザーフレンドリーなシステムなのだ。

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マニュアルトランスミッションをベースに、クラッチとシフト操作を自動化する「デュアル・クラッチ・
トランスミッション」。 スロットルとブレーキ操作に集中できるというメリットは大きい。

熟練のワザにせまるシフト操作を自動で実現

 クラッチレバーもシフトペダルもないから最初は面食らう。だがゼロ発
進もシフトアップも熟練ライダーが細心の注意を払って操作しているかの
ようにスムーズで、シフトタイミングも自然。Sモードでは積極的に高回
転を保つから、ワインディングでも充分な加速力とエンジンブレーキが
得られ、ハンドル操作に専念できる。停止寸前までクラッチが繋がって
いて、突然トルクが抜けないことも既存のオートマチックにはないメリットだ。
 夢中になってしまったのがMTモード。スイッチのひと押しで瞬時にシフ
トするし、フルバンク中にシフトアップしても挙動は乱れない。シフトダウン
時にはブリッピング(回転を合わせるためにアクセルをあおること)まで
行なってくれるのだから感心するしかない。
 きっと開発者はマニュアルのネガ部分を解消したかったのだろう。
結果、ネガの解消だけではなく、ポジティブな走行性も得ている。
                                    (太田安治)

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デュアル・クラッチ・トランスミッションには「AT」と「MT」の2種類の走行
モードがありハンドル右手元の操作スイッチによりその切替を行なう
(写真下)。ATモードでは走行状況に応じて的確なシフトUP/DOWNを自
動で行ない、MTモードでは左スイッチ部の+-ボタン(写真上)を操作す
ることで任意にシフト操作を行なうことができる。

 

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モードの状態はメーターパネル右の液晶パネルに表示される。ATモード
のDモードはクルージングからスポーツ走行までをカバー、より高回転域
を使いたければSモードを選択する。右操作部にはニュートラルスイッチも
設けられている。


※オートバイ9月号別冊付録Honda VFR1200F COMPLETE BOOKより
 (写真/盛長幸夫、赤松孝、河合宏介、南孝幸  文/太田安治)