AsiaRoadRacingChampionshipで検索すると公式動画ザクザク

アジア選手権・日本大会が終わりました。中の人は所用で2日間ともは行けず、日曜のみの取材となったんですが、アジア選手権は動画サイトが充実していて、土曜のレースの模様もばっちり。フェイスブックでも流れるリアルタイム中継、スゴい! なんてったって、コースサイドで撮影していたタイのカメラマンが、なんかごそごそやってんな、と思ったら、撮影する一団が通り過ぎると、次にまた通過するまで、ケータイでリアルタイム動画見てるでやんの! いやぁ、便利な世の中になったなぁ。ごそごそやってたのは、コースサイドで見てるから外光で見づらくて、ジャケットかぶってたみたい。MotoGPもWSBKもリアルタイム中継があるから、もはやワールドスタイルなのかな。
ひとつ前のアップで、スズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)までお伝えしたので、その後のおハナシを。あ、併催されていたIDEMITSUアジア・タレント・カップ(IATC)は、また別件を立ててアップしようと思います。

CBR強し!トップグループをほぼ占拠!

画像: AP250のレース序盤 山本がトップに立つも、逃げ切ることはできません

AP250のレース序盤 山本がトップに立つも、逃げ切ることはできません

SACの次に開催されたのは、アジア・プロダクション250(AP250)。このクラスは、なんといっても、日本での本格お披露目となる、ニューCBR250RRの強さ、速さが印象的でした。
レースは、スタートからゲイリー・サリム(アストラホンダ)、山本剛大(シドラホンダ)、小山知良(RAMAホンダ)らCBR勢が完全に主導権を握り、去年はあれだけ圧倒的に速かったヤマハYZF-R25ですら、アヌパブ・サムーン(ヤマハタイランド)が唯一トップグループに食い下がるのみ。レース序盤にはレーザ・ダニカ・エレンス(アストラホンダ)もトップグループに加わり、これで5台によるトップグループは、CBR4台、YZF1台という構成で周回が進んでいきます。
序盤には山本、次にエレンス、そして終盤にはサリムがトップに立つなか、勝負はファイナルラップへ。この「ファイナルラップ勝負」って局面は、イコール(またはニアリー)コンディションのレースではテッパンの作戦で、事実この日のレースはほぼ全クラス、最終ラップの最終コーナーで接触、転倒があって順位が変動、ってことが多かったんです! 
AP250も例外ではなく、このレースで最終ラップのシケインで接触転倒したのは、なんと山本とエレンスというCBRの同志討ち! 正確にはサリムがエレンスのフロントをひっかけ、目前で転倒したマシンに山本が乗り上げてしまうというアンラッキーな接触転倒でした。
5台の先頭集団から2台脱落したわけだから、残り3台が表彰台。ってことで、サムーンのヤマハYZF-R25が一矢報いたのでした。ゴッツァン表彰台には違いないけど、最終ラップまでこの位置にいたから、のゴッツァンなわけで、これもサムーンのレース展開をほめるべきです。

画像: エレンスがトップに立ったレース中盤 エレンスもまた、逃げられません

エレンスがトップに立ったレース中盤 エレンスもまた、逃げられません

画像: 最終ラップ、思わぬとばっちりで転倒した山本 マシンを起こして再スタート、5位フィニッシュです

最終ラップ、思わぬとばっちりで転倒した山本 マシンを起こして再スタート、5位フィニッシュです

画像: マシンのパフォーマンスアップがグンと進んだ、という小山 次戦インドネシア大会こそ!

マシンのパフォーマンスアップがグンと進んだ、という小山 次戦インドネシア大会こそ!

画像: インドネシアの20歳 ゲイリー・サリム タレントカップにも参戦していて、同時開催となった日本大会ではAP250へ出場しました

インドネシアの20歳 ゲイリー・サリム タレントカップにも参戦していて、同時開催となった日本大会ではAP250へ出場しました

優勝はサリム。これで日本大会をダブルウィン、3戦6レースのうち、マシントラブルで出走できなかったレースを除けば5戦全勝です。2位にサムーンが入って、3位に小山が入りました。
「トップの後ろにいて、最後の最後に仕掛ける、って戦術しかないんです。でも、実はマシンを大きく変更して、性能的にもライバルたちと並べる位置まで来られました。長いトンネルを抜けたっていうか、これで次からは優勝狙いの走りができます」と小山。16年にSS600クラスでぎりぎりのチャンピオン争いを演じ、これに負けたもののAP250という新しい世界にチャレンジして結果を出そうとし始めています。まったくスゲぇベテランです!

ウエスト、伊藤に続いたのはまさかの…

次に行われたのが、メインイベントのSS600クラス。土曜のレース1では、アンソニー・ウエスト(アケノスピード/ヤマハ)が伊藤勇樹(ヤマハレーシング)を抑えて優勝しましたが、やはりウエストは、元GPライダーで、今シーズンもWSSPの開幕戦オーストラリア大会にも出場したワールドクラス・ライダーですから、伊藤が挑んで、ハネ返された印象。伊藤は今日も、ワールドクラスの壁に挑むことになるのです。それも、もう一枚のブ厚い壁に――。
レースは、アズラン・シャア(カワサキレーシング)がホールショットを獲り、ややあって伊藤が序盤から前に出ます。トップグループは、チャランポール・ポラマイ(ヤマハタイランド)、榎戸育寛(モトバムホンダ)、羽田太河(RAMAホンダby NTS)ら6台ほどでしたが、周回を重ねるにしたがって1台減り、また1台減り、レース中盤には伊藤が引っ張り、ウエストが追い、というレース1のような展開。榎戸は徐々にポジションを落としていきます。

画像: レース序盤のトップグループ 伊藤とウエストが抜け出し始めます

レース序盤のトップグループ 伊藤とウエストが抜け出し始めます

画像: その後方のセカンドグループから加賀山が抜け出し、トップグループへ迫ります

その後方のセカンドグループから加賀山が抜け出し、トップグループへ迫ります

画像: ラストラップ! ウエスト、伊藤、加賀山、羽田がこの差のトップ争いです! まさにベテランvs若手

ラストラップ! ウエスト、伊藤、加賀山、羽田がこの差のトップ争いです! まさにベテランvs若手

伊藤とウエストがトップ争い、やや後方に羽田、とうオーダーのなか、ラスト5周くらいにウエストが伊藤をパス。その2台を追う羽田の後方から、青いマシンが! そう、この日本大会にワイルドカード参戦し、GSX-R600での初レースどころか、初乗りだという加賀山就臣(チームカガヤマ)が、羽田をかわして3番手に上がるのです。
加賀山は、ご存じのようにSACのプロデューサー。昨シーズンまでは、SS600クラスにもチームカガヤマからマシンが参戦していて、SACを勝ち抜いたライダーのひとつの目標になっていたんですが、今年はSS600クラスにGSX-Rのエントリーはなく、目標を失わないためにも出ることにした、と語っていました。
しかし、スズキGSX-R600といえば、正直言って設計年度も古く、アジア選手権どころか全日本選手権、他の各国選手権、WSSPも含めて、戦闘力はサッパリ、という印象のマシン。さらに言えば、加賀山が乗ったこのマシン本体は、昨シーズンに芳賀紀行が乗ったマシンそのもの。優に半年は放置されていたマシンを急きょ組み上げ、600ccレース経験ゼロのライダーが、ゼロからセッティングしたマシン、というものでした。土曜のレース1では、予選10番手から8位フィニッシュ。8位フィニッシュも意外に(と言っては失礼ですが)いい成績、と思っていたら「このレース1で600の大体の性格はつかめた」と加賀山は言います。

画像: おなじみチームカガヤマのカラーリングのマシンに乗る加賀山 しかし今回は1000ではなく600!

おなじみチームカガヤマのカラーリングのマシンに乗る加賀山 しかし今回は1000ではなく600!

画像: 記者会見で加賀山と言葉を交わしたウエスト 「いくつなの?」(ウエスト)「43歳だよ ハガと一緒な」(加賀山)「ワーオ、これでオレが一番センパイだって言われなくて済むな」(ウエスト)

記者会見で加賀山と言葉を交わしたウエスト 「いくつなの?」(ウエスト)「43歳だよ ハガと一緒な」(加賀山)「ワーオ、これでオレが一番センパイだって言われなくて済むな」(ウエスト)

レース2でも10番グリッドからのスタートだった加賀山は、周回ごとにポジションを上げ、本当に「いつの間にか」トップグループの真後ろへ。そのまま、なんとファステストラップも叩き出し、羽田をもかわした加賀山は、その勢いのまま2番手の伊藤へアタック! 「まさか加賀山さんがあんなにすぐ後ろにいるとは」と驚いたという伊藤も意地を見せて2位を死守しました。
これでレース2は、ウエスト、伊藤、加賀山の順。しかし、最後の最後に加賀山にパスされた羽田もあきらめず、ギリギリまで加賀山を逆転しに行った姿も印象的でした。36歳ウエストと43歳加賀山、そこに挑む26歳伊藤と18歳羽田--これが、先輩から後輩への闘魂伝授なのだ。

ニューCBRの日本デビュー・インパクト、最初から最後まで団子状態でトップ争いを繰り広げ続けるSAC、アンソニー・ウエストのワールドクラスの存在を吹き飛ばすような加賀山の快走が、この2日間をぜんぶ持って行ってしまいましたw 考えてみれば、加賀山もGP500からMotoGP、WSBKを経験してきたワールドクラスライダーなんです。
ベテランからジュニアへの闘魂伝授をこの目で見た、見ごたえあるアジア選手権でした!

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