マラソンステージ明けのステージ9中止までお知らせした2018ダカールラリーですが、後半戦も続々と波乱が続出しています。
前回の見出しは「KTM17連覇に黄信号」なんて揚げたんですが、いやいやなんのなんの。ここまで来てこのポジションなら大丈夫!ってことがないのがダカールラリーなんですね。

レストデイ明けのステージ7は、マラソンステージの初日。マラソンステージとは、サポートやメカニックの助けを借りちゃいけない日で、トラブルとか転倒、故障なんかがあったら、ライダー同士で解決しなきゃいけない日。それでも走り続けるため、メーカーやチーム間で、もうポジションが下がっちゃったライダーは、チームメイトのサポートに回ることもあるみたいです。
そして、メカニックがヘルプしちゃいけない厳しさの表れか、ホンダのマイケル・メッジは、リアホイールまわりのトラブルでリタイヤです。これも、マラソンステージじゃなかったら修復できたかもしれませんね。

画像: 猛烈内上げを見せたバレダですが、この後リタイヤを届け出ます

猛烈内上げを見せたバレダですが、この後リタイヤを届け出ます

ステージ7、マラソンステージ初日は、前半戦から徐々に標高が上がるボリビアで、終日雨が降って滑りやすい泥ルート。ここは、序盤ステージ3のミスコースで大きくタイムロス、総合トップから14位までポジションを落としたホアン・バレダ(ホンダ)が、転倒があったものの、猛烈な追い上げを見せます。でも、この転倒がのちに大きな事件になるんです……。
ステージ2位はアドリアン・ヴァン・ベヴェレン(ヤマハ)。ステージ3位は、ホンダのケビン・ベナバイズで、前半戦を総合トップで折り返していたんだけど、ベヴェレンに再逆転を許してしまいます。

ステージ8、マラソンステージ2日目はウユニ塩湖からトゥピサへ600km近くを移動する、今大会最長500km近くのSSが設定された日。この日は、アントイン・メオ(KTM)、リッキー・ブラベック(ホンダ)、トビー・プライス(KTM)がステージトップ3を決め、総合トップ争いのベナバイズがベヴェレンとの差を3分14秒から0分22秒にまで詰めました。総合3位のバレダは、この日ステージ8位で総合5位までドロップ。ちょっと負傷した箇所が良くないみたいですが、翌ステージ9が、なんと天候不順でキャンセルとなってしまい、トゥピサからサルタへの移動のみ。バレダには休息ができる恵みの雨かな、この先いよいよ最後の国、アルゼンチンでの戦いに入ります。

画像: KTMのウォークナーがトップに浮上! 終盤のこのタイム差は大きい!

KTMのウォークナーがトップに浮上! 終盤のこのタイム差は大きい!

しかし、キャンセル日が明けてのステージ10で、またもアクシデントが起こります。気温ひとケタのボリビアから、灼熱のアルゼンチンへ舞台を移した日に、またも集団ミスコースが起こるんです。
この日は373kmに設定されていたSSが前半、後半に分かれていたんですが、その後半部分で、総合トップを狙っていたベナバイズをはじめ、上位陣がミスコース! おそらくウェイポイントをロスとしてルートバックしたのでしょうが、これで40分ほどタイムロスがあったようで、なんと総合トップに、総合4位だったマヒアス・ウォークナー(KTM)が浮上しました。ウォークナーはミスコースに巻き込まれなかったようで、トップと6分半あったビハインドを一気に逆転、なんと総合2番手に浮上したバレダに39分の差をつけたのです! 
前日まで、トップまでのタイム差1分を切って総合2位だったベナバイズは、総合3位へ。しかもトップとの差は41分まで開いてしまいました! そして、前日までトップにいたヤマハのベヴェレンもこのミスコースの中にいたようで、しかも終盤に転倒を喫してヘリコプターで病院へ搬送されるけがを負ってしまいます。鎖骨と肋骨の骨折で、このままリタイヤ、フランスへ帰国するという決定がなされました。なんて日だ!

画像: ヤマハ勢のトップを走っていたベヴェレン、転倒負傷で一発リタイヤ… 厳しい!

ヤマハ勢のトップを走っていたベヴェレン、転倒負傷で一発リタイヤ… 厳しい!

ステージ10を終わっての総合の結果はウォークナー(KTM)→バレダ(ホンダ)→ベナバイズ(ホンダ)。しかし、トップのウォークナーは2位バレダに39分もの差をつけてしまいました! これはもう……、いやいや終わるまでわかんないのがダカール!

ステージ11からは、今大会2度目のマラソンステージ。この日、ベナバイズが再び追い上げを見せて、総合トップのウォークナーとの差を9分詰めて30分ほど差になったんですが、この日はなんとバレダがリタイヤを決断。ステージ7の転倒と負傷が響いたようで、この日までだましだまし走っていたんでしょう。だけどもう限界!ってリタイヤを決断しました。ステージ優勝、2度の大幅ミスコース、総合順位の大挽回をへて、ホンダのエース「ミスター・ダカール」が2018年大会を去ってしまいます。やっぱりダカールは、なにが起こるか、ホントーにわかりません。

画像: ミスコースが痛かったベナバイズ! ここからの逆転だって可能性あるある!

ミスコースが痛かったベナバイズ! ここからの逆転だって可能性あるある!

画像: 16年大会ウィナーのプライスも上位に来ました! これはわからない!

16年大会ウィナーのプライスも上位に来ました! これはわからない!

ステージ11を終わっての総合順位は以下の通り。
1:マティアス・ウォークナー KTM
2:ケビン・ベナバイス ホンダ +32分
3:トビー・プライス KTM +39分17秒
4:ジェラルド・フォレスKTM 49分17秒
5:アントイン・メオ KTM 59秒05秒
6:リッキー・ブラベック ホンダ 1時間18分10秒

ステージはあと3つ。まだまだこのまま終わらない!

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