キープコンセプトで性能向上かと思っていたが、想像を超える出来栄え!

画像: 直進状態から浅いバンク角までは軽快で素直なハンドリングと、抜群の快適性能、中間バンク角からフルバンクまではスポーツタイヤのような安定感とグリップ力を発揮する。フルバンク中にトラコンが効いたときも挙動が乱れにくいので思い切って開けられる。

直進状態から浅いバンク角までは軽快で素直なハンドリングと、抜群の快適性能、中間バンク角からフルバンクまではスポーツタイヤのような安定感とグリップ力を発揮する。フルバンク中にトラコンが効いたときも挙動が乱れにくいので思い切って開けられる。

ミシュランのスポーツツーリングタイヤはすべて試してきたが、同時期の他メーカー製品に対して確実なアドバンテージを感じたのはパイロットロード3から。快適性とハンドリングの素直さ、ドライ/ウエットグリップの高さといった相反する要件を様々な独自技術でクリアし、ツーリングライダーの現実的な使い方にマッチさせたロード3はエポックメイキングなタイヤだと思う。

さらに感心したのが2014年春に市販されたパイロットロード4。試走会では高速道路、峠道、ウエット路面を模したコースのどこを走っても想像を大きく超える性能を見せ付け、「今後3年間はトータルパフォーマンスでパイロットロード4を超えるスポーツツーリングタイヤは現れないだろう」とスタッフに言ったほどだ。

すっかり気に入って自分のニンジャ1000に装着し、高速道路メインの移動と峠道を含めたツーリングで1万1000㎞以上走ったが、まだ4分山程度残っていたから、ツーリングライダーなら2万㎞近く使えそうなロングライフも特徴。5分山程度から衝撃吸収性が落ちてきたが、ハンドリングの変化、グリップ力の低下も少なく「最後まで無駄なく使い切れるタイヤ」として、何人ものツーリングライダーに自信を持って勧めてきた。

パイロットロード4の完成度が圧倒的に高かっただけに、ロード5はキープコンセプトで全体的な性能向上を図るのだろうと思っていたが、そのパフォーマンスはまたしても想像を超えていた。パイロットロード4以上の快適性とパワーRSに迫るスポーツ性能を兼ね備えているのだ。

僕がパイロットロード4を気に入っている理由が乗り心地とハンドリング。ギャップ通過時の衝撃吸収性は秀逸で、ブレーキングからフルバンク手前までの旋回感も自然。手応えが変化したり、グリップ感が薄れることもない。

だがロード5は乗り心地の良さはそのままに、軽快さとバンク中の安定性が増している。特にUターンや40㎞/h以下でのバンキング、切り返しでの応答性が高いので市街地や舗装林道のような狭い峠道ではオートバイが軽く感じられるはず。パイロットロード4は深いバンク角のままギャップを通過すると衝撃吸収性の良さと引き換えにトレッド面がよじれるような感触があったが、ロード5はタタンッ! と素早く収束してラインを乱さない。

画像: ひと目でロード5だと判る独特のトレッドパターン。ダート路も試走したが、溝の深さによって思っていた以上に走れてしまった。

ひと目でロード5だと判る独特のトレッドパターン。ダート路も試走したが、溝の深さによって思っていた以上に走れてしまった。

5000㎞走行後でもロード4の新品状態と同等のウエット性能⁉

トレッドデザインの大幅変更でトレッド面の剛性が上がっているのか、タイヤ剛性そのものが上がっているのかは判断が付かなかったが、中間バンク角からフルバンクまでの踏ん張りが増し、高速スラロームやクイックなレーンチェンジでもビタッと路面に張り付いているような感覚。気になるようなロードノイズも耳に入ってこなかったし、暖まる前の状態でのグリップ力もトップレベルだ。

画像: グルービングレシオ(トレッド面全体と溝部分の面積比率)は12%と、パイロットロード4より少し減っているが、ウエット性能は逆に向上。エッジグリップも高まった。

グルービングレシオ(トレッド面全体と溝部分の面積比率)は12%と、パイロットロード4より少し減っているが、ウエット性能は逆に向上。エッジグリップも高まった。

ウエット性能も向上しているとのことだが、ABSに頼った直線フルブレーキングではパイロットロード4との決定的な差は感じ取れなかった。ただ、ミシュランは5000㎞走行後でもパイロットロード4の新品状態と同等のウエット性能と謳っているから、さらにライフが伸びたタイヤを安心して使い切ることができるはずだ。

と、スポーツツーリングセグメントのタイヤとしてはこれだけの情報で事足りると思う。だが、少なくともメディアのインプレを参考にタイヤをチョイスするライダーならスポーツ性能も気になるところだろう。

ちょうど某ベテランジャーナリスト氏と同じ走行枠だったので、彼がロード5、僕がパイロットロード4を装着したMTー07で低中速コーナー主体の峠道のようなハンドリングテストコースへ。暗黙の了解で積極的スポーツライディングペース? で走ったが、徐々に離される。10周ほどしたところで車両を乗り換えると、1周でその理由が判った。ロード5はハーフバンクからフルバンクまでの安定性とグリップ力が明らかに高く、スポーツタイヤ顔負けのポテンシャルを持っていたからだ。当然ペースは自然に上がり、今度はパイロットロード4装着車を徐々に引き離していく。パイロットロード4の高い荷重が掛かったときの僅かな腰砕け感は乗り心地の良さと引き換えだと納得していたが、ロード5はタイヤの構造とコンパウンドでこれも完全にクリアしている。

ともあれミシュランはものすごいタイヤを作ったと感心するしかない。試走後、スタッフに真っ先に言ったのは「今後3年間はトータルパフォーマンスでロード5を超えるスポーツツーリングタイヤは現れないだろう」だ。

画像: 5000㎞走行後でもロード4の新品状態と同等のウエット性能⁉

【サイズ表】ミシュラン ロード5 価格:オープンプライス

■FRONT
120/70ZR17
120/60ZR17
■REAR
150/70ZR17
160/60ZR17
180/55ZR17
190/55ZR17
190/50ZR17
 
※TRAIL
■FRONT
110/80R19
120/70ZR19※
■REAR
150/70R17
170/60ZR17※
 
※2018年夏頃発売予定

画像: 【サイズ表】ミシュラン ロード5 価格:オープンプライス

問い合わせ

日本ミシュランタイヤ株式会社
TEL.0276–25–4411

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