ホンダ、もうガマンしない!

MotoGPのシーズン前テストもスタートしました、WSBKも開幕戦が間近です! いよいよ2017年シーズンが始まるな、って2月中旬。ホンダの国内2輪/4輪モータースポーツのラインアップが発表されました。

2016年シーズンは、世界選手権でロードレース/モトクロス/トライアルの3冠を獲得したホンダですが、国内ロードレースは、ちょっと我慢のシーズンが続いています。国内ロードレースシリーズの最高峰・JSB1000クラスでは、ヤマハYZF-R1+中須賀克行の5連覇を許し、鈴鹿8耐でも14年を最後に優勝大トロフィーを受け取っていません。負けず嫌いなメーカーですから、この「結果」はそろそろガマンならない状況かもしれませんね。

「全日本はもちろん、8耐はもう2年もヤマハさんにやられています。今年はマシンをリニューアルして、ワークスマシンを3台、チーム貸与の形で出します。ワークスチーム復活については、社内で議論しているところです」とは、モータースポーツ部の山本雅史部長。

画像: 会見場に展示されたNew CBR1000RR SP2ベースのレーステスト車両

会見場に展示されたNew CBR1000RR SP2ベースのレーステスト車両

マシンをリニューアルというのは、New CBR1000RRのデビューのこと。歴代CBR史上初めて「SP」バージョンを設定して、さらにレース向けベースモデルに近い「SP2」も発表しました。けれど、このNew CBRは、フルモデルチェンジというよりは、マイナーチェンジに留まっています。一見すると、カウルのカッティングが変わってメインフレームが露出して、顔つきが変更。エンジンはパワーアップし、軽量化を果たした……だけに見えますが、ここに発表していない項目として「FbW」の採用が大きいですね。FbWとは、フライbyワイヤ。またはスロットルbyワイヤ(=TbW)と呼ばれているかな、電子制御スロットルのことです。いわゆるスロットルケーブルがない、アクセルグリップとインジェクションが物理的につながっていない構造です。

スロットルの開け閉めは電気信号でインジェクションに伝わって、その中間にいろんな制御系のメカを割り込ませることができる、というメリットがあります。MotoGPの初期にありましたね、RC211VのV5エンジンが、低いギアで簡単にトンデモないパワーを絞り出すから、1~3速での開け始めでは5気筒全部は開かず、コントロールできる、タイヤがスピンしないパワーだけを発揮させる「インテリジェント・スロットルコントロール」です。代表的な例で言うと、国内発売予定のNew CBR250RRにも採用されていますね。

この採用が、New CBRの最大のトピックです。けれど、この採用で速くなるわけじゃない。制御とはつまり、マイナスの介入ですから、マイナスの介入が有効になるときまで、FbWの大きな効果は感じられないわけです。マイナスの介入っていうのは、たとえばスライドコントロールです。出力がタイヤグリップより大きくなるとタイヤがスライドしますから、コーナーの立ち上がりでの滑り出しや、タイヤが消耗してからの滑り出しの時に、制御が介入するわけですね。

これは鈴鹿8耐のような、タイヤの消耗を前提としたステージで生きるわけですね。もちろん、スプリントでも、レース中盤以降はタイヤの消耗と戦わなきゃいけないわけですから、そこでは効果を発揮します。カンタンに言えば、New CBRは、そこがグレードアップされているわけです。今シーズンのCBRユーザーは、この制御系がポテンシャルアップしている、というわけです。

画像: ワークスマシン標準スペックは16年に続いてオーリンズ製サスペンション+ニッシン製ブレーキ、ブリヂストン製タイヤを使用

ワークスマシン標準スペックは16年に続いてオーリンズ製サスペンション+ニッシン製ブレーキ、ブリヂストン製タイヤを使用

画像: 左右ハンドルスイッチには制御系の切り替えスイッチが。テスト車だけに、テスト専用ボタンかもしれません

左右ハンドルスイッチには制御系の切り替えスイッチが。テスト車だけに、テスト専用ボタンかもしれません

注目はホンダ復帰の清成龍一!

「新しいCBRに関して言えば、サスペンションの方式が変更されると思ったけれど、それはなかった。そこまでしなくても戦えるマシンを、ホンダが作り上げてくれた、ということなんだと思う。まずはそこまでポテンシャルを発揮させなきゃイカンね」とは、モリワキMOTULレーシングの森脇 護 代表。サスペンションの方式っていうのは、CBR1000RRのユニットプロリンクのことですね。MotoGPマシンも、すでにユニットプロリンクじゃなくなって久しいですから、市販車も車体縣架のサスペンションになる、と思ったのでしょう。ちなみにモリワキは、ピレリタイヤの供給を受け、KYB製サスペンションを使用する、CBR勢の中でも異色のスペックです。

画像: 「勝てるライダー、ふたりも揃って、チームはもうメチャクチャですわ」とうれしい悲鳴、のモリワキ

「勝てるライダー、ふたりも揃って、チームはもうメチャクチャですわ」とうれしい悲鳴、のモリワキ

このNew CBRで、ホンダは全日本JSBと鈴鹿8耐を狙ってくるわけです。その顔ぶれも、まずはホンダ系のエース、ハルクプロの高橋 巧を筆頭に、コハラレーシングチームの秋吉耕佑、TOHOレーシングの山口辰也、そしてモリワキレーシングから高橋裕紀、清成龍一がWエントリー。このへんが全日本JSBのトップチームで、さらにJSB開幕戦である鈴鹿2&4にTSRホンダのアラン・ティシェがスポット参戦します。

やはり注目は、ホンダに復帰した清成でしょうね。清成はBSB(=イギリス・スーパーバイク)からの全日本カムバックで、実はJSB1000にシリーズ参戦するのは初めてなんですね。清成の全日本は02年のST600クラス以来で、それからはMotoGP、BSB、WSBK、再びBSBを走り、全日本復帰は実に15年ぶり! ここんところBMWやスズキでのレースが続いていました。そんな久しぶりの気がしないのは、鈴鹿8耐にも出場してくれていたからですね。8耐では、15年にチームカガヤマで走って3位表彰台にも立っているしね。

「去年まで海外のレースで、今年は全日本と8耐を戦うために戻ってきました。モリワキで走ること、それにユウキと一緒にやれるのは楽しみだけれど、耐久では心強いチームメイトでも、全日本では厄介な敵になると思います。相乗効果で、ふたりで速くなって行けたらいいな、と思っています。CBRはずっと乗っていたマシン、速いマシンだっていうことは知っているし、うまく乗れるかは不安ですが、全日本でも開幕から優勝してチャンピオンを獲りたいし、8耐はユウキと組んで、また違うレースだと思ってがんばります。不安もあるし、楽しみもあります」と清成。

画像: 15年ぶりの全日本フル参戦となる清成。ホンダユーザーチームのエース争いも注目です

15年ぶりの全日本フル参戦となる清成。ホンダユーザーチームのエース争いも注目です

New CBRがどれほどのポテンシャルなのか、高橋が、清成が、どの位置を走るのか。
今シーズンから、JSBクラスも17インチホイールが使用されることになり、昨年まで使用していた16.5インチは廃止されます。MotoGPでも、新たにミシュラン17インチを履きはじめた16年シーズン、9人ものウィナーが誕生するという波乱な展開になりました。

ホンダ覇権奪回なるか? 最強・中須賀をストップするのは誰か、何人のウィナーが誕生するか、ちょっとワクワク、な2017年です!

以下が全日本ロードレースの主要メンバーです。

画像1: 注目はホンダ復帰の清成龍一!
画像2: 注目はホンダ復帰の清成龍一!

写真/赤松 孝・編集部

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