まず「ピッチングモーション」ってなんだろう?

バイクの発進ではフロントフォークが伸びて、ブレーキをかけるとフロントフォークが縮む。こんな前後方向の姿勢変化をピッチングモーションという。この姿勢変化が速くて大きいと直線でもふらつきやすく、路地を曲がるときなどで思うように曲がれなくなる。

画像: まずは発進停止で車体のピッチングを体感。発進時はフロント側が軽くなり、減速時は特にフロントブレーキでフロント側が沈み、リアが軽くなることを実感したい。(イラスト:寺崎 愛)

まずは発進停止で車体のピッチングを体感。発進時はフロント側が軽くなり、減速時は特にフロントブレーキでフロント側が沈み、リアが軽くなることを実感したい。(イラスト:寺崎 愛)

だから直線走行時から穏やかな加減速を心がけ、安定した車体姿勢を作ることが基本。アクセルによる穏やかな加減速、優しい前後ブレーキ操作による穏やかな減速を繰り返すことがストリートでの安定した走りに直結する。

では穏やかなアクセルとブレーキの操作とは何か。これは基本的にクラッチ操作と同じ。アクセルは最初に1ミリ開けてチェーンを張った状態にしてから次に2ミリ、3ミリと素早く力強く開けていく。いきなりガバッとアクセルを開けずに3段階くらいの開け方、アクセル3兄弟を意識。

ブレーキも同じこと。特にフロントブレーキはちょっとかけるだけでガクッと前のめりになるから、ブレーキレバーの遊びをとって1ミリほど握り込んだところを長男(はじめ君)として、そこから次男、三男と握り込んでタイヤにかかる荷重(接地面圧)が上がってグリップが強くなって確実に止まる体勢ができるというわけだ。

リアブレーキは制動力そのものはフロントに及ばないけれど、リアがスクワットする形で姿勢の安定性を生み出すので、前後同時の穏やかブレーキが効果的。

まずは穏やかなピッチングモーションから始めるのがライディングの基本ということだ。

画像: まず「ピッチングモーション」ってなんだろう?
画像: 信号右折待ち後に一気に加速しながら右折すると前輪荷重が低く、ラフにアクセルを開けると前輪スリップしやすい。路面が荒れているほどハイリスクになる。

信号右折待ち後に一気に加速しながら右折すると前輪荷重が低く、ラフにアクセルを開けると前輪スリップしやすい。路面が荒れているほどハイリスクになる。

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