2010年5月 6日 (木)
<試乗ダイジェスト>HONDA VT1300CX/ABS(2010年)
クルーザーのカスタムショーに展示されても、「うわぁ~、奇抜だねぇ。
でもキレイに出来てるなぁ」なんて言われそうな、
ホンダの正規ラインアップモデルです。
見れば見るほど、細かいところに創意工夫が行き届いていて、「外観」の
美しさに対するこだわりがビンビン伝わってきます。だからこそ、乗り手にも
美意識をしっかり持って、乗ることが必要だと思われます。
(ま、無くても乗れば楽しいでしょうけど。)
ちなみに、ボクが乗ったときは「うわぁ~面白れぇ」って言われました。
(編集部/福助)
高くセットされたステアリングヘッドパイプとロングフォークが特徴的なフォルムを生み出すVT1300CX。
1805mmのホイールベースに対して、シート高は680mmと、まさにロー&ロングスタイルで、純正とは
思えない細身のタンクからリアフェンダーに続く流麗なラインは、このモデルだけが持つ世界観を表現
している。フロントフォークのアングルは38度と大きく寝かされており、細部まで造り込まれたパーツ
類もカスタムライクの出来映え。
[車種解説]
およそメーカーメイドとは思えないプロポーションを実現した、ハイネック
クルーザー・VT1300CXの日本仕様。エンジンは水冷OHC3バルブ52度
Vツインで、最高出力は54PSの設定。89.5mm×104.3mmのロングストロー
ク設定と、PGM-FIの組み合わせにより、大型クルーザーらしい鼓動感を
伴ったスムーズな吹けあがりを実現。大きく寝かされたフロントフォークに
専用デザインのホイール、小径砲弾型ヘッドライト、タンクからシートに
かけて流れるようにデザインされたセクシーなボディライン、ダウンチュー
ブ間にピッタリと収められたラジエターなど、こだわりの装備や仕上げは
輸出仕様と共通。日本人の体格に合わせてハンドルグリップとステップの
位置は手前に移動されている。
水冷OHCのエンジンは挟角52度のVツイン。89.5mmのボアに対して104.3mmのストロークが
与えられ、低回転域からの鼓動感力強い強烈なトルクを実現。

メーターのフレームはダイヤモンド形状で、ホワイトのパネル内に速度計と液晶のオド、トリップメーター
を配置。下部は、各種インジケーター類が並んでいる。
[インプレッション]
流れるようなカタチでストレッチしたフレームを見せつけ、それに乗せた
ハンドメイドのようなタンクを強調し、一見薄そうなシートでシャシーのクビレ
に座らせる。繊細とも、豪快とも言える、徹底したチョッパースタイルでまと
められている。まるでショーモデルだ。意地悪くアラを探してみたが、フロン
トホイールのスポークの目立つ位置に、生産IDの刻印台座が並んでいる
のと、右側からエンジンを磨いていると隠しきれなかった、味気ないラジエ
ター本体が見えてしまう…ことくらいしかない。
ある意味、このジャンルのバイクは「カタチを買う」ような感覚がある。
そうした中で、センスのいいデザインそのものや、こういった造り込みなど、
CXは非常にレベルの高い魅力を持っている。

でも、それだけではない。走ってもCXは濃厚な主張をするのだ。
新開発のエンジンは一発一発の爆発に覇気があり、吹けにパンチがある。
しかもクルーザーだからといって無駄に重苦しい吹け方などを味つけされ
ていない。爽快だ。イイ感触がある。だが強力なネバリも兼ね備えている
ところがさらにスゴイ。
ワイドに設定された5速ミッションのトップギアは、もっと大型の2リッター
クラスに近い、ワイドな速度レンジで鼓動感を発散する。速度にすると70~
110km/h。1リッター前後の排気量の他のクルーザーに比べると高速域
方向に10~15km/hくらい、ノンビリとした走りと、生き物のような息吹を
楽しめる速度レンジが広いのだ。さらに、リプレイスもののサイレンサーに
換えれば、そのテイストが何倍も濃厚になるだろう。
極低速域でラフなスロットルのオンオフをすると、シャフトドライプのバッ
クラッシュのせいでショックや音が出たりするが、基本的なハンドリングに
クセはない。直進安定性も良好だが、意外なほどハンドルが軽く、大きな
車体を軽い手応えで振り回すことができる。動きの少なそうなリアサスな
ので乗り心地を心配していたが、それも悪くない。フロントは少しだけ衝撃
を伝え気味だが、これだけ寝かせたフォークだ、ある程度は仕方あるまい…。
またホンダのこのクラスのクルーザーとしてはリアブレーキ自体に非常に
高い信頼性がある。しかも、かなり後ろに重心があるため、その効きが良く、
ノンビリ走るなら、ペダル操作だけで通常の制動は事足りる。これも気楽な
クルージングには強い味方だ。
この、イキなスタイルだ。走っての性能はあまり期待してなかった。が、走っ
ても濃厚なクルーザーである。それなりのプライスもするが、個性的でセン
スの良い、見ても、走ってもの魅力を満載してる。楽しいバイクだ。
(宮崎敬一郎)
■HONDA VT1300 CX 諸元
全長×全幅×全高:2575×900×1150mm
ホイー
ルベース:1805mm
シート高 680mm
装備重量:307kg/313kg(ABS)
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総
排気量:1312cc
ボア×ストロー
ク:89.5×104.3mm
圧縮比:9.2
最高出力:54PS/4250rpm
最大トルク:10.5kg-m/2750rpm
燃
料供給方式:PGM-FI
燃料タンク容量:12L
変速機形式:5速
リターン
ブレーキ形式 前・後:シングルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ
前・後:90/90-21・200/50R18
カラー:デジタルシルバーメタリック、ボルドーレッドメタリック
■
価格:135万4500円/142万8000円(ABS)
(写真/
盛長幸夫、赤松孝、南孝幸 文/宮崎敬一郎、編集部
)








コメント