大混乱のまま暫定表彰式が行われた鈴鹿サーキットですが、FIMのセーフティオフィサー、ポール・デユパークさんから正式裁定が出されました。もちろん、レースの正式結果は、例年レース明けの月曜に、レース後車検を行ってからですから、今のところは「最新の暫定結果・更新版」ってこと。

優勝は#10カワサキレーシングチームSUZUKA8H、です。2位は#21ヤマハファクトリーレーシング、3位がレッドブルホンダ、という結果が最新暫定結果となりました。

当初、暫定結果として扱われたのは、トップを走っていて転倒した#10KRTが、「レース終了後5分以内のマシンをピットに戻さなかった」ということで失格、終了した時点の着順で、1位#21ヤマハファクトリー、2位#33レッドブルホンダ、3位#1TSRホンダ、と発表され、暫定表彰式が行われました。意外と知られていないんですが、いつもレース後にやってるのは「暫定表彰式」で、正式結果はレース後車検がおわってから、というのが世界中のモータースポーツのルールなんです。

「当初は、その理由でカワサキは失格、ヤマハ→HRC→TSRの順で暫定順位を決定しましたが、FIMのルールブックには『赤旗中断ののちにレースが終了した場合は、その1周前の順位で正式結果とする』と記されていて、『レース終了後、5分以内にピットに戻らなくてはならない』とは明文化されていない。カワサキより抗議があり、FIMとしては『赤旗中断時のルール』を適応して、優勝はカワサキレーシグチームとします」とデュパークさん。

つい先日おこなわれたWSBKイギリス大会でも、同じようなケースがありました。オイルが出て赤旗中断となったレースで、赤旗提示ののちのクールダウンラップで、トム・サイクスが転倒。サイクスは、そのレースでは3位に入賞していたんですが、その入賞は取り消されました。その理由が「レース終了後5分以内に……」というものでした。

それでも、FIMのルールブックに明文化されていなくて、WSBKでそういう裁定が下ったということは、それはWSBKのルールとして定められている、ということなのかもしれません。これはMotoGPでも同じことで、この「レース終了後5分以内に……」というルールができたのは、2005年のMotoGP:日本グランプリのGP125クラスで、トーマス・ルティがオイル漏れをおこして自らも転倒。それでも、『赤旗中断ののちにレースが終了した場合は、その1周前の順位で正式結果とする』ルールで2位となり、ワールドチャンピオンを獲得したのがきっかけでした。

このため、「カワサキ優勝」という最新暫定結果に、今度は他チームも抗議ができるんですが、ヤマハから「カワサキの抗議で裁定が覆った経緯が聞きたい」との申し入れ(抗議ではない)があり、事情説明を行なったところ「ヤマハはその裁定を尊重し、受け入れる」との発表がありました。

これで、最新暫定結果は、1:カワサキ 2:ヤマハ 3:ホンダのトップ3となりました。この結果は、あすのレース後車検ののちに、問題がなければ正式結果となります。

画像: 幻の表彰台となりましたが、ヤマハファクトリーレーシングもホンダレーシングもTSRホンダも名勝負をありがとう!

幻の表彰台となりましたが、ヤマハファクトリーレーシングもホンダレーシングもTSRホンダも名勝負をありがとう!

画像: 3位となったHRC 記者会見ではこの表情でしたが、怒ってるんじゃないのよ、疲れてるの なにせレース後に結果裁定をめぐりミーティングがあったため、この写真は22時過ぎのものなのです

3位となったHRC 記者会見ではこの表情でしたが、怒ってるんじゃないのよ、疲れてるの なにせレース後に結果裁定をめぐりミーティングがあったため、この写真は22時過ぎのものなのです

2019鈴鹿8時間耐久ロードレース 暫定レース結果

1:カワサキレーシングチームSUZUKA8H
2:ヤマハファクトリーレーシング
3:レッドブルホンダ
4:F.C.C.TSRホンダFRANCE
5:ヨシムラスズキMOTULレーシング
6:YARTヤマハ
7:MuSASHi RT ハルクプロHonda
8:S-PULSE ドリームレーシング
9:KYBモリワキレーシング
10:ホンダDREAM RT桜井ホンダ

正式のレースレポートは、また後日!

写真・文責/中村ひろふみ

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