今日のツインリンクもてぎは、朝からカラッと晴れて、梅雨入り宣言何するものぞ、などピーカン。心配された、きのうのような雨もなく、ドライコンディションのままレースが行なわれました。
やはり、大事件について触れておかなくちゃなりません。JSB1000クラス、開幕戦・鈴鹿、第2戦・菅生と、2戦連続で転倒ノーポイントレースを演じてしまった5年連続チャンピオンの中須賀克行(ヤマハファクトリー)のリベンジは、あともう一歩のところで達成されませんでした!

画像: スタートシーン 88清成がグイッと前へ出るのがわかりますね

スタートシーン 88清成がグイッと前へ出るのがわかりますね

レースは、ポールポジションからのスタートだった中須賀、王者のレース展開でした。スタートで前に出て、後続をジリジリと引き離して、いつの間にか大量リードを築いて勝ち切る、そんな必勝パターン。レース序盤は、2列目4番手スタートの清成龍一(モリワキMOTULレーシング)がジャンプアップして2番手に浮上。中須賀を追いますが、すぐに野左根航汰(ヤマハファクトリーレーシング)が2番手に浮上して、これでレースはヤマハYZF-R1の1-2フォーメーション。絶対王者と、進境いちじるしい若手が、完全にツインリンクもてぎを支配したようなレース展開でした。
注目は3番手以降――そんなレース展開。ここまで2連勝してきた高橋巧(MuSASHi RTハルクプロホンダ)はスタートでやや出遅れ、序盤に先頭との差を詰めなきゃならない苦しい展開。高橋のよくないクセというか、下位に沈む時はこんな序盤のことが多いのです。
これでレースは中須賀-野左根-高橋の順。清成は後退して4番手、津田拓也(ヨシムラスズキMOTUL)が5番手、6番手に高橋裕紀(モリワキMOTULレーシング)というオーダー。トップの中須賀のペースは速く、懸命に追う野左根が届かない。ほぼこのへんで順位が固まってきたかな、そんな展開になっていきました。

画像: レース序盤からYZF-R1の1-2フォーメーション 野左根が中須賀に追いつかないぃ!

レース序盤からYZF-R1の1-2フォーメーション 野左根が中須賀に追いつかないぃ!

上位陣の順位に変動がないまま、レースは中盤から後半へ。オーダーは変わらず中須賀-野左根-高橋-津田、という順で、中須賀のペースは変わらず、1位と2位の差が縮まることはありません。
そして迎えたラストラップ。中の人はコースサイドで撮影していたんですが、さぁファイナルラップ、ってアナウンスした場内実況のピエール北川さんが「うわ―――、やってもーたぁぁ! ※×●▲×※+が×●▲×※だぁぁぁぁ! なんてことだぁぁぁ!」って叫び始めました。コースサイドにいると、実況の声って響いちゃって重なっちゃって、よく聞き取れないんですよね。
ナンダナンダ、でも、どうやら誰か転んだらしい。少し冷静さを取り戻したピエールさんの声がハッキリ聞き取れた時は、なんと中須賀が転倒、って恐るべき事実を知るのです! どうやら最終ラップのV字コーナーで、周回遅れと接触して転倒! 再スタートしたものの、大きく順位を下げたようなのです。

画像: ミスなく中須賀を追い詰めた…ってほどは詰まらなかったけれど、JSB1000クラス初優勝!

ミスなく中須賀を追い詰めた…ってほどは詰まらなかったけれど、JSB1000クラス初優勝!

画像: 開幕2連勝、3戦目も2位でまとめて上々の高橋。まだ中須賀とのガチンコでは分が悪いか

開幕2連勝、3戦目も2位でまとめて上々の高橋。まだ中須賀とのガチンコでは分が悪いか

画像: 事前テストでは1ランク速かったGSX-R1000Rと津田 この日の高い路面温度に苦しんだようです

事前テストでは1ランク速かったGSX-R1000Rと津田 この日の高い路面温度に苦しんだようです

結局、レースは野左根がJSBクラス初優勝! 順位はそのまま繰り上がって、2位に高橋、3位に津田が入賞。中須賀は再スタートして9位でフィニッシュ! アクシデントにめげず、きちんと完走を果たしました。中須賀はこれが今シーズンの初ポイントですね。
「初優勝もなにも、中須賀さんがあんなことになっちゃって……。もちろんうれしいけど、あのアクシデントがなければ、中須賀さんが圧勝していたと思います。まだまだ中須賀さんの壁は高いけど、きちんと勝負して勝てるようになりたいです」と野左根。野左根はこれで、世界耐久選手権と日程が被るため、次戦のオートポリス大会を欠場。かわって、ヤマハワールドスーパーバイクチームのマイケル・ファン・デル・マークが代役参戦することが発表されました。

画像: JSB初優勝の流れに乗って世界耐久でも初優勝してきます、と野左根

JSB初優勝の流れに乗って世界耐久でも初優勝してきます、と野左根

しかし、開幕2戦を落としたとはいえ、中須賀の速さが完全に復活したレースでした。周回遅れとの接触は、如何にもレーシングアクシデント、避けることのできないアクシデントですが、2位を大きく引き離しての最終ラップ、なにもわざわざV字で抜きにかからなくても、次のストレートで抜けばいいのになぁ……とも思うんです。そういうところで、中須賀に焦りがなかったか、最終ラップで気の緩みはゼロだったか、そこもポイントのひとつになると思います。
しかし、開幕戦・鈴鹿では事前テストと決勝で、第2戦・菅生では予選と決勝で、そしてこのもてぎ大会でも、事前テストと予選、そして決勝で転んでしまった中須賀。確か、この2年間はJSBマシンでの転倒はゼロだったはずなので、この悪循環は、タイヤが16.5インチから17インチになったからなのか、開幕戦・鈴鹿の事前テストで転んだからなのか、なにか歯車が狂いっぱなしのように見えますね。本人は調子もまったく悪くないし、スピードもある。いずれ復活する、その時を待とうと思います。
■JSB1000クラス正式結果
1 野左根航汰 YZF-R1     ヤマハファクトリーレーシング
2 高橋 巧  CBR1000RR SP2 MuSAHi RT ハルクプロホンダ
3 津田拓也  GSX-R1000R   ヨシムラスズキMOTUL
4 渡辺一馬  ZX-10RR     カワサキTeamグリーン
5 山口辰也  CBR1000RR SP2 TOHOレーシング
6 藤田拓哉  YZF-R1      ヤマルーブレーシング
7 高橋裕紀  CBR1000RR SP2 モリワキMOTULレーシング
8 清成龍一  CBR1000RR SP2 モリワキMOTULレーシング
9 中須賀克行 YZF-R1      ヤマハファクトリーレーシング
10 浦本修充  GSX-R1000R   チームカガヤマ

他クラスレポートは後ほど^^

画像: 中須賀のいない表彰台、けれど野左根が表彰台の頂点にいます!

中須賀のいない表彰台、けれど野左根が表彰台の頂点にいます!

This article is a sponsored article by
''.