画像: これが日本製moto2マシン、NTS #44がオデンダール、#76が尾野のマシンです

これが日本製moto2マシン、NTS #44がオデンダール、#76が尾野のマシンです

世界最高の激戦区スペイン選手権

この週末はWSBKの第4戦と同時に、スペイン選手権(CEV)も開幕しました。ご存じのように、CEVは世界選手権に一番近いチャンピオンシップとして注目されていて、日本からもmoto3クラスに「アジアタレントチーム」選抜として、真崎一輝、小椋藍、國井勇輝が参戦。moto3クラスは、正式名称「レプソルCEV moto3ジュニアワールドチャンピオンシップ」と呼ばれ、フランス、ポルトガルといったスペイン国外でも開催して、もうMotoGPに直結。MotoGP/moto3クラスに出場しているエストレージャ・ガリシアやアスパー、アビンティアやインターヴェッテンが参戦していて、MotoGP/moto3クラスに参戦している鈴木竜生のSIC58スクアドラコルセもチームを参戦させています。マックス・ビアッジが作ったチームも、今シーズンからマヒンドラで参戦するんじゃなかったっけ。

画像: 中央が生田目さん 全日本、アジア、スペインと飛び回っています^^

中央が生田目さん 全日本、アジア、スペインと飛び回っています^^

今回は、moto2クラスのお話。このクラスもMotoGPと直結していて、MotoGP/moto2とレギュレーションを統一。カレックスやスッター、TECH3のフレームを使用したマシンが走っています。
その中の登録マシンに「NTS」ブランドも参戦。NTSとはつまり、手島雄介率いるT.PROの活動体のひとつでもあるコンストラクターNTSのことで、日本のmoto2フレーム認定メーカー。かつて80年代終盤~90年代はじめに全日本選手権を走っていた生田目將弘(=なまためまさひろ)さんがチームオーナーで、2013年に全日本ロードレースで野左根航汰がJ-GP2チャンピオンになった時のマシンコンストラクターが、このNTSでした。
そのNTSがT.PROのメインスポンサー、チーム母体となってCEV moto2クラスに参戦しているわけです。チーム名は「NTS スポーツコード T.PRO」。もちろん、日本のチームがスペイン選手権にフル参戦するのはNTSが初めて! 当然、生田目さんも近い将来のMotoGP世界選手権を見据えている、ってことです。T.PROはこれで、全日本ロードレース、アジア選手権、そしてCEVレプソルという架け橋ができている、ってことですね。
NTSは2016年シーズン、アラン・ティシェを擁してランキング3位を獲得。ちなみに2位は日本の長島哲太で、16年チャンピオンはスティーブン・オデンダール。今シーズンは、そのオデンダールがNTSに加入し、そのチームメイトには、MotoGP/moto3に参戦していた尾野弘樹が収まりました。尾野はmoto2クラス初挑戦ですね。

画像: 予選は雨 初マシン、初コースで雨とは…… 尾野もオデンダールも、雨の予選2回目でタイムアップ!

予選は雨 初マシン、初コースで雨とは…… 尾野もオデンダールも、雨の予選2回目でタイムアップ!

開幕戦アルバセテ大会では、NTSのふたりは公式予選でオデンダールが8番手、尾野は14番手を獲得。予選1回目で、ふたりのライダーともサスペンションにマイナートラブルがあり、オデンダールは12番手、尾野は14番手だったものの、予選2回目では雨脚が強くなったにもかかわらず、タイム更新。トラブルは解消、状態は上向きで決勝レースを迎えたようです。
決勝レースは晴れ。20周の決勝レースでは、オデンダールが好スタートを決め、予選8番グリッドから5番手あたりでレースをスタートし、尾野はややポジションを下げながらオープニングラップを終了。オデンダールは、このまま少しずつポジションを上げながら、レース終盤には3番手に浮上! しかし終盤にパスされ、0秒006差で4位フィニッシュ。
尾野は序盤からジリジリとペースを上げ、レース中盤から終盤にかけて自己ベストタイムを更新したものの、ポジションを大きく上げることはできず、12位でフィニッシュ。オデンダールは別として、尾野は小柄で、典型的なmoto3ライダー体格なだけに、いかに早くmoto2マシンに慣れるか、が当面のテーマ。しかも、オリジナルマシンのNTSフレームの特性をつかむためにも、貴重な開幕戦完走だったと思います。がんばれヒロキ!

画像: カレックス、スッターらと戦うジャパンオリジナルNTS

カレックス、スッターらと戦うジャパンオリジナルNTS

課題もあったけれど、ポジティブな開幕戦

「スタートは失敗して、順位を落としてしまいました。序盤5周はペースをつかめずに離されてしまったんですが、レース中盤に上手くマシンを走らせられるようになって、その頃は少しフロントにバイブレーションも出ていたんですが、挙動や安定感はあったので、そのままペースを上げることができました。マシンにも少し慣れられたし、マシン特性もライバルより強いところがあって、ポジティブだったと思います。第2戦は5月後半、長いインターバルがあるので、ライバルと対等に戦えるところくらいまで持っていきたいです」と尾野。ポジションは納得いかないものだったでしょうが、初マシン、初チームでの初レースを走り切れた安堵感もあるかもしれませんね。
「ふたりとも初めて尽くしの中で、現時点での精一杯の力で走ってくれました。シーズンオフにマシン開発をしての開幕戦でしたが、新たな問題も見つかったので、引き続き開発を進めて、1レースでも早くライダーの好成績に結びつけたいですね。スティーブンの3位は見えていたんですが、そこはレースの難しさ。悔しいけど、課題はあってもマシンはいいフィーリングなので、いいところを伸ばせるよう、この活動に協力してくれるすべての人たちと一緒に進んでいきたい」と生田目オーナー。
NTSは福島のいち企業で、大メーカーとは比べるべくもない小規模のレーシングコンストラクター。日本からの、しかも地方からの挑戦を楽しみに見守りたいです!

画像: CEVで結果を残せば、すぐにMotoGPへの道は開ける!……かもよ、ヒロキ!

CEVで結果を残せば、すぐにMotoGPへの道は開ける!……かもよ、ヒロキ!

CEVは全8戦が行われ、開催予定は以下の通り。
開幕戦 4/30  アルバセテ
第2戦  5/20  フランス・ルマン
第3戦  6/18  カタルニア
第4戦  7/2  バレンシア
第5戦  9/3  ポルトガル・エストリル
第6戦  9/17  ヘレス
第7戦  10/8  アラゴン
第8戦 11/19 バレンシア

Webオートバイでは、今後もCEVレプソルねた、がんばってお届けします!^^

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