雨に見舞われたツインリンクもてぎは、公式予選初日を終えました。雨は終日しとしとと降り続き、予選セッション中は雨量が増えたり減ったり。ただし、もてぎでの雨っていうのは、GPライダーに言わせると想定内の出来事で、大きな問題はないんだって。
「もてぎは雨が降りやすいからね。さらにこのコースで雨が降っても、路面がきれいだし、でこぼこもないから、雨でもそんなに大きく苦戦することはないんだ。今僕が考えてるのは、雨で始まれば決勝レースも雨で終わって欲しいし、急に決勝日だけ晴れ、っていうのは避けてほしい、ってこと」とは、ドゥカティファクトリーチームのアンドレア・ドビツィオーゾ。

ドビはここまでランキング2位にいて、チャンピオン争いの真っただ中。このもてぎから始まるマレーシア→オーストラリアの結果によっては、自身初めてのワールドチャンピオンに大きく近づける、って状態。もともと雨では強いドゥカティだし、ドビ自身ももてぎを得意としていることから、このレースでも僕は、優勝候補のひとりに上げています。

画像: ロレンソ社ともまた違うウィングレットカウルで出走したドビツィオーゾ。す…すげぇ顔つきだ

ロレンソ社ともまた違うウィングレットカウルで出走したドビツィオーゾ。す…すげぇ顔つきだ

そのドビを獲得ポイントで上回っているのが、レプソルホンダのマルク・マルケス。マルクはここもてぎでは昨年、レースで優勝してチャンピオンを決めていますが、実はもてぎはそんなに得意なコースではないんだそうです。
「残り4戦で言うと、フィリップアイランドとバレンシアはホンダの強みが出せるんじゃないかな。逆にもてぎとセパンは苦しいかもしれない。そのふたつはドゥカティが速いんだよね……」
マルクは、ここもてぎでの優勝争いで、やはりドビを警戒しているそう。雨だとドカが速い、もてぎはドビが得意、つまりこのレースはドビを警戒する、と。
「ドゥカティはこれまでも、いくつかの得意なサーキットでは速かったよね。今年はそのコースが増えた感じで、ドビも以前から上手く乗っていたし、コンスタントだし、どんなコンディションも苦にしない。正直言って、ドビがこんなに手ごわいライバルになるとは思わなかった。みんなも驚いてるんじゃない?」

画像: 水煙上げてコーナーに進入するマルケス 雨降ってないみたいな走りです

水煙上げてコーナーに進入するマルケス 雨降ってないみたいな走りです

ウェット走行となったきょう金曜の走行は、午前のFP1はマルクがトップ、ドビが5番手で、午後のFP2ではドビがトップ、マルクは2番手でした。1分54秒台に入ったのはこのふたりだけで、総合ではドビがトップ。0秒043差でマルクが続いています。
実際に見ていても、マルクはあいかわらずぶんぶんマシンを振りまわして走っているし、1回転んだし(笑)、それで速い。対してドビは、あんまり調子よくないのかな、ってほど攻めているように見えなくて、それでいて速い! 初日を終えて、ドビが優位にあるように見えました。

画像: 雨ではいまひとつ調子の上がらないビニャーレス。序盤そこそこ、後半追い上げで表彰台へ、が狙いかな

雨ではいまひとつ調子の上がらないビニャーレス。序盤そこそこ、後半追い上げで表彰台へ、が狙いかな

そしてチャンピオン争いへのもうひとりの男、モビスターヤマハのマーベリック・ビニャーレスですが、これが絶不調。午前は9番手、午後は11番手です。総合順位でも11番手で、ドビから遅れること、約1秒5――これはなかなかの出遅れっぷりですね。ちなみにチームメイトのバレンティーノ・ロッシも、午前19番手、午後12番手。総合も12番手で、きのう急きょ出場が決まった総合13番手の野左根航汰より、わずか0秒018速いだけ。
今年のヤマハ勢は、ウェットと言うか、特に路面温度の低いレースで低迷することが多いんですが、それがもてぎでも現実になっちゃいました。サテライトマシン(つまり旧型、2016年モデル)のヨハン・ザルコは総合5番手ですから、なんだろ新型の方がコンディションにシビアだってことかな。
「今年はウェットレースで苦しんでるね。まだいいセットアップも見つかってないんだ。トップとの差は大きいし、特にリアグリップを改善していかないと。コンディションが悪すぎたわけでもないし、路面もきれいだっただけに残念だ」とマーベリック。
土曜の天気予報は、曇り…すこし快方に向かってるのかな。ドライでの走行ではどうなるんだろう、そして日曜の天候はどうなるんだろう、ってのが見所になりそうですね。

さぁ、日本グランプリ決勝まであと1日!

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